目次
キャバクラ経営者の中には、「逮捕」に関して以下のような不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
- キャバクラ経営で逮捕されるのはどんなケース?
- 何に気をつければ逮捕されない?
「自分は真面目にやっているから大丈夫」。そう思っていませんか?
実は、善意のつもりでやっていたことが、法律違反だったというケースは珍しくありません。
「知らなかった」では済まされない。逮捕されれば、店の評判は地に落ち、積み上げてきた信頼は一瞬で崩れます。
本記事では、実際の逮捕事例をもとに、キャバクラ経営で絶対に避けるべき7つの違反行為を解説します。
- キャバクラ経営で逮捕される7つのケース
- 逮捕されないために今日からできる3つの対策
読後はどこに地雷が埋まっているかがわかるはずです。オーナー様はぜひ最後までご覧ください。
キャバクラ経営で逮捕されるケース7選

キャバクラ経営者が逮捕される代表的なケースは、以下の7つです。
- 無許可営業
- 年少者使用
- 無許可接待
- ぼったくり(恐喝)
- 雇用形態に関するトラブル
- 客引き
- 脱税
それぞれ実際の報道と、現場で実際に起こりうる具体的なシーンを交えて解説します。
①無許可営業(風営法)
無許可でキャバクラ店を営業したとして、警視庁は2021年5月18日、「桜井野の花」の名前で活動していたユーチューバーの女(32)(東京都新宿区西新宿)を風営法違反(無許可営業)容疑で逮捕したと発表した。逮捕は2021年5月16日。
無許可営業は、最も多い逮捕理由の一つ。
「とりあえず営業を始めて、軌道に乗ったら許可を取ろう」。この考え方が命取りになります。売上が大きくなればなるほど、税務署や警察の目に留まりやすくなる。上記の事例では8億円の売上が仇となり、逮捕に至りました。
無許可営業の刑罰としては、「1ヶ月~2年以下の懲役」もしくは「1万円~200万円以下の罰金」のどちらか、または両方が科されます。
(風営法3条1項、同49条1号、同2号)
繁盛店になって税務調査が入り、売上の大きさから警察が動く。「まさか今さら?」と思っても手遅れです。逮捕されれば店は営業停止、従業員は路頭に迷います。
キャバクラを始めるなら、営業開始前に必ず風営法の許可を取得してください。
キャバクラの営業許可はどうやって取るの?必要な許可と取得方法を紹介!
②年少者使用(風営法)
キャバクラ店で16歳の少女2人を働かせたとして、静岡県警三島署などは2023年5月14日、三島市内のキャバクラ店「grace(グレイス)」の経営に関わる男3人を風営法違反(年少者使用)容疑で逮捕したと発表した。
18歳未満の雇用は、一発アウト。
「見た目が大人っぽいから」「身分証を確認したから」は通用しません。実際、姉の免許証を使って年齢を偽るケースは珍しくありません。上記の事例では、8人中5人が18歳未満だったという衝撃的な実態が明らかになっています。
未成年(18歳未満)の雇用は、風営法を含め、以下の法律により摘発される恐れがあります。
- 風営法
- 労働基準法
- 児童福祉法
面接で「18歳です」と言われ、身分証も確認した。でも実は姉の免許証だった。警察が入り、「知らなかった」では済まない。経営者の責任が問われます。
年少者使用が発覚すれば、店は即営業停止。オーナーは逮捕。積み上げてきた信頼は一瞬で崩れます。
確実な対策方法は18歳未満の少女をそもそも雇用しないこと。面接時の年齢確認を特にスタッフに徹底させましょう。
③無許可接待(風営法)
東京・六本木のショークラブ「BURLESQUE TOKYO(バーレスク東京)」を経営する男性が無許可で従業員に客への接待をさせたとして、風営法違反の疑いで2月21日、愛知県警に逮捕された。
引用:
無許可で接待、「バーレスク東京」経営者を逮捕 アウトになる線引きは? 風営法に詳しい弁護士が解説
これが一番危ない。「知らなかった」で捕まるケースNo.1です。
キャバクラで言うと、お客さんの近くに居座り、談笑したりお酌したりする行為が「接待」に該当します。
注意すべきは、水商売での営業許可は、主に2種類ある点。
- 風俗営業許可:「接待」を伴う接客をしてもOK
- 深夜酒類提供飲食店営業許可:深夜0時以降も営業してOK
実は、これらの許可は同時に2つ取得することができません。
よって本件のように、「深夜酒類提供飲食店営業許可」を得ている店舗では、接待を伴う接客をすると違反行為になってしまいます。逆も然りで、接待をしている店舗が深夜0時以降まで営業するのもアウトです。
深夜2時、キャストがお客様の隣に座ってお酌している。そこに警察が入り、「えっ、これダメなの?」となっても手遅れ。「他の店もやってるから大丈夫」は通用しません。
自分の店がどの許可を取っているか、今すぐ確認してください。間違った営業をしていれば、いつ摘発されてもおかしくありません。
④ぼったくり(恐喝)
大阪・ミナミのキャバクラ店で客を監禁し、現金を脅し取ろうとしたとして、大阪府警南署が恐喝未遂と監禁の疑いで、キャバクラ店「CHERIR(シェリール)」の経営者、竹本大樹(23)と弟で同店店長、力矢(りきや)(22)の両容疑者ら男4人を逮捕したことが2019年3月19日、捜査関係者への取材で分かった。
ぼったくり自体よりも、その後の対応が命取りになります。
罪状としては、ぼったくりそのものではなく、「恐喝未遂」と「監禁」が挙げられます。真面目に経営している方には関係ない話かもしれませんが、気をつけるべきは従業員の暴走です。
会計でお客様とトラブルになり、興奮したボーイが強引に「払え!」と詰め寄る。お客様が「監禁された」と警察に通報し、経営者が逮捕される。こういったケースは実際に起きています。
従業員の行き過ぎた行為は、経営者の責任になります。「自分は関与していない」は通用しません。
日頃からスタッフ教育を徹底し、トラブル時の対応マニュアルを作成しておくことが重要です。
⑤雇用形態に関するトラブル
キャバクラで働いていた女性が残業代など約1100万円の支払いを店側に求め、さいたま地裁に起こした訴訟で和解が7月末に成立したことがわかった。和解金額は非公表という。
逮捕されてはいないものの、これは雇用形態に関するトラブルで裁判が行われている事例です。
これはキャバクラ側が、従業員としての雇用ではなく「業務委託」でキャストを雇っていたことが問題となっています。「従業員ではなく業務委託であるため、残業代が発生しない」という店の言い分からトラブルが発生しました。
結果として業務委託としては認められず、店舗が和解金を支払うことで本件は解決したようです。和解金は非公表ではあるものの、女性側が1,100万円の支払いを求めていることから、かなりの金額だと予想されます。
「業務委託にしておけば社会保険料も払わなくていいし楽だ」。そう考えて実態は従業員として働かせていると、後で痛い目に遭います。実際の働き方が従業員と変わらないなら、裁判で負けます。
キャストから訴えられれば、未払い賃金だけでなく、遅延損害金や弁護士費用も含めて数百万~数千万円の支払いになる可能性があります。
⑥客引き
20メートルほどついてきたところで、警察は身分を明かし、逃走を防ぐため「動くなよ」「東京都迷惑防止条例違反ね」と、男を瞬時に取り押さえて現行犯逮捕しました。男(34)は客引きをしたとしてこれで3度目の逮捕だといいます。
客引きによって逮捕されたケース。
客引きやキャッチは、以下2つの法律によって規制されています。
- 風俗営業法
- 迷惑防止条例
「迷惑にならなければ大丈夫」「バレなければ大丈夫」という考えだと、本件のように摘発される可能性が高いです。
警察は私服で見回っています。「お客さんだと思って声をかけたら警察だった」というのはよくある話。上記の事例では、これで3度目の逮捕とあり、繰り返し摘発されていることがわかります。
客引きで現行犯逮捕されれば、店の評判は一気に悪化します。SNSで拡散されれば、もう終わりです。
客引きやキャッチではなく、SNSなどの集客方法も取り入れるようにしましょう。
⑦脱税
福岡地検特別刑事部は2月14日、所得税法違反(脱税)の疑いで、飲食店経営者椛島(かばしま)譲治(48)、竹田一郎(48)、井上貴博(41)、植村勲(39)、中島純一(37)の5名を逮捕した。
脱税で逮捕されたケース。
給与を支払った際に源泉徴収した3億4,638万9,108円のうち、3億3,961万6,907円を税務署に納付しなかったとして、クラブ経営者達が逮捕されています。
脱税は必ず逮捕されるというわけではありませんが、以下の場合に逮捕される可能性が高くなるとされています。
- 金額が1億円を超える
- 逃亡の恐れがある
- 証拠隠滅などの疑いがある
「みんなやってるから」「バレないだろう」。そう思って現金のやり取りを記録せず、売上を抜いている。でも税務署は必ず見ています。数年分まとめて追徴課税が来れば、店は一発で傾きます。
このケースに該当しないにせよ、脱税による追加徴税や評判の悪化などは経営にかなり響くでしょう。逮捕されなくても、追徴課税だけで店が潰れることは珍しくありません。
税金関連は無自覚で違反してしまうことも多いため、特に注意が必要です。
逮捕されないためにキャバクラ経営者ができること

ここまでキャバクラの経営者・関係者が逮捕された事例を紹介しました。
摘発や裁判などへの発展を防ぎたいオーナー様は、ぜひ以下3つを意識してみてください。
- 真っ当な経営を心がける
- 各種専門家に相談する
- 金銭管理をしっかり行う
それぞれ解説していきます。
①真っ当な経営を心がける
摘発や逮捕などを避けたい場合は、真っ当な経営を心がけましょう。
少しでもズルしようという下心により、大事に発展する事例は多いです。
- どうせバレないからキャッチで集客しよう
- みんなやってるからウチも脱税しよう
- 業務委託で雇う方が楽だから、ウチもそうしよう
水商売はグレーな印象が強い業界ですから、不正したくなるシーンは多いかもしれません。でも、その「どうせバレない」が命取りになります。
警察も税務署も、見ていないようで見ています。SNSで拡散されたり、元従業員が通報したり、摘発のきっかけはいくらでもあります。
真っ当に経営しようという心構えを持つだけでも、逮捕のリスクは大幅に軽減できるはずです。
②各種専門家に相談する
中には、「悪いことをしているつもりはなかった」と、無自覚ながらに摘発を受けるケースもあります。
そういったことを避けるべく、専門家へ相談することも重要です。税務のことなら税理士へ。営業許可のことなら行政書士へ。
「専門家に頼むとお金がかかる」と思うかもしれませんが、逮捕されたり裁判になったりするコストに比べれば、はるかに安上がりです。
専門家に相談し、一部業務を依頼することで、より安心して経営ができるはずです。知らずに法を犯して店を失うより、確実な道を選びましょう。
③金銭管理をしっかり行う
最後に、金銭管理をしっかり行うことも重要です。
締め作業や給与計算は面倒ですが、手を抜いたりミスがあったりすると、以下のようなリスクに発展する恐れがあります。
- キャストと給与関係で揉め事になる
- 税務でミスが発生し、税務調査の対象になる
- 現場スタッフの不正が横行する
キャストから「給与が合わない」と訴えられれば、最悪の場合、数百万円の和解金を支払うことになります。税務ミスが重なれば、追徴課税で経営が傾きます。スタッフが売上を抜いていても、管理が甘ければ気づけません。
こうしたリスクを避けるためにも、金銭管理がしっかり行える「POSレジ」を導入しましょう。
グレーな印象が強い水商売だからこそ、安心して店を任せられるツールを活用することが、成功のカギです。
POSレジなら「TRUSTレジ」
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TRUSTレジを導入することで、以下のメリットが得られます。
- 会計業務を効率化できる
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- 給与計算が効率化できる
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TRUSTレジを活用することで、会計業務や締め作業を大幅に効率化できるのはもちろんのこと、税務や給与計算でのトラブルを防ぐことが可能です。
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キャバクラの逮捕に関するよくある質問(Q&A)
Q. キャバクラ経営で逮捕されるのはどんなケースですか?
A. 以下の7つのケースが代表的です。
- 無許可営業
- 年少者使用(18歳未満の雇用)
- 無許可接待
- ぼったくり(恐喝・監禁)
- 雇用形態に関するトラブル
- 客引き行為
- 脱税
Q. 無許可でキャバクラを営業するとどうなる?
A. 風営法違反となり、1ヶ月~2年以下の懲役または1万円~200万円以下の罰金、もしくはその両方が科されます。
Q. 未成年を雇ってしまった場合のリスクは?
A. 18歳未満の雇用は、風営法・労働基準法・児童福祉法に違反し、逮捕される可能性があります。身分証確認を徹底しましょう。
Q. 無許可接待とは何を指しますか?
A. 許可された営業内容と異なる接待(例:深夜営業許可のみでの接客行為など)は、風営法違反となります。許可と営業内容の一致が重要です。
Q. ぼったくりで逮捕されるのはどんな時?
A. ぼったくり行為に加えて脅迫や監禁があると「恐喝罪」「監禁罪」に該当します。過剰請求や強引な対応がないように、スタッフ教育が重要です。
Q. 業務委託でキャストを雇うのは問題ですか?
A. 実態が「従業員」であれば、業務委託と認められず未払い賃金などで裁判になるケースがあります。雇用形態と実態を合わせましょう。
Q. 客引きはなぜ違法なのですか?
A. 客引きは風営法や各都道府県の迷惑防止条例により原則禁止されています。路上キャッチは摘発リスクが高く、SNSなどの合法な集客手法を使うべきです。
Q. 脱税で逮捕されるのはどんな場合ですか?
A. 以下の条件に当てはまる場合、逮捕の可能性が高くなります。
- 脱税額が1億円以上
- 逃亡の恐れがある
- 証拠隠滅の可能性がある
税務は税理士に相談し、記録を正確に残すことが重要です。
Q. 逮捕を防ぐために経営者が意識すべきことは?
- 真っ当な経営を心がける
- 専門家に相談する(税理士・行政書士など)
- 金銭管理を徹底する(POSレジ導入など)
違法行為を「知らなかった」では済まされません。事前対策が逮捕回避のカギです。
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まとめ:キャバクラで逮捕される事例
キャバクラで逮捕・裁判沙汰になるケースとしては、以下が挙げられます。
- 無許可営業
- 年少者使用
- 無許可接待
- ぼったくり(恐喝)
- 雇用形態に関するトラブル
- 客引き
- 脱税
真っ当な経営を心がけていても、場合によっては気付かぬうちに違法行為を犯しているケースも珍しくはありません。
専門家へ相談したり、税務や会計作業を正確に行えるツールを導入したりなど、対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。














