目次
キャバクラ経営で何が経費にできるか迷っていませんか?
結論から言うと、仕入れ・給与・送り・広告など店の運営に直接かかわる支出は経費にでき、私的に使えるものは事業に関係していても計上できません。
判断に迷いやすいのはスーツ代やタクシー代で、用途を説明できるかどうかで扱いが分かれます。
本記事では以下の内容を解説します。
- 経費にできるもの・できないものの一覧
- 経費で落とせる金額の考え方
- 経費に関するよくある質問
経費を正しく計上すれば納税額は下がりますが、使いすぎれば手元の資金も減るため、バランスを押さえておきましょう。
※2026年9月時点の税制にもとづく内容です。
キャバクラ経営で経費にできるもの・できないもの一覧
まずは経費で落とせるかどうかを一覧で確認してください。
| 項目 | 経費にできる? | 補足 |
|---|---|---|
| お酒・フード・チャームの仕入れ | ◎ できる | 仕入れ費用として全額計上可 |
| 水道・電気・ガス代 | ◎ できる | 店舗分のみ。自宅分は不可 |
| おしぼり・グラス・清掃用品 | ◎ できる | 10万円未満の備品は消耗品費で一括計上 |
| ソファ・テーブル(10万円未満) | ◎ できる | 青色申告の中小企業・個人事業主は40万円未満まで一括計上可(年300万円上限) |
| キャスト・黒服の給与・バック | ◎ できる | ドリンクバック・同伴バックも含む |
| キャストの送り(タクシー・送迎)代 | ◎ できる | 深夜営業で必要な業務上の支出にあたる |
| 制服・イベント衣装・貸出ドレス | ◎ できる | 仕事専用の衣装であること |
| 広告費(HP・SNS・求人・チラシ) | ◎ できる | 集客に関わる費用はすべて対象 |
| 店舗の通信費・インターネット代 | ◎ できる | POSシステムの通信費も含む |
| 税理士への顧問料・相談料 | ◎ できる | 確定申告代行費用も含む |
| キャストへの差し入れ・誕生日プレゼント | ○ できる | 福利厚生費として。常識的な範囲内に限る |
| 内装工事費(40万円以上) | △ 要注意 | 減価償却が必要。数年かけて計上 |
| 黒服のスーツ代 | △ 要注意 | 私服として着られるものは不可。店が支給する制服なら可 |
| 経営者個人の通勤タクシー代 | ✕ できない | 通勤は経済的かつ合理的な経路が前提 |
| 私的な飲食代 | ✕ できない | 事業と無関係の飲食は不可 |
判断が分かれるのは「私的に使えるかどうか」で、同じ支出でも用途次第で扱いが変わります。
以下では、各項目の詳細と注意点を解説します。
キャバクラ経営者が使える経費とは?

経費とは、事業を行ううえでかかる費用のことです。
ここでは、以下の2つを解説します。
- 経費の基本的な考え方
- 経費で落とせる金額の算出方法
特に算出方法は個人事業主と法人で違うため、しっかり確認しましょう。
経費とは?
経費とは事業に必要な支出のことで、正しく計上することで納税額を減らせます。
経費は主に以下の2種類。
- 収入金額を得るために、直接的にかかった費用
- 給料・広告費といった、販売や管理のための業務上の費用
税金は利益に課されるので、経費を計上して利益を減らせば納税額も下がります。
ただし経費を使えば、事業に回せる資金そのものも減っていきます。
納税額と手元資金のバランスを見たうえで、経費で落とす金額を決めましょう。
経費で落とせる金額の算出方法
経費で落とせる金額の考え方は、個人事業主と法人で異なります。
自分の店がどちらなのかを確認したうえで、以下を読み進めてください。
①個人事業主
個人事業主が経費をうまく使うと、所得税の課税額を下げられます。
所得税の課税額は以下の式で計算します。
所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進課税のため、経費の効果は所得が大きい人ほど大きくなります。
経費で落とす金額は、収入や控除のバランスも考えて判断しましょう。
細かい控除項目は国税庁のサイトで確認できます。
②会社(法人化)
会社を経営している場合、経費をうまく使うと法人税の課税額を下げられます。
法人税の算出方法は以下のとおり。
※中小法人(資本金1億円以下)の場合、年800万円以下の所得は15%、800万円超の部分は23.2%が適用されます。地方税を含めた実効税率は、所得規模により約21〜34%程度です。
課税所得を800万円ライン以下に抑えられるかどうかが、大きな判断軸になります。
求人ページの掲載料や新規出店など、将来の支出も見込んだうえで金額を決めましょう。
法人化そのものを検討している方は、以下の記事が参考になります。
ガールズバー・キャバクラを法人化する5ステップ|思わぬ注意点も解説
キャバクラ経営で経費にできるもの

店の運営に直接かかわる支出は、幅広く経費として計上できます。
見落としている項目を計上できれば、その分だけ利益に余裕が生まれます。
①仕入れ費用
客に出すチャームや酒の購入費は、経費で落とせます。
- ビール、焼酎、ウイスキーなどの酒類
- フルーツ盛り合わせの材料費
- フードメニューの食材費
- チャームやおつまみ
これらはすべて仕入れ費用として経費計上が可能です。
②水道光熱費
店舗で使う水道光熱費も経費になります。
- 水道費
- 電気代
- ガス代
ただし売上に直接関係しない自宅の水道光熱費は、経費で落とせません。
③消耗品費
使えばなくなるものも経費で落とせます。
- 割り箸、おしぼり
- グラス、カクテルグラス(10万円未満)
- 黒服が使うボールペンや伝票
- 清掃用品
これらは客へのサービス提供に直接かかわる消耗品として計上できます。
④ソファやテーブルの購入代
10万円未満のテーブルやソファなどは、少額資産として一括で経費にできます。
青色申告をしている個人事業主や中小企業なら、「少額減価償却資産の特例」でさらに高額な資産も一括計上が可能です。
令和8年度税制改正により、2026年4月1日以後に取得する資産は40万円未満まで一括計上できます(年間合計300万円が上限)。
2026年3月31日までに取得した資産は従来どおり30万円未満が基準になるため、購入時期で扱いが分かれます。
40万円以上の資産は、数年かけて減価償却する必要があります。
⑤給料賃金
キャストや黒服の給与も、経費として落とせます。
- キャストの時給・日給
- ドリンクバック
- 同伴バック
- 黒服の給与
キャストは給料日以外にドリンクバックの日払いもあるため、支払いの記録を残しておきましょう。
キャバクラの給料システムについて徹底解説!時給やバックの種類
⑥送りの費用
営業終了後にキャストを自宅まで送る送迎費も、業務に必要な支出として経費になります。
- 送り用のタクシー代
- 送迎車のガソリン代・駐車場代
- 運転を委託している場合の外注費
深夜営業で公共交通機関が動いていない時間帯の移動にあたるため、私的なタクシー代とは扱いが異なります。
⑦制服・衣装代
仕事でしか使わない衣装は、経費で落とせます。
- 黒服の制服一式
- キャスト用の浴衣(季節イベント用)
- 新人用の貸出ドレス
季節イベントの浴衣や新人への貸出ドレスも、店が用意するものであれば計上できます。
キャバクラのイベント具体例21選!イベントで集客を成功させよう
⑧広告宣伝費
店の集客にかかわる費用も経費として計上できます。
- ホームページ制作費・運営費
- SNS広告費
- 求人サイト掲載費
- チラシ印刷費
- 看板制作費
求人にかかる費用も、集客と同じく広告宣伝費として扱えます。
集客用のキャバクラの広告10種類を解説!自店舗に適した媒体の選び方とは
⑨通信費
業務に使用する通信費も経費になります。
- 店舗用の携帯電話代
- インターネット回線費用
- POSシステムの通信費
個人の携帯を兼用している場合は、業務で使った割合分だけを計上します。
キャバクラ経営で経費にできないもの
事業に関係していても、経費で落とせない項目があります。
誤って計上すると、数年後の税務調査で指摘されて追徴課税を課せられることもあります。
正しく計上するために、以下の3つを確認しましょう。
①スーツ代
黒服が着る一般的なスーツは、経費になりません。
仕事でしか着ないドレスや浴衣と違い、スーツはプライベートでも着られるためです。
店名の入った制服として支給するなど、業務専用と説明できる形にすれば計上できる余地があります。
②私的なタクシー代
経営者が私的な用事で使うタクシー代は、経費として認められません。
通勤費は所得税法施行令第20条で「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路および方法による運賃等の額」と定義されています。
タクシー通勤はこれに当たらないため、自分の通勤分は経費にできません。
一方で、キャストの送りや営業のための移動は業務上の支出として計上できます。
③私的な飲食代
私的な用事や友人との食事会での飲食は、経費で落とせません。
なお、客が接待でキャバクラを使う場合、2024年4月から1人当たり1万円以下の飲食費は交際費から除外され、全額を損金にできるようになりました。
ただし参加者の氏名や人数を記録しておくことが要件になります。
店側としては、白紙の領収書を客に渡さないことが最低限のルールです。
キャバクラの利益データ管理はTRUSTにお任せ!

経費をいくら使えるかを判断するには、売上と支出を正確に把握しておく必要があります。
キャストの給与や仕入れにいくら払っているかが分からなければ、計上できる経費の上限も計算できません。
水商売専門のPOSシステム「TRUST」なら、日々の売上と給与を自動で集計できます。
- 伝票を処理するだけで売上と給与が自動集計され、日報も自動で作成される
- 本指名・同伴・各種バックを自動計算し、給与明細をPDFで出力できる
- キャストごとに時給・天引き・厚生費を設定できる
- 伝票の削除履歴や印刷履歴が残るため、データの改ざんを防げる
水商売で1,000店舗以上の導入実績があり、14日間の無料お試しも可能です。
キャバクラ向けのPOSレジを12個の項目で徹底比較!おすすめ機種も紹介
キャバクラ経営の経費に関するよくある質問
Q1. キャストへの差し入れは経費で落とせますか?
A. はい、キャストへの差し入れは福利厚生費として経費計上できます。
- 食事やお菓子の差し入れ
- 誕生日プレゼント
- 成績優秀者への景品
ただし常識的な範囲内であることが条件で、高額すぎる差し入れは税務署から指摘を受ける可能性があります。
Q2. 内装工事費は一度に経費で落とせますか?
A. いいえ、内装工事費は基本的に減価償却となります。
- 10万円未満:一括で経費計上できる
- 10万円以上:原則として数年かけて減価償却する
青色申告の中小企業・個人事業主なら、2026年4月1日以後に取得した40万円未満の資産は一括計上できます(年300万円が上限)。
Q3. 個人事業主と法人、どちらが節税に有利ですか?
A. 売上ではなく、所得の水準で判断します。
- 役員報酬を引いた後の利益が800万円前後で安定:法人化を検討する
- それ未満:個人事業主のほうが負担は軽い
法人化すると役員報酬を経費にできる一方、社会保険の会社負担や顧問料が増えます。
赤字でも法人住民税の均等割(年7万円前後)がかかるため、利益が安定してから判断してください。
Q4. 税理士費用は経費で落とせますか?
A. はい、税理士への報酬は経費として計上できます。
- 顧問料
- 確定申告代行費用
- 税務相談料
水商売の申告に慣れた税理士に任せることで、計上漏れを防ぐ効果も期待できます。
Q5. 領収書がない経費は認められませんか?
A. 領収書がなくても、出金伝票を作成すれば認められる場合があります。
ただし、以下の条件があります。
- 日付、金額、支払先、内容を明記する
- 事業に関連する支出であることを説明できる
- あまりに頻繁だと税務署から疑われる
メールやWebで受け取った請求書・領収書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存する必要があります。
Q6. 交際費に上限はありますか?
A. 法人の場合、交際費には特例の上限があります。
- 資本金1億円以下の中小法人:年800万円までの全額損金算入、または接待飲食費の50%損金算入のどちらかを選択できる
- 個人事業主:上限なし(ただし事業関連性が必要)
2024年4月以降は、1人当たり1万円以下の飲食費であれば交際費から除外して全額を損金にできます。
Q7. 経費を多く計上すれば得ですか?
A. いいえ、経費を増やしすぎると手元資金が減ります。
経費を多く使えば税金は減るものの、以下のデメリットもあるので注意。
- 事業拡大のための資金が減る
- 急な出費に対応できなくなる
- 銀行融資を受けにくくなる
融資を受けて出店を考えている場合は、利益を残すほうが有利に働きます。
Q8. 経費の証明書類は何年保管すべきですか?
A. 原則として7年間の保管が必要です。
- 個人事業主:帳簿は7年、書類は種類により5年または7年
- 法人:7年(欠損金がある事業年度は10年)
税務調査は不正があれば7年前までさかのぼるため、7年を基準に保管してください。
法律・税務のコンプライアンスでお悩みの方へ
水商売経営において、法律・税務のコンプライアンスは経営の根幹です。
適切な法律・税務対応を行うことで、摘発リスクの回避、罰金や営業停止の防止、税務調査への備え、そして長期的に安定した経営基盤の構築が可能になるでしょう。
弊社のLINE公式アカウントでは、法律・税務に関する以下のサポートを提供しています。
- 売上データを自動集計するPOSレジ「TRUST」の紹介
- 税理士・行政書士など専門家の紹介
- 風俗営業許可取得に必要な業者情報
- POSレジを活用した税務管理に関する個別相談
違法営業のリスクを避け、適切な納税を行うことで、長期的に安定した経営を実現できます。
特に、源泉徴収や確定申告でお困りの経営者の方には、POSレジによる自動集計機能が大きな助けとなるでしょう。
まとめ:キャバクラ経営者は経費を正しく使って利益を残そう
経費は納税額を下げる手段である一方、使い方を間違えると追徴課税というペナルティにつながります。
押さえるポイントは以下の4点です。
- 仕入れ・給与・送り・広告など、店の運営に直接かかわる支出は計上できる
- 私的に使えるものは、事業に関係していても計上できない
- 2026年4月以降に取得した40万円未満の資産は一括で経費にできる
- 領収書や帳簿は原則7年間保管する
判断に迷う項目は自己判断で計上せず、水商売に詳しい税理士に確認しておきましょう。
税金や申告の全体像もあわせて確認したい方は、以下の記事が役立ちます。














