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これからガールズバーやキャバクラを開店しようと思っているオーナーさんや、既に店舗を経営しているオーナーさんで、風営法や深夜酒類提供飲食店という区分などイマイチはっきりと理解していない方が多いのではないでしょうか?
またその曖昧さが故に、法律に違反していないか、などで悩んでいませんか?
風俗営業と深夜酒類提供飲食店の違いをはっきりと理解した上で、キャストにどこまで接待をすることを認めていいのか。
その接待の基準を理解できたらオーナーさん自身も安心出来き、キャストの不安を取り除くことも出来たら嬉しいですよね。
今回の記事では
- ガールズバー経営者が知るべき接待に関する風俗営業と深夜酒類提供飲食店の違い
- 接待の定義と基準
- ガールズバーで特に気をつけたい接待行為の例
この3点について理解していきましょう。
ガールズバー経営者が知るべき接待に関する深夜営業許可と風営法の違い
ガールズバーのオーナーさんや、キャストであれば1度は「自分のお店は違法な営業をしていないだろうか」と疑問を抱いたことはありませんか。
ガールズバーを営業する上で重要な法律の1つとして、風営法があることは理解している方が大半だと思います。しかし、風営法をどこまで詳しく理解出来ているかと聞かれた時に、答えに困る方も多いのではないでしょうか。
なぜなら、風営法は理解しづらく、解釈に依存している部分も多いからです。
だからこそ、グレーゾーンという合法なのか違法なのか判断しづらい部分が生まれます。
まずは、風営法の概要を理解していきましょう。
風営法の概要を確認してみよう
風営法の内容を、なんとなく知っていても条文を直接読んで事がある方は少ないのではないでしょうか。
一度条文を確認した上で、更に詳しく理解してみましょう。
風営法の正式名
風営法とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の略です。
風営法の中に出てくる「風俗営業」
風営法の中に度々登場する、「風俗営業」という言葉ですが、風営法の第2条で風俗営業の種類を分けています。表を使って簡単にまとめてみます。
許可の種類 | 第1号許可 | 第2号許可 | 第3号許可 | 第4号許可 | 第5号許可 |
概要 | キャバクラやホストクラブ | ナイトクラブなど | 区画席飲食店 | 麻雀・パチンコ店 | ゲームセンター等 |
以上のように、風俗営業は第1号から第5号に区分されます。
風営法の中に出てくる「酒類提供飲食店営業」
ガールズバーを営業する上で特に関係する言葉として、「酒類提供飲食店営業」が出てきます。
風営法第33条に記載されています。
水商売経営者が気をつけたい風営法の接待とは
風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店のポイントをまとめたものが、下の表になります。
項目 | 営業時間 | 接待 | 許可or届出日数 |
風俗営業許可 | 深夜0時まで | ◯客と一緒に酒を飲む ◯カラオケでデュエット ◯スキンシップ | 55日 |
深夜酒類提供飲食店 | 24時間 | ☓客と一緒に酒を飲む ☓カラオケでデュエット ☓スキンシップ ◯カウンター越しの接客 | 10日 |
この表を頭の片隅に置いてもらいつつ、以降の内容を確認していきましょう。
風俗営業1号許可とは、一体どのようなものか
キャバクラやホストクラブのようなお店のほとんどが風俗営業1号許可という区分に入ります。
この許可が認可されたお店は、お客様と一緒にお酒を乾杯し飲むことも、カラオケでデュエットをすることも出来ます。またダーツやボードゲーム、トランプといったゲーム類も一緒に行うことが出来ます。
手を握ったり、肩に手をかけたりの多少のスキンシップも許されています。
しかし、この許可を取ると営業時間は深夜0時までとなります。
(地域によっては深夜1時まで営業できる地域もあります。特に東京が多く該当します)
この営業時間を超えて営業してしまうと、時間外営業とみなされ、風営法違反になってしまいます。
深夜営業許可とは、一体どのようなものか
ガールズバーやカラオケスナック、ラウンジなどは、深夜酒類提供飲食店という区分の許可を取って営業していることが多いです。
この許可は(厳密には届出)、深夜0時を過ぎてもお酒を提供出来ます。
また朝まで営業するなど、24時間営業を行うことが出来ます。
つまり、最も集客しやすい深夜帯に営業できます。
また、営業の許可が降りるまでに55日間かかる風俗営業許可と違い、届け出を提出してから10日後には営業出来るということで、とても人気です。
しかし、キャストはお客の隣に座ったりすることは24時間できず、カラオケのデュエットやゲームを一緒に行うことも出来ません。
これはバーである特性を生かした、カウンター越しであっても同様です。
深夜酒類提供飲食店でこれらのことをするのは法律違反となってしまいます。
深夜営業許可と風営法は同時に受けられるのか
現状では、どちらか1つを選び申請を行い許可を取得することになります。
キャバクラの開業を軸に、ガールズバーとの違いを説明している記事もありますので、
是非読んでみてください。
参考:
ガールズバーは深夜営業!風営法を理解して正しい経営を
ガールズバーに関係する接待の定義と基準
ここまで風俗営業と深夜酒類提供飲食店を比較してきましたが、ガールズバーに最も関係すると言っても過言ではない風営法における接待行為の定義や基準は存在するのでしょうか。
1つずつ確認してみましょう。
風営法での接待行為の定義
風営法上の接待行為は、
「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」
と定義されています。
歓楽的雰囲気を醸し出すとは、簡単にいえば、スケベ心を煽るということです。
風営法での接待の主体
接待となるのは、キャストが行う行為です。
一方で、客同士でお酒を注ぎ飲むことや、客同士でデュエットをすること、店内にあるゲームボードで客同士が遊ぶことは接待には含まれません。
風営法での接待行為の基準
風営法での接待行為の基準は大きく5つに分けることができます。
談笑・お酌等
特定少数の客の近くに継続して待機し、会話をしたり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たります。
一方で、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、またはカウンター内で客の注文に応じて酒類を提供するだけの行為、及びこれに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たりません。
つまり、ガールズバーではこの後半部分に該当していることになります。
客と従業員によるダンスやショー
特定少数の客にダンスやショーを見せる行為は接待行為に当たります。
しかし、ホテルや宴会場の場合は不特定客ということになるので接待行為には当たりません。
カラオケ等
特定少数に対して、歌うことを勧める行為。また、その客の歌に手拍子をしたり、拍手をしたり、褒めはやす行為、またはデュエットなどの行為は接待に当たります。
一方で、カラオケの準備をするだけだったり、お客が勝手に歌うぶんには接待に該当しません。カラオケスナックなどは、一律には接待行為に該当しないということになります。
ゲーム等
特定少数の客と一緒に、遊戯、ゲーム、協議等を行う行為は接待に当たります。
これに対して、客1人や客同士で遊戯、ゲーム、協議等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとは言えません。
その他(スキンシップ等)
客と身体を密着させたり、手を握る行為は、接待行為に該当します。
ただし、社交儀礼上の握手や酔客の解放のために必要な限度で接触する場合は、接待行為には該当しません。
社交儀礼とは、いわゆる形式上のものです。
一方で、単に飲食物を運搬、または食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待に当たりません。
ガールズバーで特に気をつけたい接待行為の例
ここまで風営法の概要、接待の定義や基準を説明してきました。
しかし、実際ガールズバーで特に気をつけないといけない接待行為はどういったものでしょうか。
それは上記でも挙げた、スキンシップやカラオケではないでしょうか。
カウンター越しであっても、握手をしたりすることは出来ると思いますが、これはスキンシップに当たってしまうため、控えましょう。
また、カラオケの際に、ノリノリになって手拍子をしたり拍手をしたりするのも風営法違反になるためやめましょう。
実際の具体例
では、実際に接待行為として事件となったことはあるのでしょうか。
実際に事件になったことがあります。
ガールズバーの中でキャストに水着を着用させ、カウンター越しに接客を行なったことで風営法違反になりました。
その理由は、「水着で歓楽的な雰囲気をかもして客と会話しており、カウンター越しでも接待にあたる」とのこと。
この場合、特定少数に対しての長時間の接客はしていなかったものの風営法違反となりました。
まとめ:ガールズバーでの接待行為の基準を理解した上で、適用される補助金を上手く使おう
いかがでしたでしょうか。
目標であった
・ガールズバー経営者が知るべき接待に関する風俗営業と深夜酒類提供飲食店の違い
・接待の定義と基準
・ガールズバーで特に気をつけたい接待行為の例
この3点について、十分に理解していただけましたか。
今回の記事は、以上です。
しっかりと法律を理解した上で、利用できる制度はたくさん利用しながら経営を行なっていきましょう。