水商売で外国人を雇用できる?在留資格別のルールと罰則を解説

目次

外国人キャストの雇用を検討しているけど、風営法的に問題ないか気になっていませんか?

結論から言うと、キャバクラで雇えるのは永住者や日本人の配偶者等など、就労に制限のない「身分に基づく在留資格」を持つ外国人だけです。

留学生や就労ビザの外国人は、黒服や皿洗いであってもキャバクラでは働けません。

ガールズバー・スナックでも、接待とみなされれば同じルールが適用されます。

本記事で解説する内容は以下のとおりです。

※2026年9月時点の法令・制度にもとづく内容です。

在留資格別の雇用可否一覧

キャバクラで雇えるのは身分に基づく在留資格を持つ外国人だけで、留学生や就労ビザの外国人は雇えません。

在留資格ごとの可否をまとめると、以下のとおりです。

在留資格キャバクラ(風俗営業)ガールズバー・スナック(接待なしの深夜酒類提供)
永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・特別永住者○ 雇用可○ 雇用可
留学・家族滞在(資格外活動許可あり)✕ 不可△ 接待なしなら週28時間以内(実務上は非推奨)
技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能実習✕ 不可✕ 不可
興行✕ 接待は不可✕ 不可
短期滞在✕ 不可✕ 不可

表の「△」は雇っても安全という意味ではないため、業態ごとの理由を以下で順に確認していきましょう。

キャバクラでの外国人雇用のルール

キャバクラでの外国人雇用のルール

キャバクラで働けるのは、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者・特別永住者だけです。

キャバクラは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第1号の風俗営業にあたり、過去に外国人女性の人身取引が問題になった業種のため、外国人の雇用にも最も厳しい制限がかかります。

会員制の高級クラブでも大衆的なキャバクラでも、接待をする店であればこのルールは同じです。

①在留カードに「就労制限なし」と書かれていれば雇える

在留カードの「就労制限の有無」欄に「就労制限なし」と書かれていれば、キャバクラでも雇用できます。

これは以下の在留資格が、出入国管理及び難民認定法で日本での身分や地位にもとづいて与えられるもので、仕事の内容に制限がないためです。

業種を問わず働けるため、雇用条件は日本人スタッフと同じです。

②留学生やワーホリはボーイや皿洗いでも働けない

留学生やワーキングホリデーの外国人は、接客をしないボーイや皿洗いであってもキャバクラでは働けません。

留学生・家族滞在者が受ける資格外活動許可では、風俗営業の営業所で働くこと自体が認められていないためです。

技能実習や技術・人文知識・国際業務などの就労ビザも、キャバクラでの仕事は許可の範囲外です。

「接客させないから大丈夫」と考えて、留学生をキッチン担当として雇ってしまうケースがよくあります。

③制限が厳しくなったきっかけは興行ビザの悪用

きっかけは、歌手やダンサー向けの「興行」ビザで来日した外国人女性が、ホステスとして働かされていた問題です。

2004年、日本はアメリカ国務省の人身売買報告書でこの実態を批判されました。

政府は2005年に興行ビザの基準を厳しくし、フィリピンからの興行での入国者は2004年の約8万3千人から2006年には約8,600人と、10分の1近くまで減ったのです。

一覧表に「✕」が多いのは、こうした人身取引を防ぐためです。

外国人キャバクラのキャストの在留資格

フィリピンパブや韓国クラブなど、合法に営業している外国人キャバクラのキャストは、日本人の配偶者等・永住者・定住者など身分に基づく在留資格を持つ人たちです。

興行ビザの厳格化以降、フィリピンパブで働く女性は日本人と結婚した人などが中心になり、キャストの年齢層も上がったといわれています。

一方で、働く資格のない外国人をホステスとして働かせたとして、経営者が逮捕される事件も起きているのが実情です。

摘発につながるほかの違反もあわせて知りたい方は、キャバクラで逮捕される典型的なケースをまとめた以下の記事も参考になります。

キャバクラで逮捕されるケース7選!健全に営業するためのポイントも

ガールズバー・スナックでの外国人雇用のルール

ガールズバー・スナックでの外国人雇用のルール

ガールズバー・スナックでも、留学生や家族滞在者の雇用は実務上避けるべきです。

永住者など身分に基づく在留資格を持つ外国人であれば、接待をしない深夜酒類提供飲食店で問題なく雇用できます。

カウンター越しに接客するガールズバーも、客の隣に座ることがあるスナックも、問題になるのは「接待をしているかどうか」の一点です。

①接待がなければ週28時間以内で働ける余地はある

接待を一切しない深夜酒類提供飲食店であれば、留学生・家族滞在者も週28時間以内で働ける余地があります。

資格外活動許可で禁止されているのは風俗営業などの営業所での就労で、深夜酒類提供飲食店は含まれていないためです。

②隣に座る・談笑の相手になると接待にあたる

客の隣に座る、特定の客と継続して談笑するといった行為は接待にあたり、その時点で留学生の就労は違法になります。

実務上ガールズバー・スナックで留学生を雇うべきでない理由は、以下のとおり。

失敗しやすいのが、留学生をカウンターに立たせたまま、常連客の話し相手を長時間任せてしまうケースです。

③週28時間は掛け持ち先との合計で数える

週28時間の上限は、掛け持ち先を含めたすべての勤務時間の合計で数えます。

1つの店では28時間以内でも、ほかのアルバイトと合わせて超えれば違反になるためです。

留学生は教育機関の長期休業期間に限り1日8時間まで働けますが、それ以外の期間は週28時間が上限です(出入国在留管理庁「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について)。

雇う前に他での勤務状況を本人に確認し、シフトを組むときも合計時間を管理しましょう。

雇用前に必要な在留カードの確認方法

雇う前に在留カードの原本で「在留資格」「在留期間」「就労制限の有無」を確認し、読取アプリで偽造でないかをチェックします。

入管法第73条の2では、在留カードを確認していないなどの過失があれば、不法就労と知らなくても処罰の対象になると定められているためです。

①在留カードは「在留資格」「在留期間」「就労制限」を見る

在留カードは、表面の在留資格・在留期間・就労制限の有無と、裏面の資格外活動許可欄を必ず確認します。

キャバクラなどの接待飲食店とガールズバーなどの深夜酒類提供飲食店では、風営法第36条の2で、客に接する業務に就く外国人の在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無を確認することが義務付けられています。

よくある失敗は、コピーだけを受け取って原本を見ないまま働かせてしまうことです。

②偽造カードは読取アプリと失効情報照会で見抜く

偽造の在留カードは、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」で見抜けます。

アプリでICチップの情報を読み取ると、券面の内容と一致しているかを照合できるためです。

2025年11月からはアプリ内で失効情報照会も利用できるので、カードが失効していないかもあわせて確認しておきましょう。

③確認の記録と在留カードの写しを名簿と一緒に保存する

外国人を雇ったら、在留資格などを確認した記録と在留カードの写しを、従業者名簿と一緒に保存するのがルールです。

従業者名簿は体験入店や業務委託のキャストも含めて作成し、従業者でなくなった日から3年間保存します。

従業者名簿の記載項目をテンプレートで確認しながら作りたい方は、以下の記事が役立ちます。

【テンプレあり】風営法での従業員名簿の書き方は?罰則を受けないための管理方法

外国人雇用で必要な届出義務

外国人を雇い入れたときと離職したときは、特別永住者と「外交」「公用」の在留資格を除き、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」をしなければなりません。

国が外国人労働者の雇用状況を把握し、不法就労を防ぐための制度で、永住者や日本人の配偶者等も対象です。

届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。

①雇用保険に入るかどうかで届出の期限が変わる

届出の期限は、雇用保険の被保険者になる場合は雇い入れの翌月10日まで、ならない場合は翌月末日までです。

方法と期限をまとめると、以下のとおりです。

区分届出方法雇い入れ時の期限離職時の期限
雇用保険の被保険者になる資格取得届・資格喪失届で兼ねる翌月10日まで離職日の翌日から10日以内
雇用保険の被保険者にならない外国人雇用状況届出書(様式第3号)翌月末日まで翌月末日まで

様式は厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」についてからダウンロード可能です。

②業務委託のキャストでも在留資格の制限は同じ

業務委託契約のキャストは届出の対象外ですが、在留資格の制限は雇用契約と同じようにかかります。

外国人雇用状況の届出は雇用契約を結んだ労働者が対象である一方、入管法上は業務委託でも報酬を受ける活動は就労にあたるためです。

③社会保険は日本人と同じ基準で加入させる

外国人スタッフの社会保険の加入要件は、日本人と同じ基準で判断されます。

外国人の違法雇用のリスク・処罰

外国人を違法に雇うと、不法就労助長罪の刑事罰に加えて、風営法の許可取消や届出違反の罰金を受ける可能性があります。

主な罰則は以下のとおりです。

違反の内容罰則・処分
不法就労助長罪(入管法第73条の2)3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方。2027年4月1日から5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)に引き上げ予定
風営法の欠格事由(第4条第1項第2号)罰金刑以上に処せられると、刑の執行を終えた日などから5年間は風俗営業の許可を受けられない。すでに受けている許可も取消しの対象(第8条)
風営法の行政処分(第26条)許可の取消し、または6か月以内の営業停止
外国人雇用状況の届出違反30万円以下の罰金
不法就労した外国人本人刑事罰や退去強制の対象になり得る

①不法就労助長罪は2027年4月から5年以下に引き上げ

不法就労助長罪の罰則は、現在は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です(警視庁「外国人の適正雇用について」)。

法人にも罰金刑が科されるほか、2024年に成立した改正入管法により、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)へ引き上げられることが決まっています。

背景にあるのは、外国人労働者の増加にともなう不法就労の広がりです。

②罰金刑でも風営法の許可が5年間取れなくなる

不法就労助長罪で罰金刑以上に処せられると、風営法第4条第1項第2号の欠格事由に該当し、5年間は風俗営業の許可を受けられなくなります。

5年の数え始めは、判決の日ではなく刑の執行を終えた日などです。

すでに受けている許可も、第8条による取消しの対象になります。

また、風営法第26条では、営業に関して法令に違反し、風俗環境を害するおそれがあると認められた場合に、許可の取消しや6か月以内の営業停止を命じられると定められています。

【2025年改正版】風営法で違反になる行為と罰則は?摘発されないために

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外国人雇用に関するよくある質問

Q1. 留学生を週28時間以内ならキャバクラで働かせられますか?

A. いいえ、時間に関係なく不可です。

Q2. 留学生をガールズバー・スナックで働かせることはできますか?

A. 実務上は避けるべきです。

接待を一切しない深夜酒類提供飲食店なら法律上の余地はありますが、客の隣で談笑の相手をするなど接待とみなされた時点で違法就労になります。

Q3. セクキャバや外国人パブでもルールは同じですか?

A. 同じです。

接待を伴う店や性風俗関連特殊営業の店では、身分に基づく在留資格を持つ外国人以外は働けません。

Q4. 在留カードを「後日持ってくる」と言われたら?

A. 確認できるまでは働かせないでください。

Q5. 在留期間の更新中の外国人は働き続けられますか?

A. 在留期間が切れる前に更新申請をしていれば、結果が出るまで(最長で満了日から2か月)は、それまでの在留資格で働けます。

ただし、在留期間が30日以下の人は対象外です。

Q6. 業務委託契約のキャストなら在留資格は関係ないですか?

A. いいえ、業務委託でも在留資格の制限は同じです。

業務委託でも報酬を受け取る活動は就労にあたるため、雇用契約と同じく在留資格の制限を受けます。

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まとめ

外国人を水商売で雇えるかは、在留資格と業態の組み合わせで決まります。

キャバクラは身分に基づく在留資格の外国人だけ、ガールズバー・スナックも留学生などは実務上避けるのが基本です。

風営法と入管法の両方がかかわるため、確認を怠ったときのリスクが大きいのも事実になります。

未成年の雇用など、ほかの採用トラブルもあわせて防ぎたい方は以下の記事も参考にしてください。




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