目次
集客の1つの手段として水商売業界では当たり前だった客引き(キャッチ)。
しかし、客引きはキャバクラやホスト、ガールズバーなどの業態にかかわらず、法律や条例で違法行為だと禁止されているのをご存じでしたか?
本記事では、客引きやキャッチに関して「どこからが違法でどこまでが合法なのか」を詳しく紹介していきます。
集客を客引き(キャッチ)に頼るオーナーさんも多いかと思いますが、間違った認識のまま客引きをしていると店舗の摘発につながり、最悪の場合は営業停止になってしまいます。
正しい知識を得て、安心して営業できるようにしましょう。
客引きを禁止する2つの法律
そもそもの前提として、客引きを規制する法律は2つあります。
- ・風俗営業法
- ・迷惑防止条例
これらは客引きについての文言が含まれていますので、キャバクラ、ホストクラブだけでなくガールズバーや居酒屋も対象になります。
よって他人事とは思わず、まずはそれぞれの法律についてしっかり押さえておきましょう。
風営法(風俗営業法)
客引き(キャッチ)を禁止する法律1つ目は、「風営法(風俗営業法)」です。
風俗営業法の22条では、
・「当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと」
が禁止行為であると書かれています。
よって、以下のような行為は風営法に反する可能性が高いといえるでしょう。
・公共の場所で、つきまといや立ちふさがりなどを行う
風営法についてより詳しく知りたい方は、
水商売の経営者必見!あなたのお店は風営法違反してませんか?を参考してみてください。
迷惑防止条例
客引き(キャッチ)を禁止する法律2つ目は、「迷惑防止条例」です。
客引きに関して特に注意すべきはこちらの条例であり、平成26年4月1日より改正され、より厳しい内容となっています。
迷惑防止条例の7条の第1項および4項に書かれている禁止行為は以下の通り。
- ・ビラなどの配布や提示によって客を誘引すること
- ・人の身体、衣服をつかむこと
- ・所持品を取り上げること
- ・進路に立ちふさがったり、つきまとうように客引き
これらの行為は違法ですので注意してください。
ここまでの内容を一言でまとめるのであれば、
「公共の場において、通行人をお店に誘ったり、迷惑をかけたりする行為」
は違法になると考えておいたほうが良いでしょう。
要するに、客引き・キャッチは基本的にNGであるということです。
なぜ客引きが違法なの?
ここまで客引き・キャッチに関して禁止されている行為を紹介してきました。
しかし、そもそもなぜ客引きが違法なのでしょうか。
客引きに関しての規制が厳しくなったきっかけは、「ボッタクリやお店とのトラブルがワイドショーやSNSで報道され、人々に周知されたこと」とされています。
人々に周知されたことによって、繁華街自体のイメージを低下させたくないとする人々により条例が改正されたり、私服警官が巡回するという対策が図られたりすることとなったのです。
結果、摘発を恐れるお店が客引きを雇わなくなったといった理由から、客引きの減少につながりました。
以前と大きく違うのは客引きに関する法律や条例が新たにできたこと。
新たにできた法律や条例によって、客引き・キャッチの取り締まりはより厳しくなっているのです。
客引きの定義
客引き・キャッチに関する規制が厳しくなっていると解説してきましたが、いったいどこからが「客引き・キャッチ」として違法になるのでしょうか?
結論から言いますと、客引きとは、相手方を特定して営業所の客になるように勧誘することです。
ここで気を付けなればならないポイントは「営業所の客になるように勧誘すること」です。
つまり、営業所(自分の店)の名前を出したり、強引に入店させようとすると「客引き」したことになってしまいます。
よって、声をかけたりする分には「客引き」ではないので違法ではありません。
とはいうものの、冒頭で解説したように、以下のような行為は違法となってしまいます。
・通行人に迷惑をかける
この2点に該当しないようにお客さんに声をかけるのであれば、法律上は問題ありません。
しかし、それでは集客に繋げるのは難しいですよね。
違法になってしまい、お店が罰せられては元も子もないため、客引き・キャッチによる集客は諦め、別の集客手段を模索したほうが賢明でしょう。
客引きはどんな時にバレるの?客引きがバレるとどうなる?
中には「バレなければいい」として、客引き・キャッチによる集客を継続するオーナーさんもいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、先ほど紹介したように客引きは違法ですし、バレる可能性も高いのでおすすめしません。
・それでは客引きはどういったときにバレてしまうのでしょうか?
・また、実際に客引きがバレるとどのような罪になるのでしょうか?
実際に客引きがバレたケースを紹介していきます。
客引きがバレる!?こんな客引きはやめよう
客引きがバレるケースは、主に以下2つです。
- ・お客さん側から通報
- ・繁華街では地元の組合の人や私服警官が見回り
以前に比べて、「ボッタクリ」という言葉が身近になったことや、客引きについての放送が繁華街に流れるなど、お客さん側のリテラシーも向上しています。
よって、万が一、所持品を取りあげたり、衣服をつかんだり、つきまとって立ちはだかって客引きをしてしまうと摘発される場合も。
また、通報が多い場所では私服警官の見回りが増えることも予想されます。
もし私服警官に見つかった場合は現行犯逮捕されますので注意しましょう。
客引きの摘発における従業員への罰則
客引きやキャッチに関しての罰則は以下の通りです。
罰則 | 違法事項 |
100万円以下の罰金 | ・他人に客引き行為等をさせること |
50万円以下の罰金 又は拘留若しくは科料 | ・客引き行為 ・スカウト行為 ・第1項第1号に該当する誘引行為 ・公安委員会の再発防止命令違反 |
30万円以下の罰金 又は拘留若しくは科料 | ・警察官の中止命令違反 |
また、東京都では客引きが迷惑防止条例7条で禁止されているため、客引きが理由で逮捕された場合、その本人に対して50~100万円ほどの罰金が科せられます。
客引き摘発におけるお店への罰則
客引きがお店の従業員である場合はそのお店が3ヶ月~6ヶ月の営業停止になります。
その期間は利益が出せないので、ほとんどの場合、閉店せざるを得ません。
実際にあった客引きの摘発例
以下は実際の摘発例です。より客引きの規制が厳しくなっていることが分かります。
「常習容疑」による客引き・キャッチの摘発例は全国初の例であり、客引きが本格的に禁止行為という認識になったということが伺えます。
港区で客引き防止条例が施行されました。
港区で客引き防止条例が施行!キャバクラへの影響は?こちらもぜひ参考にしてみてください。
客引きの摘発例から分かること
以上の記事からわかるように、客引きは規制が厳しくなり、全国的に広まっています。
また、現行犯逮捕だけでなく常習容疑で逮捕されてしまう時代になりました。
現行犯でなくとも捕まる事例がありますので、「警察に見つからないように客引きをする」という努力は事実上無駄であるといえるでしょう。
客引き以外のキャバクラ集客方法!?安全かつ効果的に集客を
・「客引きが禁止になったらどうやって集客すればいいの??」
客引きが禁止になるとこのような考えやお悩みを抱える方がいるかと思います。
結論から言いますと、これだけ法律が厳しくなり摘発例も増えている以上、客引きによる集客はこの際スッパリ諦めたほうが得策だといえるでしょう。
そこで、近年キャッチの代わりの集客方法として注目されているのがSNS。
夜の業界の客層はSNSを使っている人が少ないイメージがあるかもしれませんが、SNSの利用者数は右肩上がりで増えており、中年層でもフェイスブックやツイッターを使っている人は多くなっています。
飲み屋から帰る時にスマホでツイッターを開いて、キャバクラの投稿を見て、2次会でキャバクラに行くというお客さんもいます。
SNSの集客は今大注目です!
しかし、SNSにはたくさんの種類がありますし、何を使ったらいいかわからない方は、以下の資料からダウンロードしてください。
【売上アップで確実に収入を上げる!必須の集客法をダウンロード】
- 客単価やリピート率のアップに使えるSNS
- 自主メディアと集客用メディアについて
- facebook・LINE@・Twitter・instagramの違いについて
まとめ:キャッチ・客引きはやめよう!
いかがでしたでしょうか。
今回のまとめは以下の通りです。
・摘発された場合に客引きをしていた本人だけでなくお店側にも罰則がある
・最悪の場合には営業停止になってしまう
以前まで客引きは、直接お客さんを呼び込むという点で有効な手段の一つではありました。
しかし、いまでは法律や条例といった環境や集客方法も昔と比べて変化しています。
いまこそ、その場でお客さんを呼び込むような既存の集客方法だけでなくウェブサイトやSNSを活用する新しい方法を模索していくべきなのではないでしょうか?
すでに、いくつかのキャバクラやホストクラブ、ガールズバーはホームページを作ることによって、お客さんに情報を知ってもらい、来店していただくというサイクルが出来上がっている店舗もあります。
そうしたお店を見習って、客引きに頼らない集客を心がけましょう!
出典:https://www.police.pref.chiba.jp/fuhoka/safe-life_publicspace-trouble.html