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キャバクラなどの風俗営業店で未成年の雇用が禁止されているのは皆さんご存知ですよね?しかし、深夜酒類提供営業店では未成年の雇用が可能なのは知っていましたか?
未成年を雇用したいけど確か法律的に規制されているんだよな、なんでなんだろう?と曖昧な知識しか持っていないと損をしてしまいます。ここで一度、雇用する時に気をつけなければいけないことをきちんと把握しておきましょう。
間違った雇用をしてしまうと、逮捕されてしまうことがあります。水商売での未成年の雇用は可能な場合と不可能な場合があり、それぞれ注意点があります。スタッフの質はお店の営業に大きく関わってきますが、問題になれば営業どころではなくなってしまいます。
何が良くて何が行けないのはっきりさせて、自身を持って私のお店は大丈夫と言えるようになりましょう。
未成年(18歳未満)を雇用することはできるのか
結論から言うとキャバクラやホストクラブなどの風俗営業店では未成年の雇用は法的に禁止です。しかし、スナックやガールズバーなどの深夜酒類提供飲食店では制限の中で雇用可能です。それぞれにしっかりと法的根拠、理由があるので何故雇用してはいけないのかしっかりと確認していきましょう。
また、未成年が働きたいがために成人であると装っている場合があります。警察にバレたら、知らないで済まされることはありません。逮捕されてしまいます。そうならないための対策も紹介していきます。
未成年の雇用に関する3つの法律
未成年雇用に関する法律は風営法を含め3つあります。
- 風営法
- 労働基準法
- 児童福祉法
それぞれ規制のポイントや理由が異なります。風営法に引っかからなくても他の法律で摘発されたということもあります。したがって、未成年雇用については風営法だけでなく労働基準法、児童福祉法にも注目して注意する必要があります。では、見ていきましょう。
風営法
風営法はキャバクラやホストクラブの1号許可、ガールズバーやスナックの深夜酒類提供飲食店の手続きをすることになるので風俗営業で1番重要な法律です。その中の22条、風俗営業における禁止事項の欄にこうあります。(未成年に関わる部分のみ抜粋)
5,営業所で午後10時から翌日の日出時までの時間において18歳未満の者を客に客に接する業務に従事させること。
これをみると「接待をさせなければ働かせても大丈夫」ということになります。つまり、キャッシャーやドリンクを運ぶだけなら接待に該当しないためいいのではないか、ということです。
この理論は正しくその通りです。しかし、実際問題キャバクラでキャッシャーだけの人が雇用されると言うのはまずないです。よって、警察は客との接点があるはずだと考えます。つまり、接待はないとしてもそれを証明するのは難しくリスクがあるということです。
労働基準法
労働基準法は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの」という理念をもとに、労働条件を提示した法律です。
深夜業に関する61条にこうあります。
つまり、18歳未満を10時以降に働かせていると違法になります。
また、危険有害業務の就業制限に関する62条にこうあります。
この労働基準法を補うものに「年少者労働基準規則」があり、福祉に有害な場所における業務は何かを説明しています。その中にこうあります。(抜粋)
- 酒席に侍する業務
- 特殊の遊興的接待業における業務
この「酒席に侍する」とはどういうことなのかをみていきます。厚生労働省労働基準局編『労働基準法』では次のように定義がなされています。
侍する:酒席において一般に醸し出される慰安歓楽的雰囲気を維持し盛り上げるため客の傍らまたは近くにいる状態をいう。
これらからわかるように接待飲食店やJKリフレなどでは時間に関係なく働くことが禁止されています。また、酒席に侍する業務というのも曖昧でガールズバーであってもこれに該当する可能性もあります。詳しくは__(接待の記事)で紹介しています。
児童福祉法
児童福祉法は児童に対する精神や教育に関する法で児童に保証される権利を提示しています。
34条の禁止行為にこうあります。(抜粋)
これについてはとても曖昧な記載です。しかし、結局のところは、大人が下心を持ちながら、少女をビジネスに利用してはいけないということです。
最近のJKリフレの摘発は児童福祉法によるものが多いです。
なぜ18歳未満を働かせてはいけないのか
少年少女は心と体のバランスがしっかりと取れていません。また、経験が浅く判断力にも乏しいです。したがって、リスクをあまり考えずに夜の業界に足を踏み入れてしまうということが考えられます。
そのための線引き、保護のために今回紹介したような法律があります。
未成年を雇用しないための対策
キャバクラのキャストの給料は高いです。よって、未成年でもお金のために働きたいと思い、成年であると嘘をついている場合があります。その殆どは偽の身分証によるものです。
したがって、未成年と思しき人や少しでも怪しいなと感じた場合は、身分証が本物か徹底的に調べましょう。未成年の雇用で罰せられるのは店側です。くれぐれも軽くみないで採用には慎重になりましょう。
なぜ18歳未満を雇用してしまう店があるのか
相手が18歳未満と知っていいて雇用している場合もあります。もちろん違法なのですが、ではなぜ18歳未満を雇用しているのでしょうか。理由は主に2つあります。
- 客は若い子が好きなので未成年がいると売上が上がるから
- 若いうちから教育をして一流のキャバ嬢に育てたいから
- 18歳未満の女の子が働ける場所で、キャバクラやスナック、ガールズバーは給与が高いから
どちらもお店の都合なのですが、雇われる側も給料が高いので乗ってしまいがちです。しかし、18歳未満の雇用は違法です。警察に摘発されれば逮捕されるので気をつけましょう。
摘発されるとどうなる?
ここまで見てきて未成年の雇用が違法になる理由がわかったと思います。したがって、ここでは実際に摘発されたらどのような罰則を受けるのか紹介していきます。
店への罰則
未成年を雇用して摘発される理由は主に2つあります。
- 深夜(22:00~5:00)の間、働かせた
- 18歳未満に接待の業務をさせた
この二点が基本になります。そして、それぞれの罰則ですが、どちらも同じ上限が定められています。
ただ、摘発されるお店は殆どの場合風俗営業の許可を取っていないことが多いです。その場合は風営法の罰則である
が科せられます。
女の子への罰則
ここで気になるのは摘発された場合、女の子側は罪に問われるのかです。結論から言えば、大抵の場合は「補導」です。18歳未満であることもあり、逮捕されることはほとんどありません。ほとんど、と言うことは逮捕されることもあります。本人が年齢や名前を偽るときのやり方に違法性があった場合です。
いずれにしても、未成年の雇用で逮捕され大きなダメージを受けるのはお店側になってしまいます。
実際にあった摘発例
実際にあった摘発例を幾つか見ていきます。もし、自分のお店がこれらに近い経営をしていたら危険なので一度見直してみてください。
14歳少女雇用のガールズバー摘発
府警によると、両店では中学3年を含む14~17歳の少女5人が時給1200円で勤務していた。店は少女ら従業員が客から1杯千円のドリンクをおごられると、売り上げの3割(300円)を受け取れるシステム。少女らは飲酒を繰り返し、低年齢を売りに路上で客引きもしていたという。
逮捕容疑は9月4日深夜、風俗営業の許可を受けず、両店で18歳未満の少女に客の接待をさせたとしている。
ガールズバー店員、半数が“JK世代” 韓国籍経営者を逮捕
同隊によると、店が雇っている女性従業員約15人のうち、半数が現役高校生を含む15~17歳だったという。鄭容疑者は「若い子のほうがお客さんがよく来てくれるので雇っていた」と容疑を認めている。
逮捕容疑は12日午後10時~10時20分ごろ、店内で16歳の少女2人に18歳未満と知りながら酒の提供など客の接待をさせ、無許可で風俗営業をしたとしている。
摘発例からわかること
いずれも未成年に接待行為をさせていたことが原因で逮捕されています。そもそも、風俗営業の許可がなければ接待行為をしてはいけないのですが、それが未成年となると警察に目をつけられやすいです。
もし、ガールズバーなどの深夜酒類提供飲食店で未成年を雇用するのであれば、接待と思しき行為はくれぐれもさせないように注意しましょう。
まとめ:雇用の際は慎重になろう
ここまで未成年雇用の注意点について紹介してきました。キャストを雇用する際はその子の能力や容姿に目が行きがちですが法律の範囲内で雇用する必要があるのを忘れてはいけません。ここでおさらいをしておきましょう。
- 風俗営業店では未成年を雇用してはいけない
- 深夜酒類提供飲食店では未成年を雇用しても良いが10時以降は働かせてはいけない
上記に気をつけながら採用していきましょう。スナックやガールズバーでは未成年を採用することで売上が伸びたりすることがあります。しかし、働かせていい時間には注意をして、警察の見回りがあっても対応できるようにしておきましょう。
また、キャバクラなどの風俗営業店で年齢を偽ったキャスト希望がいることを忘れないでください。見つかれば、知らなかったでは済まされません。お店の責任になってしまいます。
営業停止にならないためにも法律はしっかりと守りましょう。