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風営法で義務付けられている従業員名簿の書き方や管理方法がわからず困っていませんか?
結論から言うと、従業員名簿は営業所ごとに備え付けが義務付けられており、8つの記載項目を漏れなく記入する必要があります。
不備があれば100万円以下の罰金、10〜80日の営業停止処分の対象です。
本記事では以下の内容を解説します。
- 従業員名簿とは何か
- 記載すべき項目と添付書類
- 不備があった場合の罰則
- 正しい管理方法
- 2025年風営法改正の影響
従業員名簿は警察の立ち入り調査で最初に確認される書類です。正しい知識を身につけて適切に管理しましょう。
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風営法の従業員名簿とは

従業員名簿とは、その名の通り「従業員の情報をリスト化したもの」です。
正確には風営法36条では「従業者名簿」と呼びます。この記事では分かりやすさのため「従業員名簿」と表記しますが、法律上の名称は「従業者名簿」です。
「従業員」ではなく「従業者」とされているのは、雇用契約を結んだ社員やアルバイトだけでなく、業務委託契約のキャストや派遣スタッフなど、店で業務に従事する人全員が対象だからです。
つまり、1日だけの体験入店キャストも、週1回しか出勤しないキャストも、全員が記載対象になります。「たまにしか来ないから」という理由で省くことはできません。
なぜ水商売で従業員名簿が必要かというと、法律で義務付けられているからです。具体的には、以下のルールを必ず守る必要があります。
- 営業所ごとに必ず備え付ける
- 法律で決められた情報を全て記載する
- 嘘の情報を書かず、正確に記載する
これらを守れていないと、労働基準法や風営法で罰則が科されます。
2025年風営法改正の影響
2025年6月28日に施行された風営法改正では、接待飲食営業に対する規制が大幅に強化されました。
「色恋営業」や高額請求トラブルが社会問題化したことを受け、従業員管理の重要性がこれまで以上に高まっています。特に年齢確認の徹底がより厳しく求められるようになりました。
従業員名簿の正確性は、お店の信頼性を左右する重要な要素になっています。
風営法違反になる行為と罰則を解説|2025年改正の変更点と摘発されないための対策
従業員名簿が必要なお店

風営法36条の対象は、風俗営業許可や届出が必要な業者全般です。以下のようなお店では、従業員名簿が必要になります。
キャバクラ・ホストクラブ
キャバクラやホストクラブなど、接待を伴うお店では、従業員の管理が法律で厳しく求められます。
従業員の基本情報(氏名、生年月日、住所など)を記載し、定期的に更新する必要があります。
キャバクラの営業時間は何時までOK?風営法の観点から徹底解説
ガールズバー・ボーイズバー
ガールズバーやボーイズバーでも、接待行為を行う場合は風俗営業許可が必要で、従業員名簿の作成義務が発生します。
「うちは接待に該当しない」と思っていても、深夜酒類提供飲食店として届出をしている場合も名簿の備付義務があるため、いずれにせよ作成が必要です。
ガールズバーの「営業許可」を解説!風営法違反しないためのポイントも
スナック・パブ・バー
スナックやパブ、バーなどの飲食店でも、深夜0時以降も営業する場合は深夜酒類提供飲食店に該当し、従業員名簿が必要です。
スナックの深夜営業に必要な許可って?2パターンの営業許可を比較
パチンコ店・麻雀店・ゲームセンター
パチンコ店、麻雀店、ゲームセンターなどの遊技施設も風営法の対象です。
店内で接客を行う従業員の名簿を管理することが求められます。
従業員名簿の不備による罰則

従業員名簿を用意していなかったり、内容に不備があったりすると、罰則が科されます。
以下の団体から開示・提出を求められた場合、速やかに従業員名簿を見せる必要があります。
- 警察
- 労働基準監督署
- 年金事務所
ルールを守って記入した従業員名簿が用意できていなかったり、見せられなかったりすると、以下の罰則が科されます。
- 100万円以下の罰金(風営法53条)
- 10日以上80日以下の営業停止処分(基準期間20日)
特に注意すべきは、名簿を備えずに営業した時点で違反が成立する点です。警察の立ち入り後に慌てて作成しても、遡って罪を免れることはできません。
また、警察官の立入検査を拒否・妨害する行為自体も、100万円以下の罰金の対象になります。
キャバクラ・スナックで業務委託契約は可能?メリット・デメリットと裁判事例を解説
キャバクラの従業員名簿に記載する項目

従業員名簿には、以下の項目を必ず記載する必要があります。
- 氏名(源氏名ではなくフルネーム)
- 生年月日
- 履歴
- 性別
- 住所
- 従事する業務の内容
- 雇い入れた年月日
- 退職した年月日及びその理由
これらの項目を漏らさず、正確に記載することが重要です。
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それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
①氏名(源氏名ではなくフルネーム)
従業員名簿には、源氏名ではなく本名をフルネームで記載します。
源氏名での記載は虚偽情報とみなされ、法令違反になります。必ず運転免許証や住民票などの公的書類で本名を確認しましょう。
②生年月日
18歳未満の雇用は風営法で厳しく禁止されています。
生年月日を正確に記載し、年齢確認を徹底しましょう。姉妹の身分証を持参するケースなど、年齢詐称の事例も多いため、複数の書類でのクロスチェックが重要です。
③履歴
これまでの職歴を記載します。
風営法上、特に詳しく書く必要はありませんが、採用時に確認した内容を簡潔に記載しましょう。
④性別
男性・女性を記載します。
⑤住所
現住所を正確に記載します。
住民票の住所と現住所が異なる場合でも、現住所を記載することが一般的です。
ただし、住民票で確認した住所も控えておきましょう。
⑥従事する業務の内容
「キャスト」「内勤」「ホール係」「厨房」など、具体的な業務内容を記載します。
風営法上の接客業務に該当する場合は、その旨を明確に記載することが重要です。
⑦雇い入れた年月日
実際に働き始めた日を記載します。
体験入店の場合も、体験入店日を記載する必要があります。
⑧退職した年月日及びその理由
退職日と退職理由(自己都合・会社都合)を記載します。
風営法違反や売春防止法違反があった従業員については、その旨を記載することで、経営者が違反行為を黙認していなかった証拠になります。
退職理由を明確に記載しておくことで、後々のトラブルを防げます。
キャバクラの従業員名簿の管理方法
従業員名簿を作ったら、警察などの立ち入り時にすぐ見せられるよう、きちんと管理しておきましょう。
すぐに名簿を見せられる、または印刷できるのであれば、紙ではなくエクセルなどの電子データでの保管でもOKです。
ただし、従業員名簿の管理には以下の2つのルールがあります。
- 営業所ごとに用意する
- 退職した従業員がいても、3年間は名簿を保管する
複数店舗を経営している場合、それぞれのお店で名簿を用意する必要があります。また、退職後3年以内に名簿を破棄すると、法令違反になります。
「名簿を作って終わり」ではなく、作成後の管理方法にも注意しましょう。
電子データで管理する場合の注意点
エクセルなどで管理する場合、以下の点に注意しましょう。
- バックアップを必ず取る
- パスワードで保護する
- すぐに印刷できる環境を整える
警察が来た時に「パソコンが壊れて見せられません」では通用しません。常にすぐ見せられる状態にしておきましょう。
従業員名簿作成時の注意点
従業員名簿を作成する際は、以下の3点に注意してください。
①従業員全員分の名簿を作成する
従業員名簿は、社長や店長を含む従業者全員の記載が必要です。
前述のとおり、業務委託契約のキャストや派遣スタッフ、1日だけの体験入店も対象になります。
自分自身も含め、店で業務に従事する全員分の情報をしっかり記載しましょう。
②源氏名ではなく本名で記載する
従業員名簿は、源氏名ではなく本名で記載します。
源氏名は虚偽情報とみなされるため、運転免許証などに記載されている正しい名前を記入してください。
「源氏名しか知らない」では通用しません。必ず本名を確認しましょう。
③従業員の身元をしっかり確認する
従業員名簿を作っても、従業員自身が名前や住所を偽っていれば、書類自体が虚偽のものになってしまいます。
従業員を雇う時は、以下の書類で身元をしっかり確認しましょう。
- 住民票の写し(生年月日・本籍が記載されたもの)
- 戸籍謄本・抄本
- パスポート
これらのコピーを取って従業員名簿と一緒に保管しておけば、警察が来ても安心です。
運転免許証やマイナンバーカードには本籍地が記載されていないため、これらだけでは風営法の要件を満たしません。
なお、運転免許証のICチップをIDリーダーアプリで読み取ると本籍地を確認できるため、実務上はこの方法を使うケースもあります。
年齢確認は特に厳しく
18歳未満の雇用は風営法で厳しく禁止されています。
年齢詐称の事例も多いため、顔写真付き身分証明書での本人確認を徹底してください。「見た目が幼いから大丈夫だろう」ではなく、必ず公的書類で確認しましょう。
水商売で未成年を雇用できる年齢は?業種別の基準・罰則・摘発事例を解説
警察の立ち入り調査の実例
警察が見回りに来た際には、必ず従業員名簿の提出を求められます。
実際に警察が立ち入り調査を行ったケースを2つ紹介します。
歓楽街健全化へ合同査察
姫路の歓楽街を安全に ゆかたまつり控え警戒強化
このように、お祭りなどのイベント前や、歓楽街が賑わう12月は、健全化対策として警察の見回りが増える傾向にあります。
ただし、これはあくまで傾向の話です。突然見回りに来ることもあるので、従業員名簿はいつでも見せられる状態にしておきましょう。
キャバクラの従業員名簿に関するよくある質問
最後に、風営法の従業員名簿に関するよくある質問をご紹介します。
Q1. 従業員名簿は手書きでも大丈夫ですか?
手書きでも問題ありません。
ただし、エクセルなどの電子データでの管理も認められており、以下のメリットがあります。
- 修正・更新が簡単
- 複数店舗での情報共有ができる
- バックアップが取りやすい
重要なのは、警察が来た時にすぐ印刷・提示できる環境を整えておくことです。
Q2. 1日だけの体験入店でも従業員名簿に書く必要がありますか?
はい、1日体験でも記載が必要です。
風営法では「お店の業務に従事する者」すべてが対象のため、勤務期間の長さや契約形態は関係ありません。
- 1日体験入店
- 短期アルバイト
- 業務委託契約のキャスト
- 他店からのヘルプ・派遣スタッフ
これらすべてが記載対象です。面倒ですが、法令遵守のために必須の手続きです。
Q3. 源氏名しか知らない従業員がいる場合はどうすればいいですか?
必ず本名を確認して記載してください。
源氏名での記載は虚偽情報とみなされ、法令違反になります。以下の手順で対応しましょう。
- 住民票や戸籍謄本で本名を確認
- 顔写真付き身分証で本人確認
- 確認書類のコピーを名簿に添付
本名確認を拒否する場合は、雇用を見合わせることをおすすめします。
Q4. 運転免許証だけでは身元確認として不十分ですか?
券面の目視確認だけでは風営法の要件を満たしません。
現在の運転免許証には本籍地が記載されていないため、追加で以下の書類が必要です。
- 住民票の写し(本籍地記載のもの)
- 戸籍謄本・戸籍抄本
- パスポート(本籍地都道府県名記載)
マイナンバーカードも本籍地の記載がないため、単体では不十分です。ただし、運転免許証のICチップをIDリーダーアプリで読み取れば本籍地を確認できます。
Q5. 従業員名簿の保管期間はどのくらいですか?
従業員が退職してから3年間の保管が義務です。
保管期間中は以下の点に注意してください。
- 退職後すぐに破棄しない
- 鍵のかかる安全な場所で保管する
- 従業員から返却を求められても応じる必要はない
法律により店舗管理となっているため、個人への返却義務はありません。
Q6. 2025年の風営法改正で従業員名簿への影響はありますか?
記載項目の変更はありませんが、管理の重要性が高まっています。
改正による主な影響は以下の通りです。
- 年齢確認の徹底がより厳格に
- 「色恋営業」規制に伴う従業員教育記録の重要性
- 無許可営業への罰則強化(法人は最大3億円)
従業員名簿の正確性は、これまで以上にお店の信頼性を左右する重要な要素になっています。
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まとめ
今回は、風営法の従業員名簿について解説しました。
従業員名簿は警察の立ち入り調査で最初に確認される書類です。不備があると罰金や営業停止のリスクがあるため、正しく作成・管理することが大切です。
以下のポイントを押さえて、今すぐ従業員名簿を整備しましょう。
- 業務委託キャスト・体験入店も含む従業者全員(社長・店長含む)を記載する
- 源氏名ではなく本名で記載する
- 本籍地が確認できる書類で身元確認する
- 営業所ごとに備え付ける
- 退職後3年間は保管する
- 電子データでもOKだが、すぐ印刷できるようにする
2025年6月の風営法改正により、従業員管理の重要性はさらに高まっています。
適切な従業員名簿の作成・管理は、お店の信頼性を保ち、安心して営業を続けるための必須条件です。
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