スナック開業に必要な営業許可は?ママは理解必須

スナックを開業したい!と考えたとき、どうすればいいのか悩むポイントはたくさんあります。そのうちの1つが「営業許可」。

飲食店は、営業スタイルに合わせてさまざまな営業許可をとって営業しなければなりません。

そこで今回は、スナックを開業する場合必要になる営業許可についてご紹介します。

そもそもスナックとは

スナックとはスナックバー(snack bar)の略称で、アメリカでは「カウンター付きの飲食店」のことを指します。しかし、日本では「ママ」と呼ばれる女性や女性スタッフがカウンター越しに接客する飲食店を意味しています。お酒を中心に軽食を提供しており、10人ほどのカウンター席とボックス席(テーブル席)がある内装のお店が多いでしょう。

スナックではお酒や軽食の提供もありますが、お客さまの中にはママや女性スタッフとのコミュニケーション、カラオケなどを楽しみに訪れる人も多いという特徴があります。

一般的なスナックは風俗営業適正化法の対象になる

スナックは、バーとも似ていますがちょっと違うのが、店員が接待をする、カラオケを楽しむ、客同士の会話を楽しむという特徴がある点です。

このような「接待」が主なサービスとなる飲食店は、風俗営業の1号営業に区分されます。1号営業と2号営業は、いわゆる「接待」があるかないかによって区別され、かつ低照度飲食店である場合には、2号営業となります。

いずれも風俗営業であり、「風営適正化法」の対象とされます。2号営業の場合は、 営業時間は原則深夜0時まで。また、ダンスをする踊り場がないなどの規定があります。ただし住宅集合地域からの距離が20メートル以上離れており、営業延長許容地域の範囲内である場合には、午前1時までの営業が許可されています。

もし、無許可営業をした場合には、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられるので、注意が必要です。

メモ

接待に含まれる行為とは

「接待」とは、一般的な「お客様をもてなす」という意味だけではありません。

例えば、スタッフが特定少数のお客様の隣に座り、お酌をしたり煙草に火を付けたりすることも接待に含まれます。カウンター越しであっても長時間同じ場所で会話を続けるのは接待行為に当たるとされていますが、これが「どの程度なのか」という点については明らかにされていません。この辺りは、警察に見つかった場合に「接待」と見なされてしまえば指導が入ることになります。

また、スナックにはカラオケが設置してあるお店が多いですが、特定少数のお客様とスタッフがカラオケをデュエットしたり、手拍子をしたり、ほめそやしたりするような行為はも接待に含まれます。もし、風俗営業許可をとっていないのであれば、お客様がカラオケを歌っても完全に無視しなければいけません。

特定少数のお客様とスタッフが一緒にボードゲームなどをプレイする行為も、接待行為に含まれます。

もし、このような接待行為をするならば、スナックはホストクラブやキャバクラと同じく風俗営業1号許可を得る必要があるのです。

スナックの開業に必要な営業許可・資格とは

許可

スナックを開業にあたって必要となる許認可は、「風俗営業許可」と「食品営業許可」の2種類があります。

風俗営業許可とは

こちらは、前項で紹介した理由のために必要となる営業許可です。

まず、風俗営業の許可を取るためには、許可申請書に必要書類を添え、管轄の警察署に提出します。また、申請する前段階で、風俗営業の基準に沿った内装工事が完了していなければなりません。

添付する必要書類としては、営業の方法を記載した書類・賃貸契約書・登記事項証明書・店舗平面図・店舗周囲の略図のほか、個人の場合は住民票の写しや自治体から発行される身分証明書などが挙げられます。また、法人の場合には定款や登記事項証明書、役員の各種情報も必要です。

食品営業許可とは

スナックでは、酒類や食品を提供することになるでしょう。どのような形であっても食品を扱った営業を行うのであれば、食品営業許可を取らなければなりません。

こちらは、管轄している保健所に、営業許可申請書と必要書類を提出します。また、スナックを開業するための資格は特に必要ありませんが、食品を提供する店舗には、1店舗につき1人の食品衛生責任者を配置しなければならないと定められています。調理師や栄養士としての資格を持っていれば、講習の必要がなく、食品衛生管理者になることができますが、調理師や栄養士などの資格を持っていない場合には、こちらの資格を取得する必要があります。

食品衛生責任者の資格は、各自治体の食品衛生協会が定期的に実施している講習会に参加することで、資格の取得が行えます。講習の時間はおよそ6時間程度です。

食品衛生管理者の資格を取得したら、次は警察に営業許可の届け出をします。こちらは、営業時間やコンセプト・サービス内容によって必要となる届け出が異なってくるので注意が必要です。

店舗規模によっては防火管理者の配置が必要

もし、店舗規模がスタッフを含めて30人以上収容できるようなお店の場合には、防火管理者の配置が義務づけられています。防火管理者の資格については、消防署などで1~2日講習を受けることで、取得ができます。

深夜0時~翌6時まで営業する場合は「深夜酒類提供飲食店」

お酒

深夜0時から翌朝6時までの、いわゆる深夜営業の時間帯にも営業を行う場合には、深夜酒類提供飲食店の届け出を警察に提出する必要があります。もし、深夜営業の定食屋のように、メニューにお酒があっても深夜の時間帯は食事の提供が中心というのであれば、届け出は不要です。しかし、スナックはお酒が中心となるので、届出は必須だと言えるでしょう。

深夜酒類提供飲食店の申請書類は複雑かつ多岐にわたっているので、何度も再提出を求められることもあります。正確に手続きを行いたいのであれば、コストはかかってしまいますが、行政書士に相談すると安心でしょう。

「風俗営業」と「深夜酒類提供飲食店営業」の両方は取得できない

「風俗営業」と「深夜酒類提供飲食店営業」の両方の取得は、原則出来なくなっています。2つを取得してはならないという明確な規定はありませんが、現実的に考えれば、2つの業態を両立させることは難しいでしょう。

これらの大きな違いは、深夜酒類提供飲食店営業の場合、「一切の接待をしてはならない」と定められている点です。深夜酒類提供飲食店営業の場合、カウンターを出てお客さまの相手をすることはできませんし、カラオケでもデュエットやお客さまの歌唱に対する手拍子も入れられません。対して、風俗営業の場合は接待行為ができますが、深夜0時以降の営業は禁止されています。

風俗営業では問題とされない行為でも、深夜酒類提供飲食店営業では違法行為と見なされてしまうのです。もし、深夜営業を行うのであれば、カラオケを設置している場合でも、深夜酒類提供飲食店営業の場合には曲を入れる程度でそれ以降はノータッチ状態でなければ違法行為です。もし、違法行為とみなされてしまえば「風俗営業の無許可」として、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金の対象となるので、注意が必要です。

「どうせバレない」と思っていても、私服警官が巡回している場合もありますので、自分が考えるスナックの営業の業態と、営業許可の内容については、よく確認しておきましょう。

チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる

水商売の開業時にはやらなければならない作業がたくさんあります。
その全てを紙に書き出すことは、開業の経験者でも難しいことです。 このような方向けにしています。
チェックリストに従って開業準備を行うことができます。

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スナックの経営で考えなければならないのが会計

スナックを開業する方で多いのが、売上計算などの会計業務をおろそかにしてしまう人です。というのも、経営に関しては正確に管理しなくても、自分で管理できていると思える規模で営業しているお店が多いからです。

しかし、安定した営業を続けていくためには、日々の売上計算や給与計算など、お金の管理は必要不可欠。せっかく開業したスナックなのに、お金の整理がしっかりできていなかったがために、赤字営業でお店をたたむことになってしまっては、残念ですよね。

とは言え、ママからすれば日々のお金の管理はかなり負担になる業務。営業中の業務に加えて、営業後に行わなければならない作業は、酒類の発注など、会計業務だけに止まりません。

スナックにオススメのPOSレジ「TRUST」

そこでおすすめしたいのが、POSレジ「TRUST」です。

TRUSTはスナック業界専用のPOSレジ。導入することで、普通の飲食店向けのPOSレジを利用するよりも、圧倒的に業務効率をアップさせることができるでしょう。

売上計算や給与計算は毎日行わなければならず、かなり手間のかかる作業です。しかし、「TRUST」を使えば売上計算だけでなく、面倒な給与計算までも自動、かつ素早く処理することが可能になります。

また、「TRUST」はiPadを利用したPOSレジなので、導入にかかる費用も抑えることができるというメリットもあります。

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スナックの営業形態を理解して開業準備を

今回は、スナックを開業するにあたって必要となる営業許可についてご紹介しました。

特に、深夜営業と風俗営業のラインについては、難しい部分もあるかと思います。もし、心配なところがあれば、行政書士に相談するのもいいでしょう。店の方向性を考えた上で、必要となる許認可をしっかりと確認していくことをおすすめします。




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