風営法違反の基準や罰則について解説!あなたのお店は大丈夫?

これまで、摘発もなく営業できているけど、なんとなく違反していないか不安だなあ

このように思うキャバクラやスナックの経営者の方は多いと思います。しかし、一から風営法をチェックするのも面倒だと思い、いままでは大丈夫だったからと考える方がほとんどだと思います。

この記事では、そのような方のために風営法の違反の基準について解説します。
これを読んで、風営法違反の基準を理解しましょう。

そこで、今回は、

  • あなたのお店は大丈夫?確認すべき3つの風営法違反のポイント
  • 風営法を違反していた場合の罰則規定

の2つに分けて解説していきます。それでは早速、風営法違反のポイントを説明します。やや苦手意識を持つ方が多い内容ですが、しっかりと風営法違反の基準を理解し、安心して営業しましょう。

あなたのお店は大丈夫?確認すべき3つの風営法違反ポイント

風営法違反のポイントは以下の3つがあります。

  • お店の営業
  • お店の構造や設備
  • キャストや従業員

風営法の内容は膨大ですが、これらに分けることができます。それぞれ詳しく説明しますので、自分のお店では風営法に違反していないか、対策が取られているかを確認してみてください。

それでは、水商売における風営法違反のポイントを解説していきます。

そもそも風営法とは?

風営法とは、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止することや、風俗営業の健全化や業務の適正化を目的とする法律です。

この風営法はキャバクラやスナックなど、いわゆる水商売の開業や経営において、切っても切り離せない関係にあります。

お店の営業に関する風営法違反

お店の営業に関する風営法違反には

  • 無許可営業
  • 名義貸し
  • 虚偽の風俗営業の許可または相続等の承認

の3つがあります。風営法違反として検挙される事例のうち、大半が無許可営業と名義貸しによるものです。もちろん故意の風営法違反もあります。しかし、無意識的な風営法違反もありますので、しっかりみていきましょう。

無許可営業

風俗営業の許可とは、お店で接待行為を行うために申請をします。接待行為とは、キャストがお客さんの横についたり、カラオケをデュエットするなどの「特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり酒などの飲食物を提供したりする行為」(風営法解釈運用基準より)のことです。

よって風俗営業の許可を取得せずに、接待行為を行っている場合は風営法違反です。これは、キャバクラだけでなくガールズバーやスナックも同様です。そのため、接待行為を行っている場合は、いますぐ風俗営業の許可を取得すべきです

名義貸し

風俗営業の許可の名義は、そのお店の経営者の名義で届け出をすることになっています。よって、黒服やスカウトマンが名前を貸す、いわゆる名義貸しによって許可を取得した場合、風営法第11条に違反していることになります。

また、オーナーの名前で風俗営業の許可を取っていたが、オーナーが転属したため、店長がオーナーを兼任しているといった、名義と現実でお店の経営者が異なる場合も、名義貸しを行っているとみなされます。

虚偽の風俗営業の許可または相続等の承認

風俗営業の許可は名義の変更が出来ません(結婚による姓の変更、法人の商号の変更を除く)。また、風俗営業許可を届け出する際に身分を偽って許可を取得するのも風営法違反です。
よって、他人からお店を引き継いだ方や、身分や経歴を偽って許可を取得した方は、虚偽の風俗営業の許可として営業しているとみなされる可能性があります。

また、父親からお店を引き継ぐ場合は、風営法第7条で「風俗営業者が死亡した場合において」とあるため、父親が生存しているときに経営を引き継いだ場合は風営法違反です。
そして、父親の死後、お店を引き継ぐ場合は同7条で「被相続人の死亡後六十日以内に公安委員会に申請して」とあるため、申請を行わずに営業を続けている場合は風営法違反になります。

お店の構造や設備に関する風営法違反

「ここのライトを外したら、お店の雰囲気が良くなるなあ」
「カギつけてるけど、バレないように申請しよう」

こうした事に気づいたとしても、勝手に設備を変えると風営法違反になってしまいます。
思わぬところで風営法違反にならないように確認しましょう。

無届の営業所の構造や設備の変更

風俗営業者は届け出をせずに営業所の構造や設備の変更はできません(特例風俗営業者を除く)。風俗営業の許可は、風営法で規定された面積や壁の基準をしっかりと理解しましょう。よって、届け出をせずに個室にカギを取り付けたり、照度を暗くすると風営法違反です。

虚偽の営業所の構造や設備の承認

風営法の基準を満たしていないにも関わらず、設備を偽って風俗営業の許可を取得した場合も風営法違反です。よって、照明をツマミで操作するスライダックスを壁に埋め込んで、風俗営業の許可を取得すると風営法違反です。

キャストや従業員に関する風営法違反

キャストや従業員の採用といった業務は売上を気にするあまり、管理がなあなあになりがちです。そうした、あやふやなキャスト管理が風営法違反になってしまいます。そうならないように、キャストや従業員に関する風営法違反について解説していきます。

しっかり理解し、安心して営業しましょう。

客引き行為

お店が客引きを行う、または客引き行為を利用して入店させる行為は、風営法第22条で禁止されています。風営法や各都道府県の条例によって規定されている客引き行為の基準も確認すべきです。

18歳未満の入店・業務

18歳未満の従業員が接待行為を行うこと、または18歳未満を入店させることは風営法22条で禁止されています。
18歳未満を雇いたい場合は、接待行為をさせないでキャバクラで雇う方法もあります。

従業員名簿の備付を忘れた

警察の見回りや立ち入り後の署へ同行の際に、従業員名簿の提示を求められる場合があります。その時に慌てて準備することのないように、風営法における従業員名簿の書き方は理解しておきましょう。

外国人従業員の身分確認を怠った

外国人をキャストとして雇っている場合、風俗営業店で就労できるビザを所持しているかどうか確認される、もしくはそのビザの提示を求められる場合があります。
そうならないために、外国人をキャストとして雇う際の注意点を理解しておきましょう。

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風営法を違反していた場合の罰則規定

風営法を違反していた場合、大きく分けて

  • 刑事処分
  • 行政処分

の2つの罰則がお店の経営者に科せられます。片方だけの場合もありますが、悪質な場合は刑事処分と行政処分の両方が科されます。どちらの処分を受けたとしても、経営に大きな打撃を与えます。しっかり理解しましょう。

まずは、刑事処分について解説していきます。

刑事処分

刑事処分とは懲役刑や罰金刑を科す処分のことです。風営法違反の場合は、悪質性の高い行為にのみ下されます。

風営法違反での刑事処分で最も重い量刑が適用されるのは、以下の4つです。

  • 無許可で風俗営業を営んだ場合
  • 偽りその他不正な手段によって風俗営業の許可又は相続等の承認を受けた場合
  • 名義貸し
  • 風俗営業の許可の取消又は営業の停止の処分等に違反した場合

この行為が摘発されると「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」または、懲役と罰金の両方が科されます。刑事処分を受けてしまうと大幅な出費となってしまうので、経営に甚大な被害が出てしまいます。
また、経営者の方が懲役として刑務所に入った場合、風俗営業許可の再申請が必要になってしまいます。

行政処分

行政処分とは、行政庁(公安委員会)が法律的に行う処分のことです。風営法違反の場合は、行政庁が、営業許可の取消や営業停止命令などの処分を行います。

風営法での行政処分で最も重い量刑が適用されるのは、以下の5つです。

  • 短期間に同じ違法行為を繰り返すなど、行為が悪質な場合
  • 指導や警告を無視し、指示処分では改善の見込みがない場合
  • 指示処分の期間中に、当該指示処分には違反していないが、当該指示処分の処分事由にか かる法令違反行為と同種の法令違反行為をおこなった場合
  • 罰則の適用がある法令の違反で検挙され、起訴相当で送検された場合
  • 短期20日以上の量定に相当する処分事由にあたる違反行為の場合

これらの理由で摘発されると「営業許可取り消し」となってしまいます。営業許可を取り消されると、お店の撤退を余儀なくされます。

また、短期間の営業停止命令を受けて営業できなかった場合でも、家賃やキャストを引き止めるための人件費はかかってしまうため、いずれにせよ経営に被害が出てしまいます。

実際の摘発例

刑事処分と行政処分に関して理解したところで、実際の摘発例を見ていきましょう。
以下の2つの例は、刑事処分と行政処分がどちらも科された事例です。

風営法の違反は、罪の意識はなかった、知らなかったでは済まされません。事実関係で風営法に違反していたかどうかで、量刑が決まってしまいます。摘発例を確認して風営法違反の危険度をしっかり認識しましょう。

無許可営業・名義貸しで経営者6人逮捕

2017年5月に、静岡県内の社交飲食店4店を風俗営業の許可を受けないで営業した疑いで2人が逮捕されました。

また、実際には会社が経営していたにも関わらず、各店で働いていた従業員が自分の名前で経営させる名義貸しを行った疑いで逮捕されました。

県内では、実際の経営者が責任追及を逃れて名義人や店の屋号を変えて営業を再開するケースが多発していました。今回は、半年かけた捜査で裏付けを進めたとのことです。

スナック経営者の女性が無許可での接待行為で逮捕

2017年2月に、兵庫県神戸市で無許可で接待行為を行ったとしてスナックを開業して3年目の経営者の女性が逮捕されました。

このスナックでは、おしぼりの手渡し、カラオケの勧奨やカラオケのデュエットなどのいわゆる接待行為を行っていました。しかし、女性は開業にあたっては保健所の許可を取っただけで風営法の存在や許可の必要性については認識がありませんでした。

女性は、スナックの営業中に逮捕され21日間勾留された後、50万円の罰金や営業停止処分を受けました。
スナック経営者の女性が無許可での接待行為で逮捕

キャスト管理ができるPOSシステム

解説したように、風営法違反にならないように気をつけることは重要ですが、気をつけるだけで問題は解決できるでしょうか?
いくら気をつけていても、キャストやお店のことを考える時間を確保できていなければ、足元をすくわれてしまいます。

というのも、キャバクラの店長の仕事は膨大で日報作成などの「やらなきゃいけない仕事」をするうちに、キャストや黒服の教育といった「お店のための仕事」を後回しにしがちだからです。

POSシステムを導入すれば、以下の仕事を効率化短時間化することができます。

  • 業務効率化
  • 給与計算
  • キャスト管理
  • 不正防止
  • 売上向上
  • 雰囲気演出

上記の仕事を効率化短時間化することができれば、キャストや黒服の教育といったお店のための仕事も実行することができます。

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まとめ:風営法違反の基準を理解し、安心して営業しよう

風営法と一口に言っても、風俗営業の許可から罰則規定まで内容は多岐に渡ります。そうした内容を細かい事例も含めて把握して、判断するのは困難です。

しかし、最近は風俗営業の許可が必要な接待行為の定義が厳格化してきました。それによって、以前は、対面での接客は接待行為に当たらないというイメージがあったスナックやガールズバーでも、風俗営業の許可を取る必要が出てきました。

キャバクラで風営法に違反しないことは、継続的な店舗経営を行う上では重要なポイントです。摘発例からもわかるように、風営法に違反して逮捕される、または営業停止になることは経営がうまく回らずに潰れてしまうことに繋がります。

そうならないために、風営法違反の基準を理解して、安心して営業できるようにしましょう。




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