【水商売事業者向け】風営法の面積や壁に関する要件を解説

ノウハウも資金も獲得して、いよいよキャバクラやスナックの開業を考えている経営者の皆様、以下のような悩みをお持ちではありませんか?

キャバクラを開業するためのお店の設備や構造には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による厳格な基準があります。

そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。

風営法で規定されている面積や壁の基準を理解して安心して警察の検査日を迎えましょう。

風営法が定めるお店の広さ(面積)基準

お店の広さといってもお店全体の広さに規定があるわけではありません。規定されているのはお店の中の客室の部分です。

ここでは、そもそも客室とは何かという話から、風営法で規定されているキャバクラの客室の面積について解説していきます。

客室の定義

風営法における客室の定義は「接待、ダンス、遊技等が行われる客の用に供する区画された場所」となっています。

つまり、以下の場所は客室には当たりません。

この定義を正確に理解することで、必要な面積の計算を正しく行うことができます。

業態別の床面積基準

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令に基づき、キャバクラとスナックでは、それぞれ異なる面積基準が設けられています。

営業形態に応じた適切な基準を確認しましょう。

①キャバクラの場合(風俗営業1号)

キャバクラの場合、つまり、風俗営業1号の届け出を取得するためには、客室一室の面積が16.5㎡(和風の場合、9.5㎡)以上である必要があります。

しかし、客室が一室である場合は客室の面積がその基準の対象外である、と定められています。

②スナックの場合(深夜酒類提供飲食店)

スナックの場合、つまり、食品衛生法に基づく深夜酒類提供飲食店の届け出を取得するためには、客室の床面積が9.5㎡以上であることが必要です。

しかし、こちらも風俗営業1号と同じように客室が1室のみの場合は制限がありません。

ほとんどのスナックの場合は個室ではなくお客さんとの対面型になる、つまり客室が1室であるのでお店の床面積には気をつける必要がありません。

キャバクラで壁は禁止!?風営法が定める構造的要件

続いてお店の構造的要件について解説していきます。

ここでは、客室内の設備と構造、客室の壁に分けて詳しく見ていきます。

客室内の設備と構造要件

客室の内部に関して、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律では以下の3つの規定があります。

1つ目の規定について、居抜き物件に多いのですが、入り口側のドアや壁がガラス製の場合、ガラスは透過性が非常に高いので、客室が容易に見えてしまいます。そうならないために、シートをその部分に貼るなどして対策をしてください。

2つ目の規定は、個室があるお店のみ注意すべきです。個室にカギをつけてしまうと、検査が通らなかったり、警察の立入りの際に指摘されるので施錠の設備は取り付けてはいけません。

3つ目の規定は、全てのキャバクラ・スナックが対象です。見通しを妨げる設備とは、1mを超えるようなついたてや仕切りのことです。そういったものが客室にあると検査で指摘されてしまいます。

客室の壁・内装要件

客室の壁または内装の規定は以下の通りです。

しかし、具体的にどのような内容が「風俗を害するおそれのある」ものなのでしょうか?
風営法等解釈運用基準の第12条によると、以下が該当します。

警察検査で指摘されやすいポイントと対策

実際の警察検査では、どのような点が指摘されやすいのでしょうか。事前に対策を講じることで、スムーズな許可取得を実現しましょう。

①透明ガラスや窓の処理

入口や窓にガラスが使用されている場合、外部からの見通しを遮る対策が必要です。

カーテンなどの移動が容易で動かすと外部から見通せるようになってしまうものは、警察の検査の際に指摘される場合があります。

②個室の施錠設備

VIP室や個室を設ける場合の注意点です。

③見通しを妨げる設備の撤去

客室内の設備配置で最も注意すべき点です。

キャバクラとスナックの基準比較表

混同しがちなキャバクラとスナックの基準を比較表でわかりやすく整理しました。

風営法基準違反を避けるための実践的チェックリスト

開業前に必ず確認しておきたいチェックポイントをまとめました。

面積・構造チェックリスト

壁・内装チェックリスト

風営法基準に関するよくある質問

最後に、風営法の壁・面積基準に関するよくある質問をご紹介します。

①客室面積の計算方法がわかりません

客室面積は、お客様が接待や遊技のために使用する区画の床面積を測定します。

壁の厚さは含まず、内側の床面積のみを計算してください。複数の客室がある場合は、各室が基準を満たす必要があります。

②和風・洋風の判断基準は何ですか?

畳敷きかフローリングかで判断されます。

畳を使用している客室は和風として9.5㎡以上、フローリングや絨毯の客室は洋風として16.5㎡以上の面積が必要になります。

③見通しを妨げる設備の「1m」はどこを測るのですか?

床面からの高さで測定します。幅や奥行きは関係なく、床から1mを超える高さの仕切りやついたてが禁止されています。

装飾目的であっても同様の規制が適用されます。

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④ガラス張りの壁はどう対処すればよいですか?

不透明なシートやフィルムを貼って、外部からの見通しを完全に遮断してください。

半透明やスリガラスでも不十分とされる場合があるため、完全に不透明にすることをおすすめします。

⑤騒音・振動の基準値はどこで確認できますか?

環境省の騒音に係る環境基準に基づき、各都道府県の条例で定められているため、営業予定地の自治体に確認してください。

一般的には昼間で50-60dB、夜間で40-50dB程度ですが、地域により異なります。

⑥検査で指摘された場合の対処期間は?

通常、指摘事項の改善には1-2週間程度の期間が与えられます。

改善後に再検査を受ける必要があるため、開業スケジュールに余裕を持たせることが重要です。

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まとめ:風営法が定める壁や面積の基準を満たして開業しよう

今回は、風営法で規定されている壁や面積の基準について詳しく解説しました。

お店を出すため、繁盛するためにはどれも欠かせない要素です。

この記事が、あなたのキャバクラ・スナック開業成功の一助となれば幸いです。




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