目次
この記事をご覧の方は、以下の疑問をお持ちではありませんか?
- 「キャバクラの給料システムってどんな感じ?」
- 「時給以外にどんなバックや給料がある?」
キャバクラの給料システムはお店によって様々で、どれが良いのか判断するのが難しいです。
そこで本記事では、キャバクラの給料システムについて、以下の内容を解説します。
- キャバクラの基本的な給料システム
- 時給・バック・費用の内訳
- 実際の給料システムの例
キャバクラの給料について把握したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
キャバクラでの基本的な給料システム
キャバクラの給料システムって色々あってややこしいと感じていませんか。
しかし、基本的な給料システムの構成は、どのお店も以下の3つです。
- ①基本自給
- ②バック
- ③費用の天引き
基本時給は、その名の通り時給です。
様々な要素でキャストの時給が決まり、給料に反映されます。
バックは、インセンティブです。
ドリンクや指名が入った際、決められた金額が給料に反映されます。
費用は、キャストにかかる各種費用です。
基本時給とバックを足したものから、各種費用が天引きされる形です。
まずはこの構造を理解しましょう。
キャバクラの「基本時給システム」5選
キャバクラの給料は、「基本時給・バック・費用」で決定されます。
まずは、このうち最初の「基本自給」について確認していきましょう。
基本時給を決定するシステムは、以下の5つが挙げられます。
- ポイントスライドシステム
- 売上スライドシステム
- 指名スライドシステム
- 固定給
- 小計折半
キャバクラの給料体系は、成績によって決まり、お店に貢献するような成績を出しているキャストは給料がスライド形式に高くなります。
この前提を踏まえ、それぞれのシステムについて見ていきましょう。
①ポイントスライドシステム
ポイントスライドシステムは、ポイントによって成績を評価する仕組みです。
ポイントは、基本的に以下の要因で決まります。
- 本指名
- 場内指名
- 同伴
- ドリンク
- ボトル(お店による)
それぞれポイントが付与され、ポイントに応じて時給が決定されます。
以下は例です。
(例)
付与ポイント | |
本指名 | 2pt |
場内指名 | 1pt |
同伴 | 1pt |
ドリンク | 0.5pt |
規定の期間で稼いだポイントに応じて、下記のように時給が変動します。
基本時給 | |
0pt | 2000円 |
1~5pt | 2500円 |
6~10pt | 3000円 |
11pt~ | 3500円 |
このように、キャストが貯めたポイントによって時給が変わるシステムが、ポイントスライドシステムです。
ポイントスライドシステムのメリット・デメリット
ポイントスライドシステムのメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット:
売上をコントロールしやすい - デメリット:
お店、キャストともに管理が大変
このシステムのメリットは、店側がポイントを操作することで売上をコントロールできる点です。
例えば、短期的な利益がほしい月には、利益率の高いドリンクやボトルでのポイントを高くします。
一方、キャストは自分の給料を上げるために、ポイントが高いインセンティブ、この場合ではドリンクやボトルを狙います。
そして、お店全体として本指名が減ってきたら、本指名のポイントを上げることでキャストは本指名の獲得に力を入れてくれます。
デメリットは、管理が大変な点。
キャスト一人一人に対して、ポイントを計算して給料を出すことはミスが出やすい上に面倒な作業です。
②売上スライドシステム
売上スライドシステムは、本指名をいただいた客様の支払いの金額によって成績を評価する仕組みです。
キャストの評価は本指名のお客さんの売上次第で決まり、例としては以下が挙げられます。
(例)
基本時給 | |
本指名売上(円) | 時給 |
0 | 2000円 |
20000~39999 | 2500円 |
40000~59999 | 2600円 |
60000~79999 | 2700円 |
80000~109999 | 2800円 |
このように、本指名からの売上で時給が決まるため、指名獲得が重要なシステムです。
売上スライドシステムのメリット・デメリット
売上スライドシステムのメリット・デメリットは以下の通り。
- メリット:
お店にとってもキャストにとってもわかりやすく、業務に集中しやすい。 - デメリット:
本指名が獲得できないキャストは辞めていく
意識の高いキャストであれば頑張ってくれますが、意識の低いキャストは長続きしないことがあります。
③本指名スライドシステム
本指名スライドシステムは、キャストがお客様に本指名された数によって成績を評価する仕組み。
つまり、どれだけ本指名されたかによって変わるシステムで、本指名がそのキャストの価値という考え方です。
売上スライドシステムと違う点は、ドリンクなどの売上は基本的にバックでもらえる点。
以下は例です。
(例)
基本時給 | |
本指名数(本) | 時給 |
0 | 2000円 |
1~10 | 2500円 |
11~20 | 3000円 |
21~30 | 3500円 |
このように、本指名の数によって時給が決まり、高級店になる程に時給の上がり幅が小さくなる傾向にあります。
本指名スライドシステムのメリット・デメリット
本指名スライドシステムのメリット・デメリットは以下の通り。
- メリット:
シンプルで計算しやすい点 - デメリット:
バック計算が必要になるので、給与管理は大変
時給自体は算出しやすいものの、時給のシステムでカバーしきれない分は全てバックで管理するため、給料の管理は大変になる傾向があります。
④固定給
これまでのシステムと違い、基本時給は一定で変わらないシステムです。
こちらの給料システムは、新人や体入のキャストに使われることが一般的です。
⑤小計折半
小計折半は、ホストで一般的な給料の考え方。
面倒なスライドやバックは関係なく、その人が稼いだ売上の半分をもらえるという考え方です。
例えば、500万円を売り上げたら、半分の250万円が給料としてもらえ、完全に自分で売上を作ることができるNo.1キャストに使われるシステムです。
この小計折半という給料システムは他の4つとはキャストの雇用形態が違います。
詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
キャバクラの給料システムの「バック」5選
キャバクラの給料構成は、「 ①基本自給 + ②バック- ③費用」です。
ここからは、②のバックについて確認していきましょう。
バックとは、時給と別に発生するインセンティブのような給与のこと。
お店によっても異なりますが、基本的なバックは8種類です。
それぞれ紹介していきます。
①本指名バック
お客様が、お目当てのキャストを指名したときに発生します。
1本につき、500~1500円にしている店舗が多いです。
②場内指名バック
お目当てのキャストがいないお客様(フリー客)が、気に入ったキャストを指名したときに発生します。
0~1500円が相場です。
③同伴バック
お客様と同伴(お客様と食事をしてそのまま一緒に出勤すること)したときに発生します。
確実に来店に繋がるので、高めの3000円が一般的です。
④ボトルバック
ボトルを注文してもらったときに発生するものです。
ボトル料金の10~30%が相場です。
⑤ドリンクバック
ドリンクが注文されたときに発生するものです。
1杯につき200~500円がキャストに入ります。
⑥売上バック
キャストの売り上げに応じて発生するものです。
No.1キャストのような売上を作ってくれるキャストにだけ、このバックを渡している店舗が多いです。
売り上げの3~15%が一般的です。
⑦出勤インセンティブ
キャスト一定の出勤時間を超えたときに発生するものです。
例としては、以下を達成した際に付与されます。
- 週5以上
- フル出勤
- 土日出勤
- 正月、GW
- 無遅刻・無欠勤
こちらは、たくさんシフトに入った場合や、他の人が入らない時に働いた場合などに付きます。
バック額は状況に応じて店舗ごとに様々ですが、自店舗で最近遅刻が多いと思ったら無遅刻ボーナスを導入するなど、
店舗の状況に即したインセンティブの導入も有効です。
⑧友人紹介
キャストさんが、自分の友達を新たなキャストさんとしてお店に紹介したときに発生するもので、1万円以上渡している店舗が多いです。
キャストの数を増やしたいときは紹介料を増やしたり、すぐに辞めるキャストが多いときは1ヶ月働いた人だけに渡したりなど、臨機応変に条件が変わることもあります。
⑨賞与
キャストのモチベーションを高める効果から、賞与を採用している店舗が多くあります。
- 指名本数No.1に1万円
- 売上No.1に3万円
などにするとキャストのモチベーションの向上に繋がります。
キャバクラの「ドリンクバック」の相場を店舗向けに解説!効率的な管理方法も
キャバクラの給料システムの「費用」3選
「 ①基本自給 + ②バック - ③費用」
続いて、③の費用について見ていきましょう。
給料から天引きされる費用ですが、主に以下の6つに分かれます。
- 税金
- ヘアメイク代
- 送り代
- 貸しドレス代
- 厚生費
- ペナルティ
それぞれ解説していきます。
①税金
税金とは、源泉徴収のこと。
これはキャストさんが払うべき税金を、代わりに会社がその分の金額を受け取って納付するというものです。
詳しい計算方法は下記の記事で詳しく説明しております。
キャバクラやホスト(水商売)経営が支払う5つの税金を徹底解説
②ヘアメイク代
こちらは、お店専属のヘアメイクさんを使用した場合に、給料から天引きされる費用。
計算を簡単にするために、料金は一律であることが多いです。
ヘアメイク代の計算方法は、以下の記事をご覧ください。
③送り代
こちらは、営業終了後にキャストさんを自宅に送る場合に発生する費用です。
距離によって送り代は変わりますが、一度の送りで500~2000円ぐらいが一般的です。
④貸しドレス代
こちらは、ドレスレンタルにかかる費用です。
無料の店舗も多いですが、有料の場合は費用として引かれます。
しかし、最近では無料が当たり前になってきているため、貸ドレス代を取っている店舗は少ないです。
⑤厚生費
厚生費とは、お店が従業員に対して行ったサービスに関する費用です。
厚生費はお店によって異なり、以下のようなものがあります。
- 一律で10%取る
- 一回の出勤につき1000円
- ヘアメイクや送迎をひっくるめて厚生費とする店舗
厚生費を高くするとキャストの不満に繋がるので、注意してください。
⑥ペナルティー
欠勤、遅刻に対して徴収する費用です。
多くの店舗で高額な罰金を徴収していますが、「罰金」という形で徴収してしまうと、労働基準法に違反してしまいますので、「減給」という形で徴収するようにしましょう。
罰金の禁止や減給額の制限など、キャバクラ経営者が意外と知らない労働基準法の知識は、下記の記事で学ぶことが出来ます。
キャバクラ給料システムの実例
ここまで、「時給」「バック」「費用」の3種について解説しました。
その内容を踏まえ、実際の給料システムの例をご紹介します。
(ある架空のお店の給料システム)
基本時給 | |
本指名売上(円) | 時給(円) |
~10000 | 2000 |
10001~20000 | 2500 |
20001~30000 | 3000 |
30000~ | 3500 |
バック | |
場内指名 | 500 |
ドリンク | 200 |
費用 | |
源泉徴収 | -15% |
厚生費 | -1500 |
遅刻ペナルティ | -1000 |
欠席ペナルティ | -5000 |
賞与 | |
No.1キャスト 売上100万~ | 売上の10% |
その他のキャスト 売上100万~ | 50000 |
- 基本時給:
このお店は売上スライドシステム。つまり本指名のお客が支払った代金によってキャストの成績が変わるシステムを採用しています。 - バック:
このお店では場内指名と、場内指名のお客が注文したドリンクによってバックを払っています。 - 費用:
欠席した場合は多く取っています。キャストのシフト通りの出勤は不可欠のため、ルールしっかり守ってもらえるようにするためです。 - 賞与:
No.1とその他のキャストでボーナスの割合が違います。トップを目指すモチベーションが高まります。
この給料システムの例は、あくまで一例です。
最初に決めた給料システムでキャストのモチベーションが下がってしまっている場合は、その都度お店の給料システムを変えることを検討してみてください。
また、売り上げにはとても貢献しているが給料に不満を持っているキャストには、特別な給料システムを採用するなど、そのお店に合った給料システムにすることが重要です。
キャバ嬢の月収・年収モデル
前述の「売上スライド制」の例を基にすると、キャバ嬢の収入は次のように分類できます。
- 月収20万〜40万円/年収250万〜500万円:
週3〜4出勤・本指名売上が月3万円前後。時給2,000〜3,000円帯が中心で、場内指名・ドリンクバックが月2万円程度。 - 月収50万〜80万円/年収600万〜1,000万円:
週4〜5出勤・本指名売上10〜30万円帯。時給3,000円前後+バックが大きく、ドリンクで歩合が跳ねる。 - 月収100万円超/年収1,200万円〜:
売上30万円超ゾーンで時給3,500円+高額バックを連発。賞与(売上10%)が加わるNo.1クラスは、月200万円も射程圏。
時給は本指名売上で段階的にアップするため、同じ出勤日数・時間でも営業成果で月収が大きく開きます。
バック(場内500円/ドリンク200円)も侮れず、短時間シフトでもバック比率が高いキャストは月収を底上げ可能です。
このように、同じ給料体系でも、働きかた次第で給与は大きく異なります。
給料の計算を効率化するなら「POSレジ」
結論として、水商売で明朗会計を実現するなら、POSレジがおすすめです。
水商売の現場にPOSレジを導入することで、以下のメリットが得られるでしょう。
- 給与やバックの計算が自動で行われる
- キャバクラならではの複雑な給与システムにも対応
- 売上分析など数値管理にも活用できる
結果、給料やバックを間違いなく計算できる上、毎日の締め作業や、税金関連も大幅に効率化することができます。
ただし、POSレジと言ってもピンキリ。
水商売専用のものでないと、業界特有の計算に対応していないので、注意が必要です。
水商売専門POSシステム「TRUST」で給与計算を効率化
そこでおすすめしたいのが、水商売専門のPOSシステムの「TRUST」です!
TRUSTは水商売専門のPOSレジであるため、導入により以下のメリットが得られます。
- 自動で各種バック集計機能
- 水商売特有の指名・延長管理機能
- 会計の明細が出力
- iPad端末で誰でもすぐに操作が可能
毎日の売上管理をはじめキャストへの給料支払い(バックなどを含む)、月間売上なども簡単に集計してくれます。
今では多くの有名店がPOSシステムを活用しています。
他の製品と比較し、iPadで使いやすさに優れていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
最新の水商売専門POSシステム「TRUST」を導入して、他店に差をつけましょう。
まとめ:キャバクラの給料システム
本記事では、キャバクラの給料システムについてご紹介しました。
キャバクラの給料は、以下の3点で構成されます。
- ①基本自給
- ②バック
- ③費用の天引き
それぞれで様々なシステムがあるため、お店にあった給料形態を考えるのは難しいかもしれません。
また、キャストに給与を正確に支払うのも重要ですので、計算を正しく行う必要もあります。
そのため、キャバクラ店舗ではぜひ「POSレジ」を導入し、給料形態を最適化してみてくださいね。