ラウンジ開業に必要な資金と手続きは?経営者が知るべきポイントを徹底解説

目次

この記事をご覧の方は、以下のような疑問をお持ちではありませんか?

ラウンジは深夜営業が可能で、キャバクラよりも開業ハードルが低いという特徴があります。

本記事では、これからラウンジを始めたい方に向けて実践的な情報をお届けします。

本記事では以下の内容について解説していきます。

読み終える頃には、ラウンジ開業への具体的なロードマップが見えてくるはずです。

そもそもラウンジとは?キャバクラとの違い

「ラウンジ」と「キャバクラ」を混同している方は意外と多いです。

しかし、法律上も営業スタイルも全く異なる業態。

①法律上の分類が根本的に異なる

最大の違いは風営法での位置づけです。

キャバクラは女性が客の隣に座って会話やお酌をする「接待営業」です。

対してラウンジは、カウンター越しの会話が基本で、過度な接待行為は行いません。

②営業時間に大きな差がある

ここがラウンジ最大のメリットです。

都心部では深夜1時以降の客単価が高く、この時間帯だけで日中の売上を超える店舗も珍しくありません。

③接客スタイルの違いを理解する

接客方法も明確に区別されています。

キャバクラでは女性が客席に座り、ライターで火をつけたりお酌をしたりする「接待行為」が認められています。

ラウンジの接客スタイルは以下の通りです。

よく「ラウンジは接客が薄い」と誤解されますが、会話でのコミュニケーションは十分に取れます。

むしろ大人の会話力が求められる業態といえるでしょう。

④料金体系がシンプル

料金システムもシンプルさが特徴です。

複雑な料金システムを嫌う客層にとって、明朗会計は大きな魅力です。

明朗会計とは?キャバクラなどの水商売用語の意味を解説

⑤ターゲット客層の違い

想定する客層も異なります。

キャバクラは非日常の華やかさを求める客層がメインですが、ラウンジのターゲットは違います。

派手さよりも居心地の良さを重視する客層なので、リピート率が高いのもラウンジの特徴です。

ラウンジ開業で最初に決めるべき3つのこと

ラウンジ開業で最初に明確にすべきポイントを解説します。

ここを曖昧にすると後々大きな問題が発生します。

①深夜営業の有無が全てを決める

最初に決めるべきは「深夜営業するかどうか」です。これで取得する許可が変わります。

カウンター越しの会話のみで、お酌やライター着火など接待と見なされる行為は完全NGです。

一方、0時までの営業なら風営法3号で「軽度な接待」が認められます。ただし深夜の稼ぎ時を逃すことになります。

どちらを選ぶかで店舗の方向性が決まるため、最優先で決断しましょう。

【2025年改正版】風営法で違反になる行為と罰則は?摘発されないために

②ターゲットに合わせたコンセプト設計

ラウンジは「なんとなく落ち着いた店」では差別化できません。

コンセプト設計の手順は以下の通り。

例えば「ビジネスマンの憩いの場」「ウイスキーにこだわる大人のバー」「深夜の隠れ家的空間」など、具体的なイメージが重要です。

キャバクラオープンを成功へ!「コンセプトシート」について解説

③立地選びで売上の8割が決まる

ラウンジの成否は立地で大きく左右されます。

チェックすべきポイントは以下の通りです。

また居抜き物件を見つけられれば、内装費を200万円以上節約できます。元バーや元ラウンジの物件は特に狙い目です。

ラウンジ開業に必要な許可と手続き

ラウンジ開業には複数の許可・届出が必要です。営業形態により取得する許可が異なるため注意してください。

①食品衛生責任者は1日講習で取得可能

全ての飲食店に必須の資格です。

各都道府県の食品衛生協会が実施する講習(約6時間)を受講すれば取得できます。

既に調理師や栄養士の資格を持っている方は講習不要です。

②防火管理者も1日で取得できる

収容人数30名以上の店舗では防火管理者の選任が義務です。

消防署または日本防火・防災協会で受講できます。

③飲食店営業許可は保健所で取得

必ず内装工事の前に保健所へ事前相談に行ってください。

提出書類は以下の通りです。

  • 営業許可申請書
  • 店舗の図面(平面図・設備配置図)
  • 食品衛生責任者の資格証明書
  • 水質検査成績書(貯水槽使用時)

申請から許可まで約2週間かかります。

④営業形態別の許可取得

ラウンジで最も重要なのがこの許可です。営業スタイルにより選択肢が分かれます。

パターンA:深夜営業なし(風俗営業3号)

深夜0時までの営業で、軽度の接待を行う場合。

カウンター越しの軽い接客は可能ですが、キャバクラのような密着した接待は不可です。

パターンB:深夜営業あり(深夜酒類提供飲食店営業)

深夜0時以降も営業し、接待行為を一切行わない場合。

カウンター越しの会話のみが許される営業形態です。

両方取得するハイブリッド型も可能

実は両方の許可を取り、時間帯で切り替える方法もあります。

ただし運用が複雑になるため、どちらか一方に絞る店舗が多数派です。

⑤開業届は忘れずに提出

事業開始から1ヶ月以内に税務署へ提出します。

提出方法は3つです。

  • 税務署窓口へ持参
  • 郵送
  • e-Taxでオンライン提出

同時に青色申告承認申請書も提出すれば、節税メリットが大きくなります。

チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる

水商売の開業時にはやらなければならない作業がたくさんあります。
その全てを紙に書き出すことは、開業の経験者でも難しいことです。 このような方向けにしています。
チェックリストに従って開業準備を行うことができます。

是非ご活用ください。
総ダウンロード数1万を突破!水商売のお役立ち資料一覧

ラウンジ開業に必要な開業資金

実際にラウンジを開業するにはいくら必要なのか、具体的な数字で解説します。

キャバクラよりも300万円〜500万円ほど安く開業できます。

最低でも600万円あれば小規模ラウンジの開業は可能ですが、余裕を持った運営のためには1,000万円以上を推奨します。

ラウンジ開業の設備資金内訳

開業までにかかる初期投資を項目別に解説します。

①物件取得費:200万円〜400万円

賃貸物件の初期費用です。

繁華街の一等地なら保証金が家賃の12ヶ月分を超えることもあります。

②内装・外装工事費:100万円〜400万円

ラウンジの雰囲気を決める重要な投資です。

元バーの居抜き物件なら、カウンターや照明がそのまま使え、大幅なコストダウンが可能です。

外装(看板など)は10万円〜30万円程度です。

③厨房設備・バックバー:60万円〜120万円

厨房やバックバーに必要な設備としては、以下が挙げられます。

  • 業務用冷蔵庫:15万円〜30万円
  • 製氷機:10万円〜20万円
  • グラス類:5万円〜10万円
  • シンク・調理器具:15万円〜30万円
  • バックバー(棚・装飾):15万円〜30万円

ラウンジはフードメニューが少ないため、キャバクラより厨房設備費は抑えられます。

④家具・備品:50万円〜100万円

カウンター席が中心になります。

  • カウンターチェア:1脚1万円〜3万円×10脚
  • テーブルセット:10万円〜30万円
  • 照明器具:10万円〜30万円
  • 音響設備:5万円〜15万円
  • 小物・装飾品:5万円〜10万円

⑤POSレジシステム:20万円〜40万円

ラウンジでもPOSレジの導入を強く推奨します。

「TRUST」というナイトビジネス専門のPOSシステムなら、ラウンジ特有の料金体系にも対応しています。

手書き伝票で運用すると、締め作業だけで毎日2〜3時間かかります。POSレジなら数分で完了し、人件費削減につながります。

業界シェアNo.1で継続率99.3%という実績が信頼の証です。

詳しくは水商売専用POSレジ「TRUST」をご確認ください。

⑥広告・集客費:30万円〜80万円

開業初期の認知獲得に必要な投資です。

ラウンジは落ち着いた客層がターゲットなので、SNSとGoogleマイビジネスの活用が効果的です。

⑦求人費:20万円〜60万円

開業時の人材確保費用です。

  • 求人サイト掲載:2万円〜5万円/週
  • スカウト紹介料:1名あたり3万円〜20万円
  • 派遣利用:時給+手数料20〜30%

バイト経験や接客スキルのある人材を優先的に採用しましょう。

⑧許可申請費:3万円〜30万円

行政手続きにかかる費用です。

自分で申請すれば数万円で済みますが、行政書士に依頼すれば手間が省けます。

ラウンジ開業後の運転資金

開業後、黒字化するまでの運転資金も確保しておく必要があります。

①人件費:売上の35〜45%

ラウンジの最大コストは人件費です。

キャバクラより給与水準は低めですが、売上も低いため人件費率は同程度になります。

②家賃:月15万円〜30万円

削減不可能な固定費です。

月商200万円を目指すなら、家賃は20万円〜30万円が適正ラインです。

水商売は居抜き物件がおすすめ?メリット・デメリットを紹介

③水道光熱費:月5万円〜10万円

深夜営業すると電気代が増えます。

LED照明や省エネエアコンを導入すれば、月1〜2万円の削減も可能です。

④仕入れ代:売上の15〜25%

お酒とおつまみの仕入れ費用です。
ラウンジはドリンクメインなので、原価率をコントロールしやすいです。

業務用卸やネット通販を活用すれば仕入れコストを大幅削減できます。

ラウンジ開業資金の調達方法4選

800万円〜1,200万円をどう集めるか。現実的な資金調達方法を紹介します。

①自己資金と貯蓄

最も確実な方法です。

借入がないため返済プレッシャーがなく、経営に集中できます。

目標金額まで貯金する覚悟があるなら、これが最良の選択です。

②家族・友人からの借入

信頼関係があれば、銀行より柔軟な条件で借りられます。

返済計画を明確にし、誠実に対応することが大切です。

③現職の経営者からの支援

現在勤めている店舗の経営者から出資を受ける方法もあります。

あなたに独立されるより、利益をシェアする形で支援してくれる可能性があります。

こうした提案をしてもらえるような信頼関係を、日頃から築いておくことが重要です。

④日本政策金融公庫の創業融資

開業資金の融資に積極的な公的機関です。

ただし水商売は審査が厳しく、事業計画書の綿密な作成が必要です。

成功するラウンジ経営5つの秘訣

最後に、ラウンジ経営で失敗しないための重要ポイントを解説します。

①税務調査で潰れないために

水商売は税務署のマークが厳しい業界です。

「現金だからバレない」は大間違いです。税務署は銀行口座や生活水準から逆算して調査します。

②深夜営業で差別化する

深夜営業こそラウンジ最大の武器です。

深夜営業を強みにするなら、バーテンダースキルの高いスタッフを配置しましょう。

③会話力のあるキャストを育成

ラウンジはキャストの会話力が全てです。

見た目の華やかさよりも、以下の能力が求められます。

定期的な研修とロールプレイングで、スタッフの接客レベルを向上させましょう。

④リピーター作りを仕組み化

ラウンジは常連客で成り立つビジネスです。

リピーター作りに効果的な施策は、以下の通り。

顧客管理を徹底し、一人ひとりに合わせた接客をすることがリピート率向上の鍵です。

「顧客管理」でキャバクラの売上アップ!?メリットを紹介

⑤POSレジで業務効率を劇的改善

ラウンジ経営でPOSレジは必須ツールです。

手書き伝票での運用は以下のリスクがあります。

水商売専門POSレジ「TRUST」を導入すれば、これらの問題が全て解決します。

業界シェアNo.1で継続率99.3%という圧倒的な実績があります。

ラウンジ開業時から導入すれば、最初から効率的な経営体制を構築できます。

詳しくは水商売専用POSレジ「TRUST」をご覧ください。

ラウンジ開業・経営のよくある質問

ラウンジ開業や経営に関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. ラウンジとキャバクラ、どちらが儲かりますか?

A. 一概には言えませんが、客単価はキャバクラが高く、ラウンジは回転率で勝負します。

ラウンジは深夜営業で稼働時間を延ばせるため、トータル売上ではキャバクラに匹敵することも可能です。
ただし立地や経営手腕により大きく変わるため、「どちらが儲かる」とは断言できません。

Q2. 未経験でもラウンジ開業はできますか?

A. 可能ですが、最低でも半年〜1年は現場で働いて経験を積むことを強く推奨します。

これらは現場経験でしか学べません。まずは従業員として働き、業界を理解してから開業しましょう。

Q3. 深夜営業するには住居地域でも大丈夫ですか?

A. いいえ、住居専用地域では深夜酒類提供飲食店の営業はできません。
深夜営業が可能なのは以下の用途地域のみです:

物件を決める前に、必ず市役所・区役所で用途地域を確認してください。

Q4. ラウンジでカラオケは設置できますか?

A. カラオケ設置は可能ですが、客と一緒に歌うと「接待行為」と見なされます。

風営法3号で営業するなら、カラオケでの軽い接客は可能です。

水商売でカラオケリースを導入するメリットは?費用と注意点を紹介

Q5. ラウンジのキャストは何人必要ですか?

A. 店舗規模にもよりますが、最低でも常時3〜5名は必要です。

シフト制を考えると、登録キャストは10名以上確保しておくのが理想です。

Q6. ラウンジでもボトルキープは一般的ですか?

A. はい、ボトルキープはラウンジでも主要な売上の柱です。
むしろラウンジは常連客が多いため、ボトルキープ率が高い傾向にあります。

キープボトルの管理をしっかり行い、客に「自分の店」という意識を持ってもらうことが常連化の鍵です。

Q7. ラウンジ経営で一番大変なことは何ですか?

A. キャストの確保と定着が最大の課題です。

キャストが働きやすい環境を整え、教育体制を充実させることが長期的成功の鍵です。

Q8. 開業後、黒字化までどれくらいかかりますか?

A. 平均で6ヶ月〜1年程度が目安です。

常連客の獲得に時間がかかるため、最低でも6ヶ月分の運転資金は必須です。

Q9. POSレジは絶対に必要ですか?

A. 必須ではありませんが、導入しないと経営効率が大幅に下がります。

手書き伝票の場合は、以下のデメリットが挙げられるでしょう。

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まとめ:ラウンジ経営で成功する道筋

ラウンジ開業と経営のポイントをまとめます。

ラウンジはキャバクラより開業ハードルが低く、深夜営業という強力な武器があります。

本記事で解説した内容を実践し、計画的に準備を進めれば、成功確率は大きく高まります。

あなたのラウンジ開業が成功することを願っています!




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