目次
本記事をご覧の方は、以下の疑問をお持ちではありませんか?
- キャバクラで出禁にする基準はどうすればいい?
- 出禁にしても問題がないか法的に確認する方法は?
キャバクラ経営における多くのトラブルの元にもなる「出禁」。
お店側としてもトラブルはできるだけ避けたいものですし、不必要な手間や法的リスクを回避したいというのが本音ではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の内容を解説します。
- キャバクラで出禁を適用する必要性とは?
- キャバクラで出禁にする基準と具体例
- キャバクラで出禁の通知方法とその後の対応
出禁を効果的に運用したいキャバクラ経営者や店長の方は、ぜひ参考にしてみてください。
キャバクラに「出禁」がある理由
キャバクラにおける「出禁」は、お店の秩序を守り、トラブルを未然に防ぐために非常に重要な措置です。
お客さんとお店、そしてキャストやスタッフ全員の安全と安心を確保するために必要不可欠なルールとなっています。
出禁措置が取られる主な理由は以下の通りです。
- 店の秩序を維持する
店舗の運営に支障をきたすため、出禁を適用することでお店の空気を維持します。 - お客様の安心・安全を確保する
他の客やキャストに対して危害を加える恐れのある行為などから、店舗内の安全を守ります。 - 店舗の評判を守る
出禁にすることで、店舗の評判を守り、他のお客様の不安を和らげ、良好なサービス環境を維持します。
これらの理由から、出禁はキャバクラの健全な運営に不可欠な対応です。
出禁を適用することによって、より良いサービスを提供し、お客様全員が安心して楽しめる環境を作ることができます。
キャバクラで出禁が適用されるケース
キャバクラで出禁が適用される主なケースは、以下の通りです。
- 代金の未払い
- 暴力行為
- セクハラ行為
- ストーカー行為
- 他店へのスカウト行為
- ドレスコード違反
- 禁煙エリアでの喫煙
- 迷惑行為
- 違法物の持ち込みや使用
これらのケースでは、店舗の秩序や他のお客様の安全を守るため、出禁処置が行われることがあります。
① 代金の未払い
キャバクラで「代金の未払い」は、非常に深刻な問題です。
代金を支払わないお客さんは、店舗経営に大きな影響を及ぼすだけでなく、他のお客様に不安感を与えることになります。
お店側としては、売掛金の管理を厳密に行い、支払い期限を守らないお客さんには早期に対応することが重要です。
また、出禁にする前に、内容証明郵便や督促状を送るなど、法的手続きを踏むことが推奨されます。
② 暴力行為
キャバクラで「暴力行為」を行うお客さんは、即時に出禁処分の対象となります。
暴力行為は、キャストや他のお客様の安全を脅かし、店舗の信頼性を大きく損なうため、絶対に容認されることはありません。物理的な暴力にとどまらず、威圧的な言動や、脅迫的な行為も含まれます。
暴力行為が発生した場合、スタッフは即座に対応し、場合によっては警察への通報を行う必要があるでしょう。
暴力行為は一度発生すると、店の評判に直結するため、早期に厳格な対応が求められます。
③ セクハラ行為
「セクハラ行為」は、キャバクラにおいて絶対に許されない行為の一つです。
キャバクラでは、キャストとのコミュニケーションを楽しむことが目的であり、身体的または言葉によるセクハラは店舗の運営を危険に晒すことになります。
セクハラ行為を繰り返すお客さんに対しては、出禁処置が適用されるでしょう。
軽い言葉や触れることが含まれることもありますが、度を超えた場合は即座に出禁とすることが重要です。
店舗側は、キャストが安心して働ける環境を作るために、セクハラ行為を見逃さず、強い姿勢で対応しなければなりません。
キャストが不安を感じることで、サービスの質が低下するリスクも避けることができます。
④ ストーカー行為
「ストーカー行為」も、キャバクラにおいて非常に深刻な問題です。
- キャストに対する過剰な接触
- 待ち伏せ
- 無理な連絡など
上記のようなストーカー行為が発生した場合、キャストの心身に多大なストレスを与え、場合によっては出勤を続けられなくなる事態も考えられます。
そのため、出禁措置は迅速に取る必要があるでしょう。
店舗側は、キャストが安心して働けるよう、適切な対応を行う義務があります。
ストーカー行為は法的にも重大な犯罪であるため、早期に対応し、店舗の評判を守りましょう。
⑤ 他店へのスカウト行為
キャバクラで「他店へのスカウト行為」を行うお客さんは、出禁の対象です。
他店にスカウトしようとする行為は、店舗の信頼性を損なうだけでなく、スタッフの流出や士気の低下にも繋がります。
店舗側は他店へのスカウト行為を防ぎ、出禁措置を適切に行うことが求められるでしょう。
⑥ ドレスコード違反
キャバクラには、店内の雰囲気や他のお客様との調和を保つためにドレスコードが設けられています。
ドレスコードを守らないお客さんは、出禁対象となることも。
特に高級店では、以下のような服装が禁止されています。
- タンクトップや短パンなど、露出の多い服装
- ジャージやサンダルなど、カジュアルすぎる服装
- 汚れた服装や不適切な格好
ドレスコードを守らないことは、店舗の品位を損ね、他の顧客にも不快感を与えます。
店舗側は、ドレスコードを守ることで、店のブランドイメージを守り、客層の質を維持することが求められます。
⑦ 禁煙エリアでの喫煙
2020年4月に施行された改正健康増進法により、屋内での喫煙が規制されるようになり、キャバクラにおいても禁煙エリアの管理が徹底されています。
禁煙エリアで喫煙を行うお客さんは、他の顧客やスタッフに不快感を与え、店舗のルールを破ることになります。
そのため、悪質な喫煙行為が発覚した場合は出禁措置を適用することが一般的です。
特に高級店では、全席禁煙の店舗も増えており、喫煙を強要する行為や禁煙エリアでの喫煙が発生すれば、即座に対応が求められます。
店舗側は、法律を守るためにも、厳格にルールを実施しなければなりません。
⑧他のお客様への迷惑行為
キャバクラは、すべての顧客が快適に過ごせる空間であるべきです。
しかし、一部のお客様が迷惑行為を行うと、他の顧客やスタッフに悪影響を及ぼします。
迷惑行為には、以下のようなものがあります。
- 許可なく他のお客様やキャスト、店内を撮影する
- 大声を出して騒ぐ
- 酔っ払って他の客に不快な接触をする
これらの行為が続くと、店の雰囲気が悪化し、他の客が不快に感じてしまいます。
そのため、迷惑行為が発生した場合には早急に対応し、出禁措置を取ることが求められるでしょう。
⑨ 違法物の持ち込みや使用
違法物をキャバクラに持ち込んだり、使用したりすることは、店舗の法的責任を問われる非常に重大な問題です。
違法な薬物や物品が持ち込まれた場合、即座に出禁処置を取るべきでしょう。
違法物が店内で使用されると、店舗は法的な罰則を受ける可能性があり、営業に深刻な影響を与えます。
また、他のお客様やスタッフの安全にも大きな危険が伴うため、このような行為が発覚した場合、店舗は即座に警察に通報することが求められるでしょう。
店舗としては、違法物の持ち込みや使用を防ぐため、事前に十分なチェック体制を敷くことも重要です。
キャバクラの出禁に法的効力はある?
キャバクラにおける「出禁」の法的効力については、店舗側の経営権や契約自由の原則に基づき、一定の法的効力が認められる場合があります。
しかし、出禁処置を実施する際には、いくつかの法律的な注意点を押さえておくことが重要です。
以下では、出禁に関する法的な背景や注意すべき点について解説します。
① 契約自由の原則と出禁
日本の民法における「契約自由の原則」に基づくと、店舗は誰にサービスを提供するか、または提供しないかを自由に選ぶことができます。
このため、キャバクラの店舗側は、自店のルールに反する行動をとるお客様に対してサービス提供を拒否することができ、その結果として出禁措置を講じることが可能です。
- 売掛金の未払い
- 暴力行為
- セクハラ行為
上記のような不適切な行動があった場合、店舗側はそのお客さんにサービスを提供しないという決定を下すことができます。
② 出禁処置の際の注意点
出禁を適用する際、いくつかの法律的な注意点があります。
これらを踏まえて、適切に対応しなければ、後々の法的トラブルに発展する可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
- 出禁理由の正当性:
出禁措置を取る際には、その理由が正当であることが必要 - 事前通知の重要性:
出禁を適用する場合、その理由をお客さんに説明することが望ましい - 証拠の確保:
出禁の理由が後に争われた場合に備え、証拠を確保しておくことが重要
これらの注意点を守ることで、出禁処置を適法に行うことができます。
正当な理由と適切な手続きを踏んで実施することが、法的に問題のない出禁措置に繋がります。
キャバクラで出禁客が来た際にお店ができること
出禁措置を取ったお客さんが再度キャバクラに訪れた場合、店舗側はどのように対応すべきでしょうか。
出禁処置が適切に行われたとしても、その後の対応を誤ると、さらなるトラブルを招く可能性があります。
出禁客が再来店した際にお店ができる対応策について解説します。
① 出禁通知を再度行う
出禁措置を適用したお客さんが再度来店した場合、まずは再度出禁の通知を行うことが重要です。
お客さんには、なぜ再びサービスを提供しないのか、その理由を明確に伝える必要があります。
通知は口頭だけでなく、書面で正式に行うとより効果的。
具体的には、内容証明郵便や書面での出禁通知を行い、その内容が後々法的にも証拠として使えるようにしておくことが望ましいでしょう。
通知を受けたお客さんがその後、反応を示さなかった場合でも、店舗側はその後の対応に備えて記録を残しておくことが必要です。
② 法的措置を検討する
出禁のお客さんが再度来店し、強引に入店しようとする場合、法的措置を取ることが求められる場合もあります。
特に、「建造物侵入罪」や「不退去罪」などが成立する場合が考えられます。
もしお客さんが出禁の決定を無視して再来店を試みる場合、まずはスタッフや店長が冷静に対応し、その後、警察に相談することが必要です。
再来店を強行することが反復される場合、法的手続きを踏むことで店舗側を守ることができます。
③他のお客さんへの配慮を行う
出禁客が再来店した場合、他のお客さんにも影響が及ぶ可能性があるため、その場での迅速な対応が求められます。
出禁措置が取られたお客さんが店内にいることで、他の客が不安に感じたり、店内の雰囲気が悪くなったりすることが考えられます。
そのため、再来店した際には、他のお客さんに対して適切に説明を行い、できるだけ不安を感じさせないように配慮しましょう。
また、店内でのトラブルを防ぐため、スタッフ間で連携し、出禁客への対応を徹底することが重要です。
キャバクラで出禁をした場合のリスク
キャバクラでお客さんに対して出禁措置を取ることは、店舗運営において必要不可欠な場合がありますが、その一方で出禁にすることで生じるリスクも存在します。
出禁処置を取る際には、慎重に判断し、リスクを最小限に抑えることが求められるでしょう。
以下では、キャバクラで出禁をした場合に考えられるリスクについて解説します。
① 顧客からの反発や訴訟リスク
出禁処置を取ったお客さんが反発し、訴訟を起こす可能性があります。
出禁の理由が不明確だったり、不当だと判断された場合、訴訟を通じて店舗側が法的な問題に巻き込まれることもあるでしょう。
特に感情的な理由で出禁にした場合、正当性が問われることがあり、後々法的に争われる可能性があります。
そのため、出禁の決定を行う際には十分な証拠を保持し、理由が正当であることを確認した上で行うことが重要です。
また、事前にお客さんに通知することや、適切な手続きを踏むことで、後の訴訟リスクを軽減することができます。
② 他の顧客への影響
出禁客が常連客だった場合、出禁処置によって他のお客様の反応が変わる可能性もあります。
特に、その出禁客と親しい他の顧客が不満を感じ、今後の来店を控えることも考えられるでしょう。
また、出禁処置が店舗内で知られることで、他のお客様に対して不安感を与える場合もあります。
そのため、出禁客が再来店した際の対応は慎重に行い、他のお客様への影響を最小限に抑えるよう努めることが重要です。
お店の雰囲気や信頼性を守るために、スタッフ間で十分な連携を取りながら対応しましょう。
③ 店舗の評判やブランドイメージの低下
出禁処置が公開されることによって、店舗の評判やブランドイメージに悪影響を及ぼす場合があります。
特に出禁の理由が公に広まると、「店舗がトラブルを抱えている」「店内の管理が甘い」などのイメージが付いてしまう可能性があります。
このような評判の低下は、集客に影響を与え、新規顧客やリピーターの獲得において不利になることがあります。
そのため、出禁処置を取る際には慎重に対応し、可能な限り内部で処理し、外部に情報が漏れないようにすることが大切です。
まとめ
キャバクラ経営では、出禁処置を行うことにより、店舗の秩序を守り、キャストや他のお客さんの安全を確保することができます。
しかし、出禁処置にはいくつかのリスクも伴うため、実施する際には以下のポイントをしっかりと押さえることが重要です。
- 出禁の正当性:
理由が正当でなければ法的トラブルに発展する可能性がある - 事前通知と説明:
お客さんには出禁の理由を事前に説明し、無断で行わないことが重要 - 証拠の保持:
出禁の理由が後に争われた場合に備えて、証拠を確保しておく - リスク管理:
出禁後の反発や訴訟、他のお客さんへの影響、店舗の評判への影響など、リスクを最小限に抑える準備をする
これらを踏まえた出禁措置を行うことで、店舗の信頼性を守り、他のお客さんが安心して楽しめる環境を提供することができます。
キャバクラ経営者や店長の方々は、店舗運営の健全性を保つため、出禁措置を適切に運用し、リスクを最小限に抑えながら、サービスの質向上を目指しましょう。