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「キャバクラ経営を始めたいけど、給料システムについてよくわかっていない」 「すでにキャバクラ経営をしているが、給料の計算に時間がかかる」 というキャバクラ経営者の方は多いのではないでしょうか。 正直に申し上げますと、キャバクラでの給料システムはお店によって様々なパターンがあり、一概にこれが最適だと言うことが出来ません。 人気店の給料システムを真似たとしても、自店舗には合わないことが多いです。 ですが、給料システムの知識をつけておけば、自店舗に合った給料システムを作ることが可能になります。 今回の記事では、キャバクラの給料システムにおける、
- 基本時給の考え方
- バックの種類
- 基本給から引かれるもの(費用)
- 長時間化する給料計算
- 高速で給料を計算するための給料システム運用方法
キャバクラでの基本的な給料システム構成とは
キャバクラの給料システムって色々あってややこしいと感じていませんか。 しかし、基本的な給料システムの構成は同じです! 「 ①基本自給 + ②バック - ③費用 」 まずはこの構造を理解しましょう。キャバクラの基本時給を決める5つの給料システム
「 ①基本自給 + ②バック - ③費用」 まずは①の基本自給について説明していきます。 給料システムは大きく分けて下の5つがあります。- ポイントスライドシステム
- 売上スライドシステム
- 指名スライドシステム
- 固定給
- 小計折半
ポイントスライドシステム
このシステムでは、ポイントによって成績を評価しています。- 本指名
- 場内指名
- 同伴
- ドリンク
付与ポイント | |
本指名 | 2pt |
場内指名 | 1pt |
同伴 | 1pt |
ドリンク | 0.5pt |
基本時給 | |
0pt | 2000円 |
1~5pt | 2500円 |
6~10pt | 3000円 |
11pt~ | 3500円 |
ポイントスライドシステムのメリット・デメリット
このシステムのメリットは、ポイントを操作することで売上をコントロールできる点です。 短期的な利益がほしい月には利益率の高いドリンクやボトルでのポイントを高くします。 するとキャストは自分の給料を上げるために、お客さんにドリンクをおねだりしてくれます。 そして、お店全体として本指名が減ってきたら、本指名のポイントを上げることでキャストは本指名の獲得に力を入れてくれます。 次に、このシステムのデメリットは管理が大変な点です。 キャスト一人一人に対して、ポイントを計算して給料を出すことはミスが出やすい上に面倒な作業になります。 よって現在ではポイントスライドシステムを使う店舗は少なくなってきています。売上スライドシステム
このシステムでは、本指名をいただいた客様の支払いの金額によって成績を評価します。 キャストの評価は本指名のお客さん次第という考え方です。 スライドの幅は、お店の単価によって変わってきますが、 ここでは一例を紹介します。 (例)基本時給 | |
本指名売上(円) | 時給 |
0 | 2000円 |
20000~39999 | 2500円 |
40000~59999 | 2600円 |
60000~79999 | 2700円 |
80000~109999 | 2800円 |
売上スライドシステムのメリット・デメリット
メリットはわかりやすい点です。 キャストにとっても本指名その人の価値というシンプルな考え方で働くことができるため、本指名のお客さんに集中することができます。 さらに、お店にとっても給料の計算がしやすくなります。 デメリットは、本指名がなかなか獲得できないキャストが辞めていく傾向があることです。 意識の高いキャストであれば頑張ってくれますが、意識の低いキャストは長続きしないことがあります。本指名スライドシステム
このシステムでは、キャストがお客様に本指名された数によって成績を評価します。 つまり、どれだけ本指名されたかによって変わるシステムです。 こちらの上記と同じで、本指名がそのキャストの価値という考え方になります。 売上スライドシステムと違う点は、その後の売上は基本的にバックでもらえる点です。 こちらも高級店と一般店では給料のスライドの幅は大きく異なってきます。 (例)基本時給 | |
本指名数(本) | 時給 |
0 | 2000円 |
1~10 | 2500円 |
11~20 | 3000円 |
21~30 | 3500円 |
本指名スライドシステムのメリット・デメリット
メリットはシンプルで考えやすい点です。 特に時給を計算するときに一番簡単に出すことができます。 本指名の本数なので、管理が楽になります。 デメリットはバックが複雑になりやすい点です。 時給のシステムでカバーしきれない分は全てバックで管理するため、給料の管理は大変になる傾向があります。固定給
上記の3つのシステムと違い、基本時給は一定で変わらないシステムです。 こちらの給料システムは新人や体入のキャストに使われることが一般的です。小計折半
小計折半はホストで一般的な給料の考え方です。 面倒なスライドやバックは関係なく、その人が稼いだ売上の半分をもらえるという考え方です。 500万円を稼いだら、半分の250万円が給料としてもらえます。 完全に自分で売上を作ることができるNo.1キャストに使われるシステムです。 この小計折半という給料システムは他の4つとはキャストの雇用形態が違います。 詳しくは「キャストに労働基準法は適用されるの?キャバクラ2つの雇用形態とは」で解説していますので、是非御覧ください。キャバクラの給料システムの鍵になる5つのバック
「 ①基本自給 + ②バック - ③費用」 ②のバックとは、時給と別に発生する給料のことです。 お店によっても異なりますが、基本的なバックは8種類あります。 これらのバックも自分のお店に合ったものを選びましょう。 それではどういったバックがあるのか、そして一般的にはどれくらいのお金をかけるのかを見ていきましょう。本指名バック
お客様がお目当てのキャストを指名していただいたときに発生します。 1本につき、500~1500円にしている店舗が多いです。場内指名バック
お目当てのキャストがいないお客様(フリー客)が、気に入ったキャストを指名したときに発生します。 0~1500円が相場です。同伴バック
お客様と同伴して来店したときに発生します。例えば、お客様と食事をしてそのまま一緒に出勤することです。 確実に来店に繋がるので、高めの3000円が一般的です。ボトルバック
ボトルを注文してもらったときに発生するものです。 ボトル料金の10~30%が相場です。ドリンクバック
ドリンクが注文されたときに発生するものです。 1杯につき200~500円がキャストに入ります。売上バック
キャストの売り上げに応じて発生するものです。 No.1キャストのような売上を作ってくれるキャストにだけこのバックを渡している店舗が多いです。 売り上げの3~15%が一般的です。出勤インセンティブ
一定の出勤時間を超えたときに発生するものです。- 週5以上
- フル出勤
- 土日出勤
- 正月、GW
- 無遅刻・無欠勤
友人紹介
キャストさんが、自分の友達を新たなキャストさんとしてお店に紹介したときに発生するものです。 1万円以上渡している店舗が多いです。 キャストの数を増やしたいときは紹介料を増やす、 すぐに辞めるキャストが多いときは1ヶ月働いた人だけに渡す、 など臨機応変に条件を変えることでキャスト管理を行うことも出来ます。賞与
キャストのモチベーションを高める効果から賞与を採用している店舗が多くあります。- 指名本数No.1に1万円
- 売上No.1に3万円
キャバクラの給料システムで大事な費用
「 ①基本自給 + ②バック - ③費用」 ③の費用はキャストの給料から引かれるものです。 全国どこのキャバクラでも基本的には給料から引かれる費用があります。 費用は大きく分けて- 税金
- 必要経費
- 罰金
税金
税金とは源泉徴収のことです。 これはキャストさんが払うべき税金を、代わりに会社がその分の金額を受け取って納付するというものです。 詳しい計算方法は下記の記事で詳しく説明しております。 キャバクラやホスト(水商売)経営が支払う5つの税金を徹底解説ヘアメイク代
お店専属のヘアメイクさんを使用した場合に給料から天引きされます。 計算を簡単にするために料金は一律にすることをオススメします。 ヘアメイク代の計算方法は以下の記事で詳しく解説しています。 必要不可欠な基礎知識?キャバクラ経営者は知っておきたいヘアメイクの知識送り代
営業終了後にキャストさんを自宅に送る場合に発生するものです。 距離によって送り代は変わりますが、 500~2000円ぐらいが一般的です。貸しドレス代
無料の店舗も多いですが、有料の場合は費用として引かれます。 しかし、最近では無料が当たり前になってきているため、貸ドレス代を取っている店舗は少ないです。厚生費
厚生費はお店によって考え方が様々あります。- 一律で10%取る
- 一回の出勤につき1000円
- ヘアメイクや送迎をひっくるめて厚生費とする店舗
ペナルティー
欠勤、遅刻に対して徴収する費用です。 多くの店舗で高額な罰金を徴収していますが、 「罰金」という形で徴収してしまうと、労働基準法に違反してしまいますので、 「減給」という形で徴収するようにしましょう。 罰金の禁止や減給額の制限など、キャバクラ経営者が意外と知らない労働基準法の知識は下記の記事で学ぶことが出来ます。 キャバクラの遅刻罰金は労働基準法違法!よくある違反6個を紹介キャバクラ給料システムの例
基本的な給料システムもバックも理解したけど、じゃあこれらのシステムをどう組み合わせればいいのだろう? という方もいらっしゃると思うので、下記の例で給料システムの大枠をイメージしていきましょう。 (ある架空のお店の給料システム)基本時給 | |
本指名売上(円) | 時給(円) |
~10000 | 2000 |
10001~20000 | 2500 |
20001~30000 | 3000 |
30000~ | 3500 |
バック | |
場内指名 | 500 |
ドリンク | 200 |
費用 | |
源泉徴収 | -15% |
厚生費 | -1500 |
遅刻ペナルティ | -1000 |
欠席ペナルティ | -5000 |
賞与 | |
No.1キャスト 売上100万~ | 売上の10% |
その他のキャスト 売上100万~ | 50000 |
- 基本時給:このお店は売上スライドシステム。つまり本指名のお客が支払った代金によってキャストの成績が変わるシステムを採用しています。
- バック:このお店では場内指名と場内指名のお客が注文したドリンクによってバックを払っています。キャストが本指名のお客に集中しすぎないように、場内指名のお客様への接客にもモチベーションを持って働いてもらえるようにするためです。
- 費用:特に欠席した場合は多く取っています。キャストのシフト通りの出勤は不可欠のため、ルールしっかり守ってもらえるようにするためです。
- 賞与:No.1とその他のキャストでボーナスの割合が違います。こういった賞与をつけることで、どのキャストにも大きな目標に向かってモチベーション高く持って働いてもらうことが狙えます。
高速で給料を計算するための給料システム運用方法
ここまで記事を読んでくれた方の中で、 「給料システムの作り方はわかったけど、スライド制やらバックやら計算が面倒なんじゃないか」 「すでに給料システムは確立しているが、毎月の給料計算に時間がかかっている」 というキャバクラ経営者の方は多いのではないでしょうか? 給料の計算には時間がかかる・面倒というのはキャバクラ界では常識とされています。 給料を計算するには、紙の伝票から本指名料金やバックを集計し、 キャストごとにまとめ、計算をしなければなりません。 伝票の間違い、計算ミスも多々あります。 そんな面倒な給料計算の負担を減らし、経営や集客・キャストとのコミュニケーション時間を増やすための方法を1つ紹介させていただきます。キャバクラの給料計算をするならキャバクラ専門のPOSレジ一択!
《月末になったら自動で給料計算や締め作業が終わっている》 こんな夢のような話があったらどう思いますか? その夢のような話を実現させてくれるのがキャバクラの経営に欠かせないPOSレジ「TRUST」です。 毎回の会計を自動で集計・計算・管理してくれるので、月ごとの給料計算や締め作業が一瞬で終わります。 店舗が採用している給料システムが複雑であれば複雑であるほど、 その効果は大きくなります。 POSレジについて詳しく知らない方にはこちらの記事がオススメです。 ガールズバー向けの記事ですが、POSレジについて一番詳しく説明されています。 ガールズバーでは当たり前?!流行りの業務効率化ツールPOSレジ この記事ではキャバクラで実際に会計業務をする時に、 POSレジを使ってどう業務効率化をするかを詳しく説明しています。 キャバクラ経営者の強い味方!会計業務の効率化まとめ:キャバクラでの給料システムを理解してスマートな経営を!
本記事では- キャバクラの給料=基本時給+バック-費用
- スライドシステムは管理のしやすさを考慮して選択
- 状況に応じてバック条件や報酬額を変えることでキャストをコントロール可能
- POSレジを使って給料計算を高速化