目次
この記事をご覧の方は、以下の疑問をお持ちではありませんか?
- キャバクラではどんなシャンパンを仕入れればいい?
- 少しでも安く仕入れる方法はある?
キャバクラにおいて、シャンパンは売上に直結する非常に重要な要素。
しかし、原価率だけを見て仕入れていると、売れば売るほど店が苦しくなるという罠があります。
今回はそんなシャンパンに関して、以下の内容を紹介します。
- 客層別に「刺さる」シャンパンの選び方
- 原価率と利益率のバランス設計
- キャストが本当に使える卸しテクニック
それでは、早速人気のシャンパンからご紹介していきます。
キャバクラで人気のシャンパン9選!客層別の売り方も
まずは、キャバクラで定番となっているシャンパン7選を、「どの客に、どう売るか」という視点で解説します。
| シャンパン名 | 特徴 | 売り価格(目安) | 売れる客層 |
|---|---|---|---|
| モエ・エ・シャンドン | キャバクラ定番。リーズナブルな価格で、白・ロゼ・ネクターの3種類が人気 | 約5万〜 | 初来店客、会社の飲み会利用 |
| ドン・ペリニョン | 「ドンペリ」で知名度No.1。白・ピンク・黒・金の4種類 | 3万〜50万 | 見栄を張りたい中堅サラリーマン |
| カフェ・ド・パリ | スパークリングワイン。甘く飲みやすい | 約5,000円 | お酒苦手な若手、学生グループ |
| クリュッグ | 「シャンパンの帝王」通好みの高級シャンパン | 5万〜13万 | 酒に詳しい経営者、医者 |
| アルマンド | キャバ嬢人気No.1。カラーバリエーション豊富 | 15万〜25万 | 承認欲求強い若手IT社長、SNS映え重視層 |
| ポンパドール | コスパ良好なスパークリング | 約1万〜 | コスト意識高い常連、締めの一本 |
| エンジェルシャンパン | 2017年登場。派手なボトルデザイン | 約17万〜 | YouTuber、インフルエンサー |
① モエ・エ・シャンドン
キャバクラで定番のシャンパンといえば「モエ・エ・シャンドン」、通称「モエシャン」です。
比較的リーズナブルな価格で提供しやすく、白・ロゼ・ネクターの3種類が特に人気。
初来店客や会社の接待利用には「まずはモエから」と提案させましょう。「シャンパン=高い」というハードルを下げる入り口として最適です。また、「次はドンペリ行きましょうね」という布石にもなります。
価格帯: 約5万円
② ドン・ペリニョン
「ドンペリ」として有名な、キャバクラでの象徴的なシャンパン。
特にロゼやエノテークは高級感があり、VIP層向けにもおすすめです。
見栄を張りたい中堅サラリーマンには白ドンペリで十分。
「周りに見せびらかしたい」欲求を満たすためだけに存在するボトルです。逆に、本当の金持ちには「ドンペリなんて初心者向けですよ」とクリュッグに誘導する方が利益率が高くなります。
価格帯:
- ドン・ペリニョン(白):3万〜8万
- ドン・ペリニョン ロゼ(ピンク):6万〜12万
- ドン・ペリニョン エノテーク(黒):8万〜15万
- ドン・ペリニョン レゼルヴ・ドゥ・ラベイ(金):30万〜50万
③ カフェ・ド・パリ
シャンパンではなくスパークリングワインですが、キャバクラでは定番の一本。
ジュースのように甘く飲みやすいため、お酒が苦手な方にも人気です。
お酒が苦手な若手や学生グループには「これなら飲めますよ」と安心感を与える最初の一本に。原価が安いので、キャストに大胆にバックを付けても店の負担は少ないのもポイントです。
価格帯: 5,000円前後
④ クリュッグ
「シャンパンの帝王」と称される、通好みの高級シャンパン。
モエやドンペリよりも格上の印象を与えるため、シャンパンにこだわるお客様向け。
お酒に詳しい経営者や医者には「ドンペリは有名すぎてつまらない」と前置きして、「本当に分かってる人はクリュッグを選ぶ」という優越感を刺激しましょう。知識欲と承認欲求の両方を満たせます。
価格帯:
- クリュッグ グラン・キュヴェ:5万〜8万
- クリュッグ ロゼ:8万〜13万
⑤ アルマンド
キャバ嬢から絶大な支持を受ける高級シャンパン。
ゴールド・ピンク・レッドなど、ボトルの色ごとにグレードが異なります。
承認欲求の強い若手IT社長やSNSで目立ちたい客には「一番目立つゴールド」を競わせるのがコツ。「隣の卓もアルマンド入れてますよ」と煽ると、対抗心から上位グレードを注文しやすくなります。
価格帯:
- アルマンド・ブリュット(ゴールド):15万〜
- アルマンド・ロゼ(ピンク):20万〜
- アルマンド・ドゥミセック(レッド):25万〜
⑥ポンパドール
カフェ・ド・パリと並ぶ、定番の低価格スパークリングワイン。
安価ながらも華やかで、コスパ重視のお店にはぴったりです。
コスト意識の高い常連客や、締めの一本として「もう一杯だけ」を狙うときに最適。「安いから気軽に」という心理的ハードルの低さを活かしましょう。
価格帯: 1万円前後
⑦エンジェルシャンパン
2017年に登場した比較的新しいブランドながら、キャバクラでの人気が上昇中。
ボトルデザインが特徴的で、派手な演出を求める場面に最適。
YouTuberやインフルエンサーなど、「画になる」ことを重視する客層には鉄板。「インスタ映えしますよ」の一言で決まることも多いです。
価格帯: 17万〜
珍しいシャンパンで他店と差をつけよう
他店にないシャンパンを用意することで、差別化を図り、売上アップが狙えます。
⑧テタンジェ ノクターン スリーヴァー
このワインは、ノーベル章授賞式の晩餐会で3年連続提供されたことで一挙に有名になりました。
「ノクターン」は日本語にすると「夜想曲」という意味になります。
ボトルデザインは、夜空に星が瞬いているような素敵なデザインで、かっこいいです。
口当たりは繊細で柔らか、そして、味わいは辛口と甘口の間くらい。落ち着いた優しい味わいの中に、ほのかにフレッシュでみずみずしいブドウの甘みが感じられます。
知的な雰囲気を出したい客には「ノーベル賞の晩餐会で使われた」という権威性を前面に。話のネタになるストーリー性が武器です。
⑨ボランジェ ロゼ
この「ボランジェ」は、007シリーズで代々のジェームズボンドが愛飲しているシャンパンとして有名です。007を見ているといろいろなシーンでこのシャンパンが登場します。
このシャンパンはロゼですが、ほかのシャンパンとはちょっと違った力強い味わいと香りが特徴です。
一口飲むと、イチゴやベリー系の芳香な香りと、ナッツや、熟したブドウを思わせる重厚な味わいが口いっぱいに広がります。
007世代の40〜50代には「ジェームズ・ボンドが飲んでるやつですよ」でノスタルジーを刺激。映画好きな客なら一発で食いつきます。
シャンパンを「安く」仕入れるだけでは不十分な理由
多くの経営者が「とにかく安く仕入れて、高く売る」ことに注力しますが、これだけでは利益は最大化できません。
なぜなら、原価率だけを見て仕入れていると、売れば売るほど店が苦しくなるという罠があるからです。
利益率の罠:原価2万円を10万円で売る vs 原価5千円を3万円で売る
例えば、以下の2つのケースを比較してみましょう。
| ケース | 仕入れ値 | 売価 | 粗利 | 原価率 | キャストバック(10%) | 店の実利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A:高級シャンパン | 2万円 | 10万円 | 8万円 | 20% | 1万円 | 7万円 |
| B:スパークリング | 5千円 | 3万円 | 2.5万円 | 16.7% | 3千円 | 2.2万円 |
一見、ケースAの方が儲かるように見えますが、キャストの心理的ハードルと売りやすさを考慮する必要があります。
- キャストがおねだりしやすい(「3万円くらいなら…」と客も出しやすい)
- 回転率が高い(1日に3本売れれば利益6.6万円)
- キャストバックも少額なので店の負担が軽い
つまり、「原価率20%以下のシャンパンを、いかに『気持ちよく』卸させるか」の設計こそが、経営者の腕の見せ所なのです。
最適なシャンパンポートフォリオの組み方
理想的な仕入れ構成は以下の通りです:
- 低価格帯(5千円〜1万円):40%:数を売る。キャスト教育用
- 中価格帯(5万円〜10万円):40%:利益の柱。ここで稼ぐ
- 高価格帯(15万円〜):20%:ブランディング用。VIP対応
この比率を守ることで、キャストが売りやすく、店も利益を確保できるバランスが実現します。
キャバクラでシャンパンを安く仕入れる方法
ここからは、キャバクラでシャンパンを安く仕入れる方法を紹介します。
主に「ネットを使った方法」「地元の酒屋さんで仕入れる方法」の2つに分けられます。
①ネット激安でまとめ買い
酒屋で購入するよりもオンラインショップで購入した方が、最大で1.5倍ほどの値段の差があります。
中でも、以下の酒類は特に差がつきやすいです。
- シャンパン
- ウイスキー
- ブランデー
基本の仕入れはインターネットを利用するようにしましょう。
おすすめのサイトはお酒通販大手の”なんでも酒屋カクヤス“です。
②地元の酒屋さんから仕入れる
先ほど紹介したように酒屋さんはオンラインショップに比べて高いです。
しかし、注文後すぐに配達してくれる地元の酒屋さんとの付き合いは大切です。
ここでは、オンラインと値段の差が少ない、以下を購入しましょう。
- ビール
- 焼酎
- ミネラルウォーター
- ソフトドリンク
- 割物
また、メーカーの人は売り上げをあげるために必ず大きな酒販店と組んでいます。
したがって、キャバクラのオーナーも、紹介される酒屋さんからは大きなサービスとフォローを受けることが可能です。
まずは、ビール、焼酎メーカーに電話をしてみましょう!
キャバクラでシャンパンを入れてもらう教育方法【現場で本当に使える戦術】
キャバクラでシャンパンを入れてもらうためには、お客様と接するキャストを教育することが重要。
ここからは、明日から使える現場の泥臭い駆け引きを紹介します。
- ボトルバックの「損得勘定」を見せる
- 隣の卓と競わせるバトルの仕掛け方
- ハーフボトルから入る誘導術
- 「私も出す」の使い方(金額を具体的に)
①ボトルバックの「損得勘定」を具体的に見せる
キャストにボトルを入れる努力をしてもらうためには、まずキャスト自身へのメリットを具体的な金額で伝えましょう。
例えば、以下のように教えます:
「5万円のモエシャンを1本入れたら、バックは5,000円。」
「1日2本入れれば、それだけで+1万円。」
「月に20本入れれば、+10万円だよ。」
さらに、売上スライドシステムを採用している場合には、本指名のお客さんの売り上げは時給に直結することを強調しましょう。
抽象的な「頑張ればバックがもらえる」ではなく、「月10万円増やせる」という具体的な数字を見せることで、キャストのモチベーションは段違いに上がります。
②隣の卓と競わせるバトルの仕掛け方
人間の競争心理を利用した、最も効果的な手法です。
具体的な誘導トーク例:
キャスト:「ねえねえ、さっき隣の卓でアルマンド入ったんだよ。○○さんも負けてられないよね?」
お客さん:「え、マジで?」
キャスト:「うん。でも○○さんならもっと上のやつ行けるでしょ? ピンクとか。」
「負けたくない」という男性心理を刺激することで、自分から「じゃあ俺も」と言わせるのがコツです。
特にIT系の若手社長や、プライドの高い客には効果抜群です。
③ハーフボトルから入る誘導術
いきなりフルボトルを提案すると、「高い」と警戒されるリスクがあります。
そこで、まずハーフボトルで心理的ハードルを下げるのが有効です。
具体的な誘導トーク例:
キャスト:「今日は特別な日だし、ちょっと良いお酒飲みたいな。でもフルボトルはもったいないから、ハーフにしよ?」
お客さん:「ハーフならいいよ。」
(飲み進めて雰囲気が良くなったら)
キャスト:「もっと飲みたくなっちゃった。フルボトル追加しちゃおっか?」
ポイント: 最初から「フルボトル5万円」と言うより、「ハーフ2.5万円→追加で2.5万円」の方が心理的に通りやすいのです。これは行動経済学の「フレーミング効果」を利用したテクニックです。
④「私も出す」の使い方(金額を具体的に)
記念日などの特別な日には、「私も出すから」というフレーズが有効です。
ただし、「ちょっと出す」ではなく、具体的な金額を言うことが重要です。
具体的な誘導トーク例:
キャスト:「今日は出会って3か月記念だし、シャンパンでお祝いしたいな。私も5,000円出すから、残りお願いできる?」
お客さん:「5,000円出してくれるの? じゃあいいよ。」
ポイント: 「ちょっと」ではなく「5,000円」と具体的な金額を言うことで、客は「じゃあ残りの45,000円なら…」と計算しやすくなります。さらに、「一緒に出す」という共同作業感が、断りにくい空気を作ります。
キャバクラのシャンパン仕入れに関するよくある質問
Q1. キャバクラで必ず仕入れるべき定番シャンパンは?
モエ・エ・シャンドンとドン・ペリニョンは必須です。
モエシャンは約5万円でリーズナブル、ドンペリは3万~50万円の幅広い価格帯で、どちらも知名度が高くお客様に安心感を与える定番商品です。
Q2. シャンパンを最も安く仕入れる方法は?
ネット通販でのまとめ買いが最も安く仕入れられます。
酒屋での購入より最大1.5倍の価格差があり、特にシャンパン・ウイスキー・ブランデーはオンラインショップが断然お得です。
Q3. 他店と差別化できる珍しいシャンパンはありますか?
テタンジェ ノクターンやボランジェ ロゼがおすすめです。
ノクターンはノーベル賞晩餐会で使用された高級感があり、ボランジェは007シリーズでジェームズ・ボンドが愛飲するシャンパンとして話題性があります。
Q4. キャストにシャンパンを売らせる最も効果的な方法は?
「隣の卓バトル」と「ハーフボトル誘導」を教えましょう。
「隣の卓でアルマンド入った」と競争心を煽る方法と、心理的ハードルを下げるハーフボトルから入る方法が、今の時代に最も効果的です。
Q5. 地元の酒屋との付き合いは必要ですか?
急な注文に対応してもらうため、関係維持は重要です。
価格差の少ないビールや焼酎、ソフトドリンクは地元酒屋で購入し、メーカーに連絡して紹介される酒屋なら大きなサービスとフォローを受けられます。
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まとめ:シャンパン戦略は「選び方」と「卸させ方」の両輪
ここまでキャバクラにおけるシャンパンの戦略的な仕入れと、現場で使える卸しテクニックを解説してきました。
重要なのは、「どのシャンパンを置くか」だけでなく、「どう卸させるか」という現場の戦術設計です。
多くの経営者は「とにかく安く仕入れて、高く売る」ことに注力しますが、キャストが売りやすい価格帯とバックのバランスを設計しなければ、売上は上がりません。
また、「隣の卓バトル」や「ハーフボトル誘導」など、今の時代に通じる戦術をキャストに教えることが、売上アップの鍵です。
キャバクラに置くシャンパンというと限られたイメージになりがちですが、実際はどんなお酒を置いてもいいのです。(売り上げにつながる必要はありますが)
思い切って自分の好きなお酒を置くことで、お客さんの興味をそそり固定客にできたりします。また、人気キャストの好きなシャンパンを置いて話題作りをするのもいいと思います。
固定概念にとらわれず、自分の店の色を出していくことで売り上げアップにつながります!














