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2016年12月、前橋市内のキャバクラにて、従業員の給料袋から現金112万円を着服・横領したとして、経理兼副店長の従業員が逮捕されました。(出典:産経ニュース)
逮捕まで至らなくても、着服・横領というのは、キャバクラを始めとした水商売業界で頻繁に起こっています。
この記事では、不正に悩まされているキャバクラ経営者の方に向けて、以下の内容を解説します。
- キャバクラで起こる横領の手口
- 横領への対策集
キャバクラでの横領の手口とその対策を把握して、横領ゼロの店作りを目指しましょう!
キャバクラで起こる横領・不正の手口4選
それでは実際に、キャバクラで起きている横領の手口を見ていきましょう。
- 伝票の改ざん・削除
- 給料袋から現金を抜く
- 架空キャストの利用
- 備品の転売(主にボトル)
手口だけでなく、横領が起こりやすいお店の特徴も紹介しますので、自分の店舗に当てはまっているなと感じたらすぐに調査することをオススメします。
それぞれ確認していきましょう。
①伝票の改ざん・削除
スタッフが伝票を書き換えることで、簡単に横領ができてしまいます。
例えば、合計金額4万円の伝票があったとします。
レジでは客から4万円をもらっておいて、伝票からはドリンクを何個か減らして合計金額を3万円に改ざん。
これにより、差額の1万円を懐に入れるという手口になります。
より悪質なのは、フリー客(指名なし)の伝票を削除・破棄して、その会計金額全てを横領するという手口です。
これらの手口は、伝票管理がずさんな店舗で発生することが多いです。
②給料袋から現金を抜く
記事冒頭でご紹介した事件と同じ手口です。
こちらは、キャストや黒服の給料袋から現金を抜き取り横領するという手法。
給料システムが複雑で、従業員が自身の給料額を把握できていない店舗で発生することが多いです。
キャバクラの「ドリンクバック」の相場を店舗向けに解説!効率的な管理方法も
③架空キャストの利用
キャバクラでは、体験入店や派遣のキャストが働いていることが頻繁にあります。
そこで、架空のキャストが体験入店や派遣で働いていることにして、そのキャストへの架空の給料を用意し、それを丸ごと自身の給料にするという手口です。
経営者ではなく、従業員がキャスト管理をしている店舗ではよく起こります。
④備品の転売(主にボトル)
店舗で仕入れたボトルを転売業者に転売するという手口です。
そのため、従業員による転売が頻発します。
飲み放題かつ在庫管理を行っていない店舗で起こりやすいです。
キャバクラの横領・不正の対策4選
横領は、気づいたとしても、以下の理由から対処が非常に難しい犯罪です。
- 横領した本人が蒸発することが多い
- 警察や弁護士に相談するのに手間や時間がかかる
- 1人による犯行ではなく、何人もが協力して横領をしていることもある
これらにより、犯人を特定したり、横領での損失を回収したりするのが困難になります。
つまり、横領は未然に防ぐことが一番ということです。
これから紹介する方法を元に、横領や不正が起きない店舗づくりを目指しましょう。
- 抜き打ち調査の実施
- 伝票に通し番号を記入する
- 従業員名簿を用いて管理
- 在庫管理の実施
それぞれ解説していきます。
①抜き打ち調査の実施
一番簡単な対策法であり、横領の種類を問わず有効です。
経営者自ら無告知で店舗に出向き、伝票を改ざんしていないかどうか、架空のキャストが働いていないかどうかなどの調査をしましょう。
調査当日に怪しい動きが無かったとしても、抜き打ち調査をしている日としていない日で利益に差があれば、当日出勤している人に横領の有無を聞くのも有効です。
また、抜き打ちで経営者が調査に来るということ自体が横領への抑止力にもなります。
②伝票に通し番号を記入
伝票に1,2,3,・・・,100と通し番号を振ることで、フリー客の伝票が削除されることを防ぐことができます。
手書きではなく、元から通し番号が振ってある伝票を用いることをオススメします。
ただ、この対策を実施しても伝票の改ざん自体は防げません。
また、営業時に別の伝票を使われると対策ができないので、抜き打ち調査も併用しましょう。
③従業員名簿を用いて管理
架空キャストの利用に対して有効です。
従業員名簿に本人の自筆で個人情報を記入させることで、架空キャストを作られることを防止できます。
顔写真も貼るようにすると、より不正防止効果は高くなるでしょう。
また、従業員名簿は警察の見回りの際にも必要になります。
下記の記事で、従業員名簿の使い方・テンプレートの無料配布もしているので、参考にしてみてください。
従業員名簿は必要!風営法の基準と書き方を紹介します(テンプレートあり!)
④在庫管理の実施
経営者自ら、もしくは在庫管理担当が週~月ごとに在庫管理を行いましょう。
その際に全てのボトルを数えていては大変なので、飲み放題で出さない高いボトルだけを管理するようにしてください。
在庫管理担当を従業員に任せる場合は、その従業員が1番横領を簡単にできる立場にいるということに注意が必要です。
実際のキャバクラの横領・不正ケース
実際のキャバクラの横領・不正の事件例を紹介します。
キャバクラ専用のPOSレジを使用した横領防止策
ここまで、横領の手口とその対策法を見てきましたが、どの手口も巧妙で、なかなか発見するのは難しいです。
これらが起こる根本的な理由は、水商売業界の特殊なシステムにあります。
紙伝票や複雑な会計システムは、経営者からお店の実態を見えにくくさせるのです。
しかし、キャバクラ専用のPOSレジシステム「TRUST」を用いると、伝票の改ざん・削除、給料袋からの現金抜取りを防止することができます。
TRUSTのメリットの一部は、以下の通りです。
- iPadでの伝票管理: 改ざんや削除の防止、通知機能による横領対策。
- 給与の自動計算: 売上に基づき給与を自動計算し、複雑な給与体系に対応。
- 遠隔管理機能: 経営者がどこからでも店舗の状況を確認可能。
「TRUST」は、キャバクラ専用POSレジとして、iPadを活用した伝票管理で不正を防ぎます。
伝票の改ざんや削除が難しくなり、修正がある場合は経営者に通知が届くため、横領対策に効果的です。
売上からキャストの給与を自動で計算する機能もあり、複雑な給与体系に対応しながら経理の不正を防止します。
また、遠隔で店舗の状況を確認できるため、経営者は複数店舗を安心して管理可能です。
初期費用と月額料金はかかりますが、日々の不正リスクを考慮すれば、コストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。
横領やスタッフの不正にお悩みの経営者様は、ぜひTRUSTの詳細をチェックしてみてください。
キャバクラの横領・不正対策に関するよくある質問(Q&A)
キャバクラの横領・不正対策について、よくある質問をまとめました。
Q1. キャバクラで最も多い横領の手口は何ですか?
A. 伝票の改ざん・削除と給料袋からの現金抜取りが最も多い手口です。
特にフリー客の伝票を削除・破棄して会計金額全てを横領する手口は悪質で、伝票管理がずさんな店舗で頻繁に発生します。また、給料システムが複雑で従業員が自身の給料額を把握できていない店舗では、給料袋から現金を抜き取る横領が起こりやすくなります。
Q2. 横領を未然に防ぐための最も効果的な対策は何ですか?
A. 抜き打ち調査の実施が最も効果的で、すべての横領手口に対応できます。
経営者自ら無告知で店舗に出向き、伝票の改ざんや架空キャストの有無を調査することで、不正を早期発見できます。また、抜き打ち調査を行うこと自体が従業員への横領抑止力にもなります。
Q3. 伝票の通し番号だけで横領は完全に防げますか?
A. 完全には防げませんが、フリー客の伝票削除は防ぐことができます。
伝票に通し番号を振ることで、フリー客の伝票が削除されることを防ぐことはできますが、伝票の改ざん自体は防げません。また、営業時に別の伝票を使われると対策ができないので、抜き打ち調査も併用することが重要です。
Q4. 架空キャストによる横領をどうやって見抜けますか?
A. 従業員名簿の徹底管理と定期的な照合が効果的です。
- 本人の自筆による個人情報記入の義務化する
- 顔写真の貼付を必須にする
- 実際の勤務者と名簿の定期的な照合をする
- 体験入店や派遣キャストも必ず記録する
従業員名簿に不備があると架空キャストを作成しやすくなるため、管理を徹底することが重要です。
Q5. ボトルなどの備品転売はどう防げばよいですか?
A. 高額ボトルの在庫管理を定期的に行うことが重要です。
飲み放題で出さない高いボトルだけを管理するようにして、週~月ごとに経営者自ら在庫確認を行いましょう。在庫管理担当を従業員に任せる場合は、その従業員が最も横領しやすい立場にいることを認識し、複数人でのチェック体制を構築することをおすすめします。
Q6. 横領が発覚した場合、どう対処すべきですか?
A. 証拠保全を最優先にし、法的措置の検討が必要。
横領は、以下の理由から対処が非常に困難です。
- 横領した本人が蒸発することが多い
- 警察や弁護士への相談に手間や時間がかかる
- 複数人が協力して横領していることもある
そのため、横領は未然に防ぐことが一番重要です。発覚後の対応よりも、事前の対策に力を入れることをおすすめします。
まとめ:キャバクラでの横領・不正対策
今回は、キャバクラの横領・不正対策について紹介しました。
キャバクラで横領が起きた場合、犯人の特定や横領されたお金の回収は困難です。
再び横領が起きないように、この記事を参考にして事前対策を実施し、横領ゼロの店舗を作りましょう!