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キャバクラやスナックの開業を検討していて、風営法の禁止区域が気になっていませんか?
結論から言うと、接待をするキャバクラは住居系の用途地域では出店できず、商業地域でも学校や病院が近いと許可が下りません。
スナックやガールズバーは学校・病院との距離制限を受けない一方、住居系の用途地域では深夜営業ができない決まりです。
本記事で解説する内容は以下のとおりです。
- 用途地域ごとの出店可否
- 学校・病院など保護対象施設との距離制限
- 禁止区域で営業した場合の罰則
契約後に営業許可が取れないと敷金も内装費も戻らないため、物件を押さえる前に必ず確認しておきましょう。
※2026年9月時点の法令・条例にもとづく内容です。
用途地域別の水商売店舗の出店可否一覧
出店できるのは商業地域・近隣商業地域・準工業地域・工業地域で、住居系の用途地域は原則として出店できません。
東京都を例にすると、以下のとおりです。
| 用途地域 | キャバクラ等(風俗営業) | スナック・ガールズバー等(深夜酒類提供) |
|---|---|---|
| 商業地域 | ○ 可(保護対象施設との距離要件あり) | ○ 可 |
| 近隣商業地域 | ○ 可(距離要件は商業地域より厳しい) | ○ 可 |
| 準工業地域・工業地域 | ○ 可(保護対象施設から100m以上) | ○ 可 |
| 住居系(第一種低層住居専用〜準住居・田園住居) | ✕ 不可 | ✕ 深夜営業は不可 |
| 工業専用地域 | ✕ 不可(飲食店自体が建てられない) | ✕ 不可 |
用途地域ごとの可否も距離も都道府県の条例で決まるため、東京都以外では基準が変わる点に注意してください。
ここから、それぞれの条件を順に見ていきましょう。
風営法で出店が禁止される理由
良好な風俗環境を保全するためで、風営法4条2項2号が都道府県の条例で営業制限地域を定めるよう求めているからです。
具体的な基準は風営法施行令6条にあり、住居が多数集合している地域と、学校や病院など保護対象施設の周囲おおむね100mの区域が対象とされています。
住宅街にキャバクラができれば住民が眠れず、学校の隣にできれば子どもの育成に影響するという発想です。
建物や設備をどれだけ整えても、場所そのものが基準に反していれば許可は下りません。
まずは、その場所の用途地域から確認していきます。
用途地域による水商売の出店制限

接待をするキャバクラ・クラブ・スナックは風俗営業にあたり、住居系の用途地域では一切出店できないのが原則です。
東京都の条例では、第一種低層住居専用地域から準住居地域、田園住居地域までが「住居集合地域」とされ、風俗営業の営業所を置けません。
①用途地域とは土地の使い方を区分したもの
用途地域とは、都市計画法にもとづいて住居・商業・工業など土地の使い方を区分したものです。
同じ駅前でも、道路を1本はさんだだけで住居系と商業系に分かれていることがあります。
都市計画の変更で区分が変わることもあるため、古い地図ではなく最新の都市計画図で確認してください。
②営業所が少しでも住居地域にかかったら出店できない
営業所の一部でも住居系の用途地域にかかっていれば、風俗営業の許可は下りません。
建物全体が営業可能な用途地域に入っているかどうかを、図面で確認する必要があります。
ありがちなのが、繁華街に見える立地を不動産会社に「飲食店可」と言われて契約し、後から住居系だと判明するケースです。
不動産会社の「飲食店可」は居酒屋やカフェを想定した表現で、接待を伴う風俗営業まで想定していないことがほとんどです。
高級ラウンジでも小規模なスナックでも、用途地域の判断は同じように行われます。
③用途地域は市区町村への電話か都市計画図で確認する
用途地域は、市区町村の都市計画課への電話か、自治体が公開している都市計画図で確認できます。
電話で住所と建物名を伝えれば、その場で種別を教えてもらえるのが早い方法です。
境界線ぎりぎりの物件は、窓口で都市計画図を見ながら建物の位置を確認しておくと確実です。
用途地域をクリアしても次の距離制限で落ちるケースが多いため、続けて確認していきます。
チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる
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- 開業までに何を行えばいいのか
- 業者選定の優先順位は?
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保護対象施設による立地制限

商業地域で用途地域をクリアしても、学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所が近くにあると風俗営業の許可は下りません。
この制限は接待を伴う風俗営業だけの規制で、接待をしないスナックやガールズバーには距離制限がありません。
①保護対象施設は学校・図書館・病院など5種類
東京都で保護対象施設とされているのは、以下の5種類になります。
- 学校(幼稚園・小中高・大学・専修学校など)
- 図書館
- 児童福祉施設(保育所・児童養護施設など)
- 病院
- 診療所(入院用の病床がない診療所も含む)
見落としやすいのが、雑居ビルに入っている小さなクリニックや、私立の保育施設です。
無床のクリニックや歯科医院も診療所として扱われるため、ビルのテナント表示まで見て確認してください。
②必要な距離は用途地域と施設の種類で変わる
必要な距離は用途地域と施設の種類の組み合わせで決まり、東京都では以下のとおりです。
| 用途地域 | 保護対象施設 | 必要な距離 |
|---|---|---|
| 商業地域 | 学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設(助産施設を除く) | 50m以上 |
| 商業地域 | 大学・病院・8人以上入院できる診療所 | 20m以上 |
| 商業地域 | 上記以外の診療所・第二種助産施設 | 10m以上 |
| 近隣商業地域 | 学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設 | 100m以上 |
| 近隣商業地域 | 大学・病院・8人以上入院できる診療所 | 50m以上 |
| 近隣商業地域 | 上記以外の診療所・第二種助産施設 | 20m以上 |
| 準工業地域・工業地域 | すべての保護対象施設 | 100m以上 |
近隣商業地域では学校・図書館・児童福祉施設の緩和がないため、100mの制限がそのままかかります。
準工業地域と工業地域も緩和がなく、すべての施設について100m以上が必要です。
③距離は敷地の外周から水平距離で測る
距離は営業所と施設の敷地の外周どうしを、水平距離で測ります。
ビルの5階や地下に営業所があっても、真上や真下に下ろした位置で測るため、階層による有利不利はありません。
学校であれば校庭やプールを含む敷地の外周が起点となる点にも注意が必要です。
ぎりぎりの距離になる物件は、契約前に警察署や専門家に測り方まで確認しておくのが安全です。
④告示区域なら距離制限を受けない特例がある
東京都では、公安委員会が告示した一部の繁華街に限り、保護対象施設があっても風俗営業の許可を取れます。
銀座・新橋・歌舞伎町・道玄坂などの一部が、この告示区域とされています。
区域は番地単位で決められており、隣のブロックに移っただけで対象外になることもあるのです。
告示の内容は変わる場合があるため、最新の区域は管轄の警察署で確認してください。
スナック・ガールズバーの出店制限
接待をしないスナックやガールズバーは、学校や病院との距離制限を受けない代わりに、住居系の用途地域では深夜0時以降の営業ができません。
深夜酒類提供飲食店営業は届出制で、保護対象施設による制限が設けられていないためです。
営業できる用途地域は風俗営業とほぼ同じで、住居系はどの地域も対象外になります。
都道府県によっては住居系地域の周辺一定距離までを禁止している場合があるため、境界付近の物件は管轄警察署で確認してください。
接待をすれば深夜酒類提供の届出では足りず、風俗営業の許可が必要になります。
営業実態が接待と判断されれば無許可営業として扱われるので、届出の区分だけで安心はできません。
ガールズバーの届出と許可の違いを具体的に確認したい方は、以下の記事が参考になります。
ガールズバーの「営業許可」を解説!風営法違反しないためのポイントも
禁止区域で水商売を営業した場合の罰則

禁止区域で許可を受けずに風俗営業をすると、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の対象です。
主な罰則は以下のとおりです。
| 違反の内容 | 罰則・処分 |
|---|---|
| 無許可営業(風営法第3条違反) | 5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人は3億円以下の罰金 |
| 風営法の欠格事由(第4条第1項第2号) | 罰金刑以上に処せられると、刑の執行を終えた日などから5年間は風俗営業の許可を受けられない |
| 風営法の行政処分(第26条) | 許可の取消し、または6か月以内の営業停止 |
| 深夜酒類提供の無届営業 | 50万円以下の罰金 |
①無許可営業は2025年の改正で罰則が5倍に
2025年6月28日施行の改正風営法で、従来の2年以下の拘禁刑・200万円以下の罰金から大幅に引き上げられました。
法人に対する罰金も、200万円以下から3億円以下へと引き上げられたのです。
改正法の施行当日には、歌舞伎町のガールズバー経営者が無許可営業の疑いで逮捕されたと報じられています。
深夜酒類提供飲食店の届出をせずに深夜営業した場合も、50万円以下の罰金の対象になります。
②摘発のきっかけは近隣住民からの通報が多い
行政処分として営業停止や許可取消も受けるため、刑事罰と合わせて店の存続に直結します。
摘発のきっかけは近隣住民からの苦情や通報が典型で、住居地域や学校周辺ほど通報が入りやすいのが実情です。
「知らずに契約した」という事情があっても、営業者の責任は免れません。
ほかにどんな行為が風営法違反になるのかは、以下の記事でまとめて確認できます。
出店前に確認すべきチェックリスト

契約前に用途地域・保護対象施設・警察署への事前相談の3点を押さえておけば、出店の失敗はほぼ防げます。
- □ 市区町村で用途地域を確認し、建物全体が営業可能な地域に入っているか見た
- □ 半径100m以内の学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所を地図と現地で確認した
- □ 雑居ビル内の小さなクリニックや、診療所の病床数まで確認した
- □ 出店する都道府県の条例で定められた距離制限を確認した
- □ 管轄警察署の生活安全課に事前相談した
- □ 契約書に「許可が下りない場合は解除できる」旨の特約を入れた
契約書の特約は、万一許可が下りなかったときの損失を抑える最後の防波堤になります。
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風営法の禁止区域に関するよくある質問
Q1. 商業地域なら必ず営業できますか?
A. いいえ、商業地域でも保護対象施設との距離が足りなければ営業できません。
建物の一部が別の用途地域にかかっている場合も許可は下りないため、用途地域と距離の両方を満たす必要があります。
Q2. スナックやガールズバーも同じ制限を受けますか?
A. 接待をしないスナック・ガールズバーは、保護対象施設との距離制限の対象外です。
ただし用途地域の制限は受けるため、住居系の地域では深夜営業ができません。
接待をすれば風俗営業にあたり、距離制限もそのままかかります。
Q3. 特例で出店できる区域はありますか?
A. 東京都では、公安委員会が告示した銀座や歌舞伎町などの一部区域が特例の対象です。
区域は番地単位で決まっており、都道府県ごとに扱いも異なるため、管轄警察署での確認が欠かせません。
Q4. 病院や診療所とは何メートル離れていれば営業できますか?
A. 東京都の商業地域なら、病院と8人以上入院できる診療所は20m以上、それ以外の診療所は10m以上です。
近隣商業地域ではそれぞれ50m以上と20m以上、準工業地域と工業地域では100m以上が必要になります。
距離は敷地の外周から水平距離で測るため、上の階や地下の物件でも扱いは同じです。
Q5. ソープランドなどの店舗型性風俗店は新規に出店できますか?
A. ほぼできません。
店舗型性風俗特殊営業は禁止区域が広く指定されており、現在営業している店の多くは法改正前から営業していた既得権によるものです。
既得権は営業をやめると消えるため、同じ場所でも新たに届け出ることはできません。
Q6. 後から近くに学校や病院ができた場合はどうなりますか?
A. すでに許可を受けている営業は、原則として続けられるとされています。
ただし取り扱いは都道府県によって異なるため、公安委員会や管轄警察署への確認が必要です。
Q7. 不動産業者が「大丈夫」と言っていた場合の責任は?
A. 不動産業者の判断ミスであっても、営業者の責任は免れません。
自分で確認するか、風営法に詳しい行政書士に調査を依頼するのが確実です。
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まとめ:風営法の禁止区域は契約前に確認しよう
風営法の禁止区域は、用途地域と保護対象施設との距離の2つで決まります。
どちらも都道府県の条例で内容が変わるため、出店予定地ごとの確認が欠かせません。
確認すべきポイントは以下の4点です。
- 住居系の用途地域では原則として出店できない
- 建物の一部でも住居系にかかっていれば許可は下りない
- 接待をする店は学校・病院などとの距離制限を受ける
- 不動産業者の説明をうのみにせず、管轄警察署に事前相談する
物件を契約する前に用途地域と距離を確認しておけば、出店の失敗はほぼ避けられます。
開業後に必要な手続きや法令対応もあわせて確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。














