キャバクラで労働基準法守れてますか?よくある違反6選

キャバクラを経営している方にお聞きします。

  • 遅刻や無断欠勤をしたキャストには罰金を課している
  • 時給は15分単位でつけている
  • 深夜給は特に設けていない

どれかに心当たりはありませんか?

これら全てが労働基準法違反となります。

この記事では、すでにキャバクラを経営している方、これから経営する方に向けて、

  • 労働基準法とは
  • 労働基準法を違反すると何が起きるのか
  • 起こりがちな違反行為
  • 違反行為をしないための対策

以上4点について詳しく紹介していきます。

キャバクラにおける労働基準法とは?

労働基準法とは、日本全国の労働者を守るために、給料や労働条件等の最低条件を定めた法律です。

注意点は2つあります。

全ての店舗・事務所に適用される

どのような営業形態であろうと労働基準法は適用されます。
つまり、キャバクラを始めとした全ての水商売にも適用されるということです。

雇われている全ての労働者に適用される

正社員として雇っている従業員だけでなく、アルバイトのキャスト・ボーイ体験入店のキャストにも労働基準法は適用されます。

キャバクラ労働基準法違反をするとどうなるのか

一口に労働基準法違反と言っても、違反の重さ、店舗・キャストの対応によって迎える結末は変わってきます。

労働基準法単体で見ると、一番重い刑罰は1~10年の懲役刑になります。
ですが、キャバクラの経営においては懲役刑どころか、
書類送検・起訴されることも基本的にありません。
とはいえ、労働基準法違反は決して軽いものではないです。

経営者・店舗にとってリスクが大きい順に紹介していきますので参考にしてください。

注意:労働基準法は雇用契約を結んでいる労働者を守るための法律です。
個人事業主として契約をしている場合は当てはまりません。
個人事業主と労働者という2つの雇用形態の違いについて詳しく知りたい方には、以下の記事がオススメです。
キャストに労働基準法は適用されるの?キャバクラ2つの雇用形態とは

キャストが弁護士を立て、裁判になる

キャストが労働基準法違反に気づき、店長等に請求を起こしたとします。
その際に、店舗側が強気でキャストを突っぱねてしまうと、
弁護士を立てられて裁判まで持ち込まれることがあります。

弁護士を立てられてしまうと、キャストと話し合うことができなくなるので説得ができません
また、裁判では法的処理が粛々と行われます。
弁護士側はキャストへの未払金や裁判費用を請求してきますが、
労働基準法は労働者を守るための法律ですので、店舗側に勝ち目はありません

キャストが労働基準監督署に告発する

キャストが弁護士ではなく、労働基準監督署に相談する場合もあります。
こうなった場合、労働基準監督署から是正勧告が来ます。
是正勧告通りに未払い分を支払えば、罰則は適用されませんので素直に支払うようにしましょう。

また、匿名で告発されることもあります。
告発したキャストを探し出して、解雇することも労働基準法違反となりますので、注意しましょう。

キャストと店舗側で直接示談する

示談に持ち込むことが店側にとって、最もリスクの小さい方法です。
キャストから労働基準法違反の話を出されたら、弁護士や労働基準監督署に相談される前に未払い分を払いましょう
遺恨を残さないようにすることが大事です。

キャバクラでよくある労働基準法違反6選と対策方法

次に、キャバクラで知らないうちについつい違反してしまってるようなルールを紹介していきます。

違反になりそうなルールに心当たりはあっても、キャスト側も同意して働いているから問題ないと、油断していませんか?
労働基準法は「強行法規」といって、両者の同意の上で契約が結ばれていたとしても、労働基準法に違反していれば問答無用で無効になります。

違反しないための対策方法も紹介していますので、自店舗の状況と照らし合わせながら御覧ください。

欠勤や遅刻に対する罰金

労働基準法では、労働者に対する罰金そのものが禁止されています。
なので、現金であろうが給料からの天引きであろうが労働基準法違反となります。

一応「減給」という形であれば可能ですが、
1回の減給は平均日給の半額以下」、「1ヶ月の減給は月給の10分の1以下」と決められています。
減給という形を取ったとしても、「無断欠勤は5万円の減給」という形をは取れないということになります。

ただ、欠勤や遅刻は店舗からすると売上に大きく関わる迷惑行為です。
法律違反しない形で、これらの迷惑行為を咎めるとすれば、
無遅刻・無欠勤のキャストに多くの給料を渡す制度に変えることが考えられます。

15分、30分単位で時給計算をしている

21:00出勤予定のキャストが21:05に出勤してきたとします。
この時に始まりを21:30として25分を切り捨てることは違反となります。

以下の場合は違反になりません。

  • 1分単位で計算をしている
  • 月ごとに、締め日までの※合計勤務時間の端数が30分未満の場合切り捨てる(30分以上の場合切り上げないといけません)

※時間外労働、休日労働および深夜労働業の勤務時間の合計になります。それ以外の勤務時間は端数処理が認められていません。
また、雇用契約書に遅刻早退欠勤に対して減給をすると明記している場合は、
「1回の減給は平均日給の半額以下」、「1ヶ月の減給は月給の10分の1以下」の範囲であれば減給をすることが可能です。

時給計算を15分未満切り捨てから1分ごとに変えた企業で、
「15分行かないと切り捨てられるからそれまでダラダラしよう」と考える人が減ったことにより、結果的に人件費が減ったという事例もあります。

深夜給を設けていない

キャストの時給が3000円、21時から24時まで働いたとします。
この場合、22~24時までの2時間は深夜給となり、25%UPの3750円を支払わなくてはなりません。
告発をされた場合、過去の未払い分も合わせて払わなくてはなりません。

対策としては、そもそもの時給を深夜給を前提に下げて、
雇用契約書や給与明細に深夜給を明記しておくことが考えられます。

着替え時間を勤務時間に入れていない

勤務時に制服着用義務があり、制服を店舗に置くことを義務付けているところは要注意です。
「着替えを所定の場所でしないといけない」としている場合は、
着替えている時間が労働時間となります。

制服に着替える場所を自由にすれば、労働時間とはなりません。

急な解雇・辞めることを許さない

店舗側からキャストを辞めさせる際は、正当な理由を以て30日以上前に解雇予告をする必要があります。
どうしてもすぐに辞めさせたい場合は、平均日給の30日分をキャストに支払う必要があります。

キャスト側から辞めると言われた場合に、2週間以上拘束することも違反になります。
雇用契約書に「退職届は退職日の1ヶ月前までに出すこと」のように明記しておけば、その期間が妥当である場合違反にはなりません。

辞めさせる場合、辞められる場合、双方に有効な対策も紹介します。
それは雇用契約に期間を設けておくことです。

1ヶ月の雇用契約をキャストと結んだ場合を例としましょう。
辞めさせたくなった場合、雇用契約の終了を待てば契約を打ち切ることができます。
ただし、3回以上、もしくは1年以上契約をしている場合は30日以上前の解雇予告が必要になります。

キャストが1ヶ月を待たずして辞めると伝えてきた場合も、1ヶ月間働くことを前提として契約しているので、

  • 店舗側に落ち度がある場合
  • 親族の病気等やむを得ない理由がある場合

を除いて、辞めさせないことが可能です。場合によっては損害賠償を請求できることもあります。

「辞めた場合は近隣店舗で働いてはいけない」という契約

顧客の流出を防ぐために、「辞めた場合、近隣店舗で働くことを禁止する」というような契約をする店舗がありますが、これも労働基準法違反です。

実際にキャストが辞めた際、他店に顧客を持っていかれたとしても損害賠償は成立しない場合がほとんどです。

他店に行きたいと思わせないような店作りをすることが対策と言えます。

給与計算関係で違反をしないためには、効率的な勤怠管理が必須!

ここまで見てきて、
「1分単位での給与計算は面倒」
「深夜給もいちいち計算するのはなあ」
とお考えの経営者の方も多いのではないでしょうか。

トラストタイムズでは水商売経営者の方々のお悩みを解決するために、
新お役立ち資料」ページにて、

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今回はその中から「紙とエクセルで管理するキャバクラ勤怠管理役立ちテンプレート」をご紹介します。
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まとめ:キャバクラのルールは労働基準法違反であることが多い…

いかがだったでしょうか?
本記事のポイントは、

  • 労働基準法を違反すると、キャストが弁護士や労働基準監督署に告発することがある
  • キャスト側を不利にするルールは基本的に労働基準法違反となる
  • 違反行為をしないためには、雇用契約内容を見直すことが重要

以上3点です。

雇用契約内容を見直すことは、店舗からすると損になることもありますが、
訴えられる・是正勧告が来るといった大きなリスクを回避するためにも、
本記事を参考にして違反事項を減らしていきましょう!




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