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キャバクラの経営を開始してから、今までは経験と直感に頼って経営を行なってきたオーナーさんはいないでしょうか?
これからもっとスマートに数字を利用して経営戦略を立てていきたいと思いつつも、難しそうでどこから手を出せば良いのか分からず、悩んでいませんか?
少しでも数字を使って、利益をより目に見える形で管理し、より経営戦略をスマートに立てられたら理想ではないでしょうか。
今回の記事では、数字を利用した経営術の中の1つである利益率を中心に話を進めていきたいと思います。
目標としては、
- 利益率の大枠を理解
- キャバクラの経営にとって利益率の重要性を知る
- どのように利益率を上げるか
という3点を目標として、一緒に進んでいきましょう。
そもそもキャバクラでの利益率とは
冒頭から何度か利用している「利益率」とは、聞いたことがあるでしょうか。
この利益率を説明する前に、「利益」について簡単におさらいしたいと思います。
利益と売上の違いとは
ニュースなどで「株式会社○○が過去最高益を更新」といったことが連日報道されていると思います。これらは「売上」ではなく、最終的な儲けである「利益」のことです。
利益とは会社にとっては、儲けであり、売上から費用を引いた金額が利益になります。
つまり、売上が多くて費用が小さければ利益は大きくなりますし、反対に売上より費用が多い場合は、利益の反対である「損失」が大きくなってしまいます。
式で簡単にまとめると
利益=売上-費用
となります。
利益から利益率は導くことができる
会社がどの程度儲かっているかを示す指標の1つが「利益率」です。
利益率の計算方法は、
利益率=利益÷売上×100
で計算できます。
そのため、利益率を計算するためには利益を計算する必要がありました。
次に具体例を通して利益率を計算してみましょう
利益率の計算方法
ここまでを簡単に振り返りたいと思います。
①利益=売上ー費用
②利益率=利益÷売上×100
この2つが重要な数式でした。
これらを利用して2つの例題を通して計算方法を理解していきましょう。
キャバクラでのドリンクの簡単な例
ここでは、キャバクラでのドリンクの利益率を考えていきます。
ドリンクを原価100円で仕入れて、1000円で販売したとします。
キャストのバックなど余計なことは考えずに、モデルを単純化した上で計算していきましょう。
まず①利益=売上-費用を利用して、
900 = 1000 – 100
と計算できます。つまり利益は900円です。
次に②利益率=利益÷売上×100を利用することによって
90 = 900 ÷ 1000 ×100
と計算できます。
つまりこの例題の場合、利益率は90%と計算できます。
ドリンクは非常に利益率が高い商品になります。
キャバクラでの店舗全体の利益率の計算例
次に店舗全体での利益率を考えていきます。
項目 | 売上高 | 材料費 | 人件費 | 家賃 | 水道光熱費 | 広告宣伝費 | 営業利益 |
金額 | 1000万円 | 100万円 | 600万円 | 50万円 | 5万円 | 45万円 | 200万円 |
比率 | 100% | 10% | 60% | 5% | 0.50% | 4.50% | 20% |
上記の表を元に話を進めていきましょう。
ここでは、利益をもう少し狭めて「営業利益」とします。
「営業利益」とは、>「売上-原価-経費」と定義できます。
利益率は上の②利益率=利益÷売上×100と同じ計算方法です。
上記の表の数字を利用して、同様に計算していくと、
営業利益:1000万円-100万円-600万円-50万円-5万円-45万円=200万円
営業利益率:200万円÷1000万円×100=20%
営業利益は200万円と計算でき、
利益率は20%と計算できました。
キャバクラでの理想的な利益率は
では利益と利益率の計算方法は理解していただけたと思います。
次に気になるのは、キャバクラ経営において理想的な利益率はどの程度だろうかということです。
結論から述べますと、約20%程度だと考えられています。
あれ?上で出した計算も20%だったはず、と思った方もいらっしゃると思います。
上の表は理想的な営業利益率を出せる1つの例だと思っていただければ幸いです。
その店舗や、地域によって利益や利益率は大きく異なるため、その地域性や自分の店舗でどの程度利益を出すのか、などは色々と試行錯誤して見てください。
キャバクラ経営では利益率による赤字ラインが重要
ここまでで理想的なキャバクラ経営の利益率は理解できたと思いますが、キャバクラの経営で重要なもう1つの指標があります。
それは利益率による赤字ラインの存在です。
この赤字ラインとは、難しい言葉で言えば「損益分岐点」と呼ばれるものです。
赤字ラインとは
このラインを下回ってしまうと赤字になり、お店の維持が難しくなってしまいます。そのため、この赤字ラインを最低目標に設定して死守しましょう。
赤字ラインを知るためには、いくつかのステップを踏んだ上で計算する必要があります。
固定費と変動費の違い
まずは言葉の説明をしたいと思います。
経営を行う上で重要な2つの言葉あります。
それは、「固定費」と「変動費」です。
「固定費」とは売上の上下に関係なく、固定的にかかる費用で、家賃や社員の人件費などの経費です。簡易的に変動費以外のものを全て固定費として計算しても良いでしょう。
「変動費」とは売上額に連動して変動する費用なので、売上に対する比率で考える必要があります。
計算式は「変動費率 = 変動費 ÷ 売上 × 100」です。キャバクラの場合は、ドリンク代などがこれに当てはまります。
固定費=赤字ラインになる
売上から変動費を引いた数値が「限界利益」となります。
「限界利益」とは売上が1単位増加することによって増える利益のことです。
この限界利益=固定費となるラインが赤字ラインとなります。
限界利益や赤字ライン(損益分岐点)についてより詳しく知りたい方は、次で紹介するページを参考にしてみてください。
赤字ラインを算出してみよう
赤字ラインの売上=固定費÷(1-変動費率)で計算できます。
この(1-変動費率)は限界利益率を意味します。
また、変動費率は、変動費÷売上高で割り出すことができます。
例えば、1杯当たりの売上高が1000円のドリンクを販売する場合、その商品の変動費が50円だったとします。この商品を販売するために1ヶ月で200万円の固定費がかかっている場合の赤字ラインの売上を求めてみましょう。
赤字ラインの売上=固定費÷(1-変動費÷売上高)
赤字ラインの売上=200万円÷(1-50円÷1000円)
=約211万円
よって、赤字ラインの売上は211万円になります。
キャバクラで利益率を高めるために知っておきたいこと
店舗経営では営業利益を重要視します。営業利益から銀行への金利などの営業外損益も含めて計算した利益を経常利益と言いますが、これはお店の努力では何ともならない場合もあります。
そこで営業利益を上げるためには、2つの方法があります。
どちらかの場合もありますし、どちらも必要な場合もあります。
それは、
①売上を増やす
②費用を減らす
この2つに限られます。
売上を増やす方法
売上を増やす(客単価を上げる)のはわかりやすいでしょう。
原価を下げるのは、仕入れの原材料費を下げるということです。
客数を増やすまたは原材料の消費(ロス)を減らすことも考えられます。
しかし客数を増やしたり、原材料を調整するのは、ある程度時間が必要になりますし、キャバクラの場合ドリンクが中心の場合、これ以上消費量が少ないメニューを考えることは難しいです。
「FLコスト」という原材料+人件費の比率で損益構造を考えるというコスト概念があります。
通常は「FLコスト」比率が売上の50ー55%というのが理想と言われています。
より良いキャストを揃えることや、サービスの質を上げることによって客数を増やせば仕入れ額は上がっていきます。客単価も上げる努力をしているとともに、人件費も無駄を省きながら効率のいいオペレーションを組むことが大事です。
客単価を増やす方法は、単純に言えば値上げすることです。
客離れを起こさないためにも、メニューやイベント、季節ごとの演出、接客によるお勧めなどの全体的な施策が必要になります。
よく言われる話として、たくさん売るには値下げをしないといけないと考えがちですが、値下げした商品ばかりが売れてしまった場合、客単価を取り戻すのはとても難しくなります。
想像してみてください。
あるお店がよくイベントセールや期間セールなどで値引きを定期的に行なっている場合、その時期狙いのお客様が増えてしまい、通常価格の時期の客離れが生じてしまう原因にもなりかねません。想定する客単価を設定したら、施策をよく考えて実行していきましょう!
費用を減らす方法
そもそも固定費が決まるタイミングはいつでしょうか。
実は開業時にお店の家賃・広さによって配置するスタッフの人数(=人件費)、水道光熱費はある程度決定します。よって、出店場所は慎重に選ぶ必要があります。
キャストの出勤シフトは、前月比、前年同月比、平日か休日か休日前日かなどを考慮して、出勤してもらう日、時間を細かく指定するようにすることで、売上に応じた変動費として扱うことができます。
ドリンクなどの原価のコントロールも重要です。
計算式から粗利率が上がれば(原価が下がれば)赤字ラインは下がります。
原材料費の高騰や、価格競争に注意して、特に日々発注するものについては仕入れを見直すようにしてみてください。
キャバクラ経営者が知っておきたい売上と利益の管理の仕方
ここまであらゆる数字を使って、数字を利用したスマートな経営戦略への道を歩んできました。
しかし、限られた時間の中で経営戦略を考えるために数字を扱ったり、商品であるキャストとの信頼関係を構築しなければなりません。
また数字を利用した経営戦略を立てるためにはある程度のデータが必要なため、毎日継続的に計算式を扱い数字を蓄積する必要があります。
だからこそ、毎日の計算がいくらであり、月辺りでどの程度売上を出しているのか、そのうち人件費はどの程度を占めているのかなどを知りたいと思いませんか?
営業時間中に、注文等を紙などで行い、営業時間終了後にそれらをまとめて再計算する。
このような大変な思いをされているオーナーさんはいないでしょうか?
それらの計算を効率化させ、かつデータを蓄積でき、簡単にデータから経営戦略を立てるための材料を得ることができる方法があります。
それはPOSシステム「トラスト」を利用することで実現できます。
POSシステム「トラスト」を利用することにより、毎日の売上管理をはじめキャストへの給料支払い(バックなどを含む)、月間売上なども簡単に集計してくれます。
またどの時間帯の売上が良い、どのキャストが月の中でドリンクバックが多いなど、今までは紙を1枚ずつめくり管理していたものを、瞬時に行うことが出来ます。
まとめ:キャバクラ経営における利益率の重要性
利益率について理解していただけましたでしょうか。
経営戦略を考える上で利益率はとても重要な指標であるとともに、関連して様々な言葉が出てきて理解しづらかった部分もあるかと思われます。
しかし、これらの管理を行うことによって、数字という客観的な結果から経営戦略を立てることが出来ます。
客観的な結果から経営戦略を立てるサポートを行えるのがPOSシステム「トラスト」です。
POSシステム「トラスト」によって導き出された数値から、より改善できる点をたくさん見つけて、利益がより出るような経営戦略を考える事が出来ます。
ぜひPOSシステム「トラスト」の導入も検討してください。
以上で利益率に関しての説明を終わりたいと思います。