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ついにキャバクラを開業することになったけれど、準備が多くてお困りではありませんか?
その中でもキャバクラを営業するためには様々な許可が必要となるため、以下のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
- 「どういった許可が必要なの?」
- 「許可を得るためにはどうすればいいの?」
- 「手続きにはどのくらい時間がかかるの?」
キャバクラの営業には複数の許可が必要で、無許可営業は法的処罰の対象となります。
そこで今回は、開業前のオーナー・店長のために、以下の内容について詳しく紹介していきます。
- キャバクラを経営するのに必要な許可
- 許可を取得するまでの詳細な流れ
- 最新の法改正情報と注意点
- 手続きをスムーズに進めるコツ
許可を取って、速やかに営業をスタートしたい!という方はぜひ参考にしてください。
キャバクラを経営するには許可が必要
そもそも、キャバクラを経営するには各種許可を得る必要があります。
許可を得ずにキャバクラをオープンしてしまうと、それは「無許可営業」となり、処罰の対象となってしまうのです。
実際、近年でも無許可営業によってキャバクラ経営者が逮捕される事案が継続的に発生しており、2023年にも複数の摘発事例が報告されています。
無許可営業を行った場合のリスクは以下の通りです。
- 風営法違反:2年以下の懲役または200万円以下の罰金
- 食品衛生法違反:2年以下の懲役または200万円以下の罰金
- 営業停止処分や許可取り消し
- 社会的信用の失墜
処罰の対象とならないように、キャバクラをオープンする際には、必ず各種許可を取るようにしましょう。
キャバクラで逮捕されるケース7選!健全に営業するためのポイントも
水商売の業態によって許可が異なる
それでは、具体的にどのような許可を取得していけばいいのでしょうか?
結論から言えば、水商売の種類や業態によって取得すべき許可は変わってきます。
まず、酒類や食品を提供するのであれば「飲食店営業許可」は必須です。これは多くのキャバクラやスナックが該当するでしょう。
それに加えて「接待が伴うか否か」によって、以下2つのどちらかを追加で取得する必要があります。
- 接待を伴う場合:風俗営業許可
- 接待を伴わない場合:深夜酒類提供飲食店営業届出
それぞれの違いを詳しく紹介していきます。
接待を伴う店舗は風俗営業許可
営業で接待が伴う場合は、「飲食店営業許可」に加えて「風俗営業許可」を取得する必要があります。
風俗営業許可を取得することで以下のような「接待」を行うことが可能です。
- お客さんの横に座ってお酌などをする
- カラオケでデュエットをする
- お客さんと談笑や会話を楽しむ
- ゲームや遊戯を一緒に行う
逆に言えばキャバクラではこういったサービスが欠かせないため、キャバクラをオープンする場合は「風俗営業許可」の取得は必須となります。
ただし、風俗営業許可を取得すると、以下のように営業時間が制限されるので、そこだけ注意が必要です。
- 平日・土曜:午前0時まで
- 日曜・祝日:午後11時まで
- 地域によっては午前1時まで営業可能な場合もある
接待を伴わないガールズバーやスナックでは深夜酒類提供飲食店営業届出
接待が伴わない場合だと、「飲食店営業許可」に加えて「深夜酒類提供飲食店営業届出」を提出すればOKです。
こちらの届け出を行うことで深夜0時から朝方までの営業が可能となります。
ただしキャバクラに必要な接客を行うことが出来なくなるため、接待を伴わないガールズバーやスナック向きのものだといえるでしょう。
これらのことを踏まえると、キャバクラを経営する場合に必要な許可は以下の2点です。
- 飲食店営業許可
- 風俗営業許可
ここからはこの2つをより詳しく紹介していきます。
キャバクラでの「飲食店営業許可」
酒類や食品を提供する場合は、飲食店の営業許可が必要となります。
営業を開始する前に管轄の保健所に「食品営業許可申請」を行い、許可を得なくてはいけません。
ここからは、飲食店の営業許可を得るために必要なことや、許可を得るまでの流れを紹介していきます。
許可を取得する際にクリアすべきもの
申請を行う前に、まず許可を得るために以下2つをクリアしておく必要があります。
- 食品衛生責任者を準備する
- 設備の要件をクリアする
1つずつ見ていきましょう。
食品衛生責任者を準備する
飲食店営業許可を得るためには、「食品衛生責任者」の存在が必須となります。
とはいうものの、講習を受講すれば誰でも食品衛生責任者になることができるので、そこまでハードルが高いわけではありません。
講習は基本的に1日で終わりますし、費用も1~2万円程度ですので、「食品衛生協会+(県名)+講習」で検索してみましょう。
設備の要件をクリアする
続いて、飲食店としての設備の要件をクリアする必要があります。
この際、以下を始めとして多くの設備がチェックされます。
- 明るさ(10ルクス以上)
- 保管設備の有無(冷蔵・冷凍設備)
- 換気設備の有無
- 手洗い設備(温水・石鹸・ペーパータオル)
- 給排水設備
設備に関しては後からだとどうしようもないケースもありますので、内装工事を行う前に管轄の保健所で要件を相談しておくといいです。
設備自体がOKであれば、「清潔であり、衛生的である」状態を確保し、申請を行いましょう。
許可までの流れ
続いては、実際に飲食店の営業許可を貰うまでの流れを紹介していきます。
①管轄の保健所チェック
まず行うべきは「管轄の保健所をチェックする」ことです。
お店の場所によって管轄している保健所が決まっていますので、「地名+保健所」などで検索をかけ、どこに相談すべきかを明らかにしましょう。
②保健所へ事前相談
管轄の保健所がわかったら、内装工事などの各種準備を進める前の事前相談を行いましょう。
その保健所から許可を貰うために必要な要件を教えてもらえますので、お店の図面等の必要書類を持ったうえで窓口に相談してみてください。
③必要書類の準備
実際に保健所に許可申請を行うために、必要書類を揃えておきましょう。
- 店舗の図面(調理所に関しては詳しく記載する)
- 最寄駅から店舗までの道がわかる地図、案内図
- 食品衛生責任者手帳または調理師免許
- 営業許可申請書
- 申請手数料(16,000~18,000円程度)
これらは一例で、必要な書類は保健所によって異なります。HPや電話で確認を行ったり、事前相談の際にちゃんと聞いておくと安心です。
④申請手続き
必要書類を揃えたら許可申請を済ませます。
申請したらすぐに許可が貰えるわけでなく、立ち合い調査が必要となりますので、余裕をもって申請を行いましょう。
書類がOKであれば手数料を支払い、調査の日時を決定します。
⑤立会い調査
続いては、保健所による調査です。食品衛生法の基準に沿って店舗に問題がないかチェックします。
OKであれば飲食店営業の許可の取得は終了ですが、NGであれば問題個所を修繕したり再度調査が必要になったりします。
いずれにせよ、保健所からの指示に従うようにしましょう。
⑥許可証の受け取り
調査が無事済んだら、保健所の指示に従って許可証を受け取ります。印鑑が必要になるので用意しておきましょう。
ちなみにこの許可証は掲示が義務付けられているので、受け取った後は入り口やレジの近くなどの「見やすい場所」に掲示するようにしてください。
ここまでが飲食店営業許可の取得までの流れとなります。
チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる
水商売の開業時にはやらなければならない作業がたくさんあります。その全てを紙に書き出すことは、開業の経験者でも難しいことです。
- 開業までに何を行えばいいのか
- 業者選定の優先順位は?
- 開業までのスケジュールを立てたい
チェックリストに従って開業準備を行うことができます。
是非ご活用ください。
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キャバクラでの「風俗営業許可」
続いて、接待を行うために必要な「風俗営業許可」を取得するまでの流れを紹介していきます。
許可を取るためにクリアすべきこと
風俗営業の許可を取るためにクリアすべきことは以下の通りです。
- 許可をもらえる「人」がいること
- 許可をもらえる「場所」であること
- 許可をもらえる「構造・設備」であること
それぞれ詳しく見ていきましょう。
許可をもらう人の要件
風俗営業の許可を得るためには、許可を得る「人」が一定の要件を満たす必要があります。
この「人」の役割としては、以下が求められます。
- 許可をもらう対象としての「人」
- 法を守る責任者としての「人」
また、許可を貰うための要件としては、「過去に一定の犯罪歴がない」「成年被後見人でない」という2点が必要。
この際、上記の2つを満たしているかをチェックするため、以下のように様々な書類が必要となります。
- 住民票の写し
- 誓約書
- 身分証明書
- 管理者の写真(縦3cm×横2.4cm)
- 登記されていないことの証明書
- 風俗営業管理者講習修了証明書
特に風俗営業管理者講習の受講が義務付けられており、事前に受講を完了させておく必要があります。
お店の場所も重要
風俗営業の許可を得るためには、お店の場所も重要です。
簡潔に言うと、風俗営業を行うためには、お店が「商業地域」「近隣商業地域」にあることが条件となります。
また、以下の施設からの距離制限もあります。
- 保護対象施設(学校、病院、図書館等)から100m以上離れている
- 住居専用地域に設置されていない
- 善良な風俗を害するおそれのない場所
こちらも細かい要件がいくつかありますので、行政書士か警察署の生活安全課に「店舗がある場所で風俗営業が可能か」相談してみるといいでしょう。
構造・設備の要件
最後に構造・設備にも要件があり、具体的には以下が挙げられます。
- 客室の床面積が5㎡以上であること
- 客席における照度が20ルクス以下でないこと
- 騒音・振動が条例で定める数値以下であること
- 客室内に見通しを妨げる設備がないこと
- 外部から容易に識別できる構造でないこと
これらを満たしたうえで、満たしていることを証明するための書類を作成しなくてはいけません。
- 営業所の平面図
- 営業所のイス・テーブル配置図
- 営業所の音響・照明配置図
- 営業所周辺の略図
- 飲食店営業許可証の写し
こちらもとにかくルールが細かく決められていたり、図面を作成するために専門的な知識が必要だったりと、やることが多いです。
審査には55日かかる
ここまでの要件を全て満たして書類を提出したとしても、審査には基本的に「55日」かかる点も覚えておきましょう。
この55日の間に店舗検査が行われ、実際の店舗に問題がないか、管轄の警察署の方によってチェックが行われます。
検査が終わり許可が降りれば「風俗営業許可証」が貰えますので、飲食店営業許可証と同じように、見えやすい場所に貼っておきましょう。
キャバクラ営業に関する最新の法改正情報
風営法は社会情勢の変化に応じて定期的に改正されており、キャバクラ経営者は常に最新の情報を把握しておくことが重要です。
法改正への対応が遅れると、知らないうちに違法状態になってしまい、営業停止や処罰の対象となる可能性があります。
2024年に施行された法改正により、キャバクラ経営の効率化と法令遵守の両面で重要な変化が生じています。
- デジタル申請の拡充:一部地域でオンライン申請が可能に
- 管理者講習のオンライン受講が部分的に解禁
- 営業時間の地域特例の見直し
- 外国人従業員の在留資格確認の厳格化
これらの変更により、手続きの利便性が向上する一方で、外国人雇用に関する管理はより厳格になっています。
特にデジタル申請は東京都や大阪府などで導入が進んでおり、今後全国に拡大される見込みです。
営業時に注意すべきポイント
許可取得後の営業において、以下の点は特に厳格に守る必要があります。
違反すると即座に行政処分の対象となる可能性があります。
- 許可証の掲示義務:見やすい場所に掲示が必要
- 営業時間の厳守:1分でも超過すると違反
- 従業員の年齢確認:18歳未満の雇用は禁止
- 定期的な届出:変更事項は30日以内に届出
特に営業時間の厳守は最も重要で、1分でも超過すると初回でも営業停止処分を受ける可能性があります。
お客様の退店完了まで含めて時間管理することが必要です。
はじめての場合は行政書士にお願いする
ここまでキャバクラ営業のための各種許可の取り方を紹介してきましたが、許可を取るためには様々な要件を満たしたうえで、様々な書類を用意する必要があります。
特に風俗営業の許可は専門的な知識やツールが求められますので、条件を満たせずに永遠に許可が降りない…なんて可能性も決して0ではありません。
よって、許可を取るのがはじめての場合や、周りに頼れる人がいない場合は、行政書士に依頼してみるのも手です。
行政書士に依頼するメリットは、以下の通り。
- 専門知識による確実な手続き
- 時間の大幅な短縮
- ミスによる再申請リスクの回避
- 最新の法改正情報への対応
- 開業スケジュールの最適化
とはいえ、どの行政書士を頼っていいかわからない方も多いでしょう。
TRUSTでは信頼できる行政書士を紹介できますので、ぜひ以下から気軽にご相談ください。
キャバクラ営業許可に関するよくある質問
最後に、キャバクラの営業許可に関するよくある質問をご紹介します。
①許可取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
飲食店営業許可は申請から約1~2週間、風俗営業許可は申請から55日かかります。事前準備期間も含めると、開業決定から営業開始まで最低3~4ヶ月は見込んでおく必要があります。
②許可取得にかかる費用はどのくらいですか?
飲食店営業許可が約18,000円、風俗営業許可が約24,000円程度です。これに加えて食品衛生責任者講習費(約10,000円)、風俗営業管理者講習費(約20,000円)がかかります。行政書士に依頼する場合は別途30~50万円程度必要です。
③許可が下りなかった場合はどうなりますか?
不許可となった場合は理由が通知されます。理由を解消すれば再申請可能ですが、手数料は再度必要になります。構造的な問題の場合は内装工事が必要になることもあります。
④営業中に変更事項が発生した場合は?
営業者の氏名、営業所の構造設備、管理者の変更等があった場合は、30日以内に変更届出書を提出する必要があります。重要な変更の場合は事前に相談することをおすすめします。
⑤他の都道府県で営業する場合は?
風俗営業許可は都道府県ごとに取得が必要です。複数の都道府県で営業する場合は、それぞれで許可を取得しなければなりません。
⑥許可の有効期間はありますか?
飲食店営業許可は5~8年(自治体により異なる)、風俗営業許可は基本的に無期限ですが、条件に違反した場合は取り消される可能性があります。
まとめ:キャバクラを営業する際は速やかに許可を取ろう
今回はキャバクラを営業する際に必要な各種の許可の取り方について解説してきました。
許可を取るのは面倒かもしれませんが、無許可で営業していると法的処罰の対象となってしまいますので、ぜひ速やかに手続きを済ませましょう。
最初は大変かもしれませんが、ぜひ専門家や色々な人に頼りつつ、速やかに許可を取得するよう心がけてみてください。
適切な許可取得により、安心してキャバクラ経営をスタートし、長期的な成功を実現しましょう。
この記事が、あなたのキャバクラ開業成功の一助となれば幸いです。