インボイス制度がキャバクラ経営に与える影響とは?対応策を3パターン紹介

インボイス制度」の導入にあたり、以下のような疑問を抱えているキャバクラ経営者様は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、そんな「インボイス制度」がキャバクラに与える影響について、以下の内容を解説していきます。

  • キャバクラ経営者が知っておくべきインボイス制度とは
  • インボイス制度導入によるキャバクラへの影響は?
  • インボイス制度導入にあたってのキャバクラ店の対応

読後はインボイス制度の概要や、どういった準備をすればいいかががわかるはずですので、キャバクラ経営者の方はぜひ参考にしてみてください。

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他店舗と差をつける対策を解説します。

インボイスに対応したPOSレジや会計ソフトを導入する

インボイス対応で何をしたらいいのかわからない方はPOSレジや会計ソフトの導入をおすすめしています。

適格請求書として認められるためには、以下を記載した請求書である必要があります。

とはいえ、毎回これらの項目を手書きで記載するのは面倒ですし、現在使用しているPOSレジや会計ソフトがこちらの項目に対応していない可能性もありますよね。

よって、します。

よりスムーズに適格請求書が発行できるようになれば、取引にあたってのトラブルを防げたり、効率いいオペレーションができたりと、多くのメリットが期待できますよ。

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インボイスの前に知っておきたいキャバクラでの消費税の仕組みとは

インボイス制度の話をするときにいきなりインボイス制度の話をすると理解が難しくなります。まずは消費税の仕組みを理解しましょう。

お客様がキャバクラにくると消費税をお店に対して払います。
お客様が払う消費税は「税」であるため、本来は税務署に払うべきなのに、お店に払っています。

店舗はお客様から受け取った消費税をお客様の代わりに税務署に納税します。

その際に納税する金額はお客様から受け取った金額から仕入れなどで支払って消費税の差額になります。

例えばお客様が100万円(税別)使ったとします。消費税は10%なので10万円になります。
キャストへの報酬が50万円(税別)、お酒の仕入れ値が10万円(税別)だったとします。その際に6万円の消費税をすでにキャストと酒屋さんに払っています。

つまりお店が納税するべき消費税は4万円になります。

これが消費税の仕組みです。

しかし、消費税を納めなくてもいい事業者が存在します。それが簡単に説明すると「売上が1,000万円以下」の法人や個人になります。お客様から消費税を預かっても、それを納税する必要がありません。

この制度が諸悪の根源です。この制度を解消するために今回のインボイス制度が生まれました。

キャバクラ経営者が知っておくべきインボイス制度とは

「インボイス制度」とは2023年の10月から適用される制度のことで、正式名称は「適格請求書等保存方式」。

こちらの制度による「適格請求書(インボイス)」とは、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるもので、具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータのことを指します。

この「適格請求書(インボイス)」が生まれた背景として、消費税納税に関する、不正や取引の不透明さがあります。

例えばこれまでは年商が1,000万円以下の事業主は非課税とされており、顧客から受け取った消費税は「益税」として利益になっていました。

また、このほか2019年10月1日より10%と8%の複数税率ができたこともあり、でした。

そこで、消費税がきちんと正しく納税されるよう導入されるのが、今回紹介する「インボイス制度」です。

飲食店や企業は、国に申請して「適格請求書発行事業者」になることで、「適格請求書(インボイス)」を発行することができるようになります。

そして、注意すべきは、「適格請求書」でないと仕入れ税額控除を受けられなくなる点が挙げられます。

要するにインボイスに対応していない場合に損するのは顧客で、具体的に発生する違いは、以下の通りです。

つまり、適格請求書でないときちんと消費税を支払ったと認められなくなるため、例えば法人が経費で代金を支払う場合、適格請求書でないと消費税分だけが経費として認められなくなってしまいます。

そうなると、仕入れ税額控除を活用する法人などの顧客にとっては、インボイスに対応しているお店とそうでないお店とでは、前者を選ぶ方が消費税分を控除できる分、使用するメリットが大きいということに。

法人とのやり取りが多い場合は、インボイス制度の導入は特に必要だといえるでしょう。

インボイス制度によるキャストへの影響とは

インボイス制度が始まると今まで消費税の勘定項目だった全ての領収書や請求書に事業者登録番号が必要になります。
キャバクラで一番影響が大きいのはキャストになります。

インボイス制度が始めることでキャストやお店にどのような影響が出てくるのかを解説していきます。

キャストに事業者登録してもらわないとどうなるのか

キャストが適格請求書発行事業者にならない場合は外注費が消費税の控除対象にならなくなります。
そのため店舗が納める消費税が増えることになります。

実際に計算式を見てみましょう。
例えば月に売上1,000万円で女子給が500万円だったとします。

インボイス前の消費税の計算は以下になります。
女子給は外注費用として控除されるので残った500万円の10%が支払う消費税になります。
1000万円 – 500万円 = 500万円
500万円 × 10% = 50万円

インボイス後は女子給が消費税の控除対象になりません。
そのため1000万円全てに消費税がかかります。
1000万円 × 10% = 100万円

よって、売上1000万円の店舗では1ヶ月で50万円、1年間で600万円の税金が増えることになります。
かなり大きな金額ですね。

キャストを全員が適格請求書発行事業者になるとどうなるのか

今まで通りキャストを外注扱いする場合はキャスト全員に事業者登録してもらう必要が出てきます。

もちろん今でもキャストは確定申告をしなければなりませんが、現状では確定申告をしていないキャストが一定数います。
しかし、事業者登録をすることで税務申告が余儀なくされます。体入や小遣い稼ぎで働くキャストが減る可能性があります。

また、個人事業主の場合は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で名前などの情報が公開されます。
登録番号を知らないと本名がバレる心配はありませんが、嫌がるキャストは出てくるかもしれません。

どのように対策をするべきか

基本的にはお店が消費税を負担することになります。
今まで曖昧だった部分が正しくなっただけですが、大きな影響になる店舗もあるでしょう。

一部のキャストに関しては適格請求書発行事業者になってもらうメリットが大きいため、店舗がサポートして手続きをしてもいいかもしれません。
手続きの代行費用は10万円ほどで行うことが可能です。
年間100万円以上のキャストには手続き代行費用をお店が負担しても最終的にはお店のメリットが大きくなります。

日雇い、もしくは単発で仕事をした際に日給が9,300円(交通費除く)未満のときは、源泉徴収が不要になるケースがあります。
これを利用して金額をうまく調整する方法はあるかもしれません。

事前にしっかりと税理士に相談して対応を考えてみましょう。

インボイス制度導入によるキャバクラへの影響は?

インボイス制度の概要について解説してきましたが、キャバクラには実際どのような影響が及ぶのでしょうか?

免税事業者と課税事業者に分け、キャバクラにどういった影響が起きるのか、それぞれ解説していきます。

免税事業者の場合

年商1,000万円以下の場合は、基本的に免税事業者として営業している店舗が多いでしょう。

ただ、免税事業者の場合、インボイスに登録することができないため、以下のようなマイナスの影響が想定されます。

が考えられます。

考えられる対応策としては、消費税分は値下げをするか、敢えて課税事業者として申請した上でインボイスに登録するか、といったことが挙げられるでしょう。

なお、インボイスに登録しない場合は「仕入れ税額控除ができない分、接待で利用する顧客が減る」ことになりますし、インボイスに登録した場合は「これまで利益となっていた分の消費税を納税する必要がある」ため、インボイスによる免税事業者へのダメージは特に大きいと言えます。

いずれにせよ、免税事業者の方は基本的に、「インボイスに登録してこれまで通り法人客を獲得する」か、「インボイスには登録せずこれまで通り消費税分は利益とするか」の二択を迫られることになるでしょう。

課税事業者の場合

課税売上が1,000万円を超える事業者に関しては、元々課税義務がありますので、インボイスには基本的に登録した方がいいでしょう。

登録しないという選択肢もありますが、だと言えます。

もともと課税義務がありますので、登録するデメリットとしては「登録申請の手間が発生する」くらいです。

登録申請の手順については後ほど解説しますので、そちらを参考にしてみてください。

インボイス制度導入にあたってのキャバクラ店の対応

インボイス制度にあたってのキャバクラ店への影響を解説しました。

影響を踏まえた上で、免税事業者のそれぞれの対応方法を紹介します。

課税事業者は基本的にインボイス制度への登録申請を推奨しますが、免税事業者の対応としては、主に上記3パターンが挙げられます。

でしょう。

例えば、法人客や接待での利用が多いキャバクラなら、顧客離れを防ぐために課税事業者とインボイス制度への登録をした方がいいかもしれません。

しかし一方で、個人客の利用が主なキャバクラならば、これまで通りの料金でこれまで通り営業を行なっても問題はないでしょう。

ぜひキャバクラの現在の客層、今後の方針を鑑みて、対応策を決定してみてください。

キャバクラがインボイス制度に対応するために必要な準備

それでは、最後にキャバクラがインボイス制度への登録申請や、対応を済ませるために必要な準備を解説していきます。

順番に見ていきましょう。

インボイス制度へ登録申請するかを決める

まずは、これまでの内容を踏まえた上で、「インボイス制度へ登録申請するか、しないのか」を決定しましょう。

課税事業者の方は基本的に登録申請した方がいいですが、免税事業者は、ぜひ以下の基準で登録申請するか選んでみてください。

また、「消費税控除できないことで客離れし、減少する売上」と「インボイスによって今後発生する課税額」のどちらの額やリスクが大きいかを比較してみるのもいいでしょう。

もしインボイスに登録しないのであれば、この後のステップは飛ばしていただいてもOKです。

課税事業者として申請する

今現在免税事業者として営業している場合は、インボイスへの申請前に課税事業者としての申請を済ませておく必要があります。

年間売上が1,000万円を超える場合には自動的に課税事業者になりますが、そうでない場合は「消費税課税事業者選択届出」の手続きを行いましょう。

適格請求書発行事業者へ登録申請をする

課税事業者として登録を済ませたら、適格請求書発行事業者としての登録申請を行いましょう。

インボイス制度が施行される2023年10月1日から登録を受けるには、2023年3月31日までに申請を行う必要があります。

その上で、以下の手順で登録申請を進めていきましょう。

まずは申請書の作成から。

紙だけでなく電子での申請も可能ですので、書類の概要や提出方法については、以下をチェックしてみてください。

国税庁:「適格請求書発行事業者の登録申請手続
国税庁:「登録申請手続におけるe-Tax対応の概要

まとめ

今回は2023年10月より施行される「インボイス制度」について解説してきました。

インボイス制度はキャバクラ経営にも大きな影響を及ぼしますので、今のうちに対策や準備が必要です。

特に免税事業者の方は「インボイスに登録するか、しないか」といった決断が求められますので、ぜひお店の現状や今後の方針を踏まえ、適切な選択をしてみてください。

また、もしインボイス制度に登録するのであれば、施行後にはきちんと要件を満たした適格請求書を発行する必要があります。

その際にインボイスに対応したPOSレジを導入していると非常に便利ですので、ぜひ今のうちに導入を検討してみてくださいね。

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