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ガールズバーの代表的な集客方法として「キャッチ・客引き」がありますが、やり方を間違えると店舗の摘発につながり、最悪の場合は営業停止になってしまいます。
故に、客引き・キャッチに関して以下のような疑問を抱える方も多いのではないでしょうか?
- ガールズバーで客引きする際は何に注意したらいい?
- ガールズバーのキャッチはどこまでが合法でどこからが違法?
- 摘発されずに安全にキャッチを行う方法は?
このような疑問にお答えするべく、本記事ではガールズバーのキャッチについて、以下の内容を紹介していきます。
- ガールズバーで強引な客引き・キャッチは禁止されている
- ガールズバーで客引き・キャッチを行う際のポイント
- キャッチに関するよくある質問
読後はガールズバーでキャッチする際に気を付けることがわかるはずですので、ガールズバー経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
ガールズバーで強引な客引き・キャッチは禁止されている
結論から言いますと、ガールズバーで強引な客引き・キャッチをするのは違法です。適切な知識なしにキャッチを行うと、迷惑防止条例違反として摘発されるリスクがあります。
ガールズバーでどのような客引きを行うと違法になるのか、以下3パターンを解説していきます。
- 不適切なビラなどを使った客引き行為
- わいせつな方法で客を勧誘する行為
- 執拗な客引き行為
これらは全て「迷惑防止条例」の内容に起因し、内容は県によって異なりますので、詳しい内容はご自身でも是非チェックしてみてください。
なお、キャバクラやホストなどの「風俗営業許可」を取得している店舗では、客引きやビラ配り自体が禁止行為とされています。
① 不適切なビラなどを使った客引き行為
ガールズバーの客引きで禁止されている行為1点目は、「不適切なビラなどを使用した客引き行為」です。
深夜酒類提供飲食店であるガールズバーは、道路使用許可を取得すればビラ配りやティッシュ配りを行うことが可能です。
- 卑猥な画像や文言が記載されたビラの配布
- 過度に露出度の高い画像を使用した宣伝物
- 性的サービスを連想させる文言の使用
その際に卑猥な内容や画像が記載された物を配ってしまうと、迷惑防止条例によって取り締まりの対象となります。
ビラやティッシュ配りを行う際は、デザイン面や文言について注意してください。
② わいせつな方法で客を勧誘する行為
ガールズバーの客引きで禁止されている行為2点目は、「わいせつな方法で客を勧誘する行為」です。迷惑防止条例では、以下の行為が明確に禁止とされています。
- わいせつなサービスを提供しているお店への誘引
- 過度に露出度の高い衣装での客引き行為
- 性的な内容を含む声かけや勧誘
仮にガールズバーで際どい衣装のコスプレイベントなどを行なっていた場合、それへの勧誘自体が違法になるケースも想定されます。
また、客引きを行うスタッフ自体が際どい衣装を着ていたりすれば、それ自体が「わいせつな方法での勧誘」に当たる可能性もあるでしょう。
③ 執拗な客引き行為
ガールズバーの客引きで禁止されている行為3点目は、「執拗な客引き行為」です。
通行人の迷惑となる行為は厳しく規制されており、以下のような行為が迷惑防止条例によって禁止されています。
- 人の身体、衣服を掴むこと
- 所持品を取り上げること
- 進路に立ちふさがったり、つきまとう行為
- 不特定多数の通行人に声を賭け、積極的にお店に誘う
- 公共の場所で、つきまといや立ちふさがりなどを行う
このように「お店に誘う」「通行人に迷惑をかける」という2点を避けて客引きするのであれば、基本的に問題はありません。
執拗な客引き行為は行わないよう、スタッフへの教育はしっかりしておきましょう。
ガールズバーで客引き・キャッチを行う際のポイント
ここまでガールズバーの客引きで違法となる行為を3つ紹介しました。ここからは、「逆にどのような客引きなら合法なのか?」という疑問にお答えしていきます。
結論として、ガールズバーで客引き・キャッチを行う際は、以下の5つのポイントを意識してみてください。
- 道路使用許可を取得する
- ビラや看板はシンプルなデザインにする
- 声かけは慎重に行う
- 客引き禁止区域や禁止時間をチェックする
- 各地域の条例もチェックする
これらのポイントを意識できていないと何かしらの禁止行為に引っかかる可能性があります。
それぞれ紹介していくので、是非参考にしてみてくださいね。
① 道路使用許可を取得する
客引きやビラ配りを行う場合、道路使用許可を取得することから始めましょう。
道路は通行を目的とした物であるため、事前に許可を得ずに客引き行為などを行なった場合は道路交通法違反となります。
- 警察署のサイトから道路使用許可申請書をダウンロードし、内容を記載
- 使用したい場所を管轄している警察署に申請書を提出
- 使用するにあたっての条件などの説明を受ける
3か月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科される恐れがありますので、客引きやビラ配りを行う1週間ほど前には、必ず道路使用許可を取得しておいてください。
② ビラや看板はシンプルなデザインにする
許可を取得すると同時に、ビラや看板の準備も進めておきましょう。
ビラ配りや看板を持っての声かけなどをする際、わいせつなデザインだと迷惑防止条例に引っかかる可能性があります。
- 過度な露出や性的表現を避けたデザイン
- 清潔感のある配色とレイアウト
- 店舗の健全性をアピールする文言の使用
ビラ業者や看板業者に相談した上で、条例に触れないようシンプルなデザインを心がけるようにしてください。
③ 声かけは慎重に行う
声かけを行う際は、とにかく慎重に。
前述したように、キャッチを行う際は「お店に誘う」「通行人に迷惑をかける」という2点に該当しないよう気を付ける必要があります。
- お店の名前を無闇に出さない(「お店に誘う」行為)
- 積極的に声をかけすぎない(「迷惑をかける」行為)
- 断られた場合は即座に引き下がる
- 適度な声量での呼びかけにとどめる
看板やビラをアピールしつつ、適度な声量で「お店やってまーす」と声をかけるくらいが好ましいでしょう。
④ 客引き禁止区域や禁止時間をチェックする
地域によっては「客引き禁止区域」や「客引き禁止時間」などが設けられているケースもあります。所轄の警察に相談したり、県のサイトをチェックしたりして、必ず事前に確認しておきましょう。
- 繁華街や商業施設周辺の特別規制区域
- 夜間の住宅街での客引き禁止時間
- イベント期間中の特別規制
なお、この際危険なのが「他のお店も客引きしているからここは違法じゃないだろう」と決めつける行為。
必ず情報を調べてから、禁止区域・禁止時間を避けてキャッチを行うようにしましょう。
⑤ 各地域の条例もチェックする
最後に、該当地域の条例に関してもチェックしましょう。先ほども述べた通り、迷惑防止条例の定義・解釈は県ごとに異なります。
- 県や市の迷惑防止条例の詳細内容
- 罰則規定と摘発事例
- 近年の条例改正動向
地域によっては、客引きやビラ配り自体禁止されている可能性も考えられます。
こちらも所轄の警察署に相談するなりして、必ず条例の内容を確認しましょう。
大阪で「客引き」の規制強化が行われた
地域ごとに条例の内容は異なると述べましたが、2022年4月21日に、大阪府警は迷惑防止条例の改正、つまり「客引き」の規制強化を発表しました。
内容としては、今後大阪ではガールズバーやメイドバーなどの客引きが全面禁止されるとのこと。ガールズバーやメイドバーの客引きに対しての苦情が相次いでいたものの、これまでは違反対象でないため警察も対応できなかったようです。
しかし今回の条例改正によって、ガールズバーの客引きも規制対象になりました。今後他の地域でも「客引きが迷惑」という声が増えれば、大阪と同じように客引きが禁止される可能性があるということです。
今後客引きができなくなる可能性を考え、ガールズバー経営者様は是非他の集客方法も取り入れてみてくださいね。
ガールズバーのキャッチ・客引きに関するよくある質問
最後に、ガールズバー経営者から寄せられる、キャッチ・客引きに関するよくある質問にお答えします。
Q1. キャッチで摘発された場合、どのような処罰を受けますか?
迷惑防止条例違反の場合、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
道路交通法違反では3か月以下の懲役または5万円以下の罰金となり、店舗の営業にも大きな影響を与える可能性があります。初犯でも厳しく処罰されるケースが増えているため、適切な手続きを踏むことが重要です。
Q2. 道路使用許可は毎回取得する必要がありますか?
基本的には毎回取得が必要ですが、継続的な許可が認められる場合もあります。
許可期間は通常1か月程度で、継続して客引きを行う場合は更新手続きが必要です。所轄の警察署に相談して、最適な許可期間を確認することをお勧めします。
Q3. ビラ配りとキャッチの両方を同時に行っても問題ありませんか?
道路使用許可を取得し、条例に違反しない範囲であれば可能です。
ただし、ビラ配りと声かけを組み合わせる場合、より慎重な対応が必要になります。過度な勧誘や執拗な声かけにならないよう、スタッフへの教育を徹底してください。
Q4. 他店がキャッチをしている場所で自店も行うのは問題ありませんか?
他店の行為に関係なく、自店が適切な許可と手続きを行っていれば問題ありません。
しかし、競合店との間でトラブルが発生する可能性もあるため、事前に警察署で確認を取り、平和的に共存できる方法を模索することが重要です。
Q5. 客引き以外で効果的な集客方法はありますか?
SNS集客、WEB広告、口コミ活用など、デジタルマーケティングが非常に効果的です。
特にInstagramやTwitterでの情報発信、Googleマイビジネスの活用、既存客からの紹介システムなどは、コンプライアンスリスクがなく長期的な効果が期待できます。キャッチ一辺倒ではなく、多角的な集客戦略を構築することをお勧めします。
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まとめ
今回はガールズバーでキャッチを行う際のポイントについて解説してきました。
ガールズバーで客引きを行う場合、「わいせつな勧誘をする」「お店に誘う」「執拗に付きまとう」行為は禁止となります。よって、以下5つを意識しつつキャッチを行うようにしてください。
- 道路使用許可を取得する
- ビラや看板はシンプルなデザインにする
- 声かけは慎重に行う
- 客引き禁止区域や禁止時間をチェックする
- 各地域の条例もチェックする
また、大阪の条例改正のようなケースが他の地域で起きる可能性も考えられます。キャッチだけでなくWEB集客なども活用しつつ、柔軟にお客さんを集めていく戦略が今後ますます重要になるでしょう。
健全で持続可能な経営を実現するために、適切な知識と準備でキャッチ活動を行ってください。