スナックの開業資金はどれくらい?金額相場と調達方法を解説

目次

いざスナックを開業しようと思っても、以下のような疑問をお持ちではありませんか?

スナック開業で最も重要なのが「資金計画」です。

逆に、しっかりとした資金計画を立てることで、余裕を持った経営ができ、成功確率が大幅に向上します。

本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、スナック開業に必要な資金が明確になり、具体的な資金計画を立てられるようになります。

スナック開業資金の相場は500万円〜2,000万円

スナックを開業するためには、立地や場所柄にもよりますが、最低でも500万円、また、建物や内装にもこだわると1,000万円を超える、と言われています。

高い場合ですと2,000万円にも及ぶケースもあるようです。

費用相場を左右する3つの要素

開業資金の金額を大きく左右する要素は以下の3つです。

例えば、都心の繁華街でスケルトン物件を借りて高級内装にすると2,000万円以上かかりますが、

開業資金の2つの構成要素

開業資金と一口に言っても、その内訳は大きく2つに分類されます。


それぞれ詳しく解説していきます。

スナックの初期費用の内訳と相場

初期費用とは、「開業時まで」に必要な費用のことです。

これが不足していると、自分の思い描く内装にできなかったり繁華街から離れた場所にお店を開くことになってしまいます。

初期費用として必要なのは、以下の7つです。

①店舗費用:100万円〜500万円

店舗の物件のための費用のことです。購入するのなら全額、賃貸でも保証金、前家賃、仲介手数料などが必要になります。
賃貸の場合、以下の費用が発生します。

例えば家賃15万円の物件なら、保証金90万円+礼金15万円+前家賃30万円+仲介手数料15万円=合計150万円程度が必要です。

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②内外装工事費:50万円〜800万円

内装や看板などの外装を工事する費用のことです。

内装も重要ですがこだわるときりがありません。

居抜き物件なら、壁紙の張り替えや照明の変更など最小限の工事で済むため、大幅なコスト削減が可能です。

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③設備費:100万円〜300万円

カラオケやPOSレジを導入する費用です。

スナック営業に必要な設備を導入する費用で、具体的には以下が挙げられます。

④備品購入費:50万円〜150万円

お店で使う、テーブルやイス、その他キッチンのガス、空調などを購入する費用です。

お店の雰囲気や客単価にもよりますが、高級感のある家具を設置することが多いようです。

また、強度を考えて、業務用の家具を購入する場合は家庭用と比較してやや値段が張るので注意が必要です。

⑤広告宣伝費:10万円〜50万円

ホステスの求人や、お店自体の宣伝のために必要なお金です。

宣伝はお店の知名度、認知度を上げるためなので長期的に行う必要はありませんが、初速を上げる意味では大切です。

⑥許可取得費:5万円〜30万円

スナックを開業するために必要な許可や資格を取得するための費用です。

許可や資格を得ないで開業、営業すると風営法違反で逮捕されてしまうので、しっかり取得してから開業するようにしましょう。

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⑦初回仕入れ費:20万円〜50万円

開店時に必要なお酒やおつまみの仕入れ費用です。

開店直後は1週間程度をメドに仕入れを行いましょう。お店が軌道に乗ってきたら、定期購入に切り替えても良いかもしれません。

初期費用の計算例

初期費用の計算は、予算を決めることと同義です。

予算が決まらないまま物件や備品を購入してしまった場合、必要な資金が足りなくなってしまいます。

以下は、標準的なスナック開業の初期費用計算例です。

項目金額
店舗費用200万円
内外装工事費100万円
設備費50万円
備品購入費50万円
広告宣伝費10万円
許可取得費30万円
初回仕入れ費30万円
その他経費30万円
初期費用合計500万円

もちろんすべて必須というわけではありません。

【3パターン別】あなたに必要なスナック開業資金は?

スナック開業資金は「どのような店舗を目指すか」によって大きく変わります。

以下の3パターンから、あなたに最適な開業スタイルを見つけましょう。

最小限のモデル:総額500万円(居抜き物件・郊外型)

初期費用を徹底的に抑えたい方向けのパターンです。

居抜き物件を活用し、郊外や住宅街エリアで小規模スナックを開業します。

項目金額備考
店舗費用80万円家賃8万円×保証金10ヶ月分
内外装工事費50万円居抜き物件、最小限の改装のみ
設備費80万円カラオケ・POSレジはリース契約
備品購入費40万円中古品・リサイクル品活用
広告宣伝費5万円SNS中心、無料ツール活用
許可取得費5万円深夜酒類提供飲食店営業届
初回仕入れ費20万円最小限の在庫
その他経費20万円予備費
初期費用合計300万円
運転資金(3ヶ月分)200万円月間支出約65万円×3ヶ月
総額500万円

このパターンが向いている人

標準のモデル:総額1,000万円(都心・軽内装)

都心部の好立地で、ある程度の内装にもこだわるパターンです。
最も一般的な開業スタイルで、安定した経営を目指せます。

項目金額備考
店舗費用200万円家賃15万円×保証金12ヶ月分+諸費用
内外装工事費150万円居抜き物件、部分的な改装
設備費150万円カラオケ・POSレジ・厨房設備
備品購入費80万円新品と中古を組み合わせ
広告宣伝費20万円SNS広告+グルメサイト掲載
許可取得費10万円深夜酒類提供または風俗営業許可
初回仕入れ費40万円標準的な在庫量
その他経費50万円予備費・雑費
初期費用合計700万円
運転資金(3ヶ月分)300万円月間支出約100万円×3ヶ月
総額1,000万円

このパターンが向いている人

高級モデル:総額2,000万円以上(都心・高級内装)

一等地で、内装・設備・サービスすべてにこだわる高級志向のパターンです。

客単価の高い富裕層をターゲットにした本格的なスナック経営を目指します。

項目金額備考
店舗費用500万円家賃30万円×保証金12ヶ月分+諸費用
内外装工事費600万円スケルトン物件、フルオーダー内装
設備費300万円最新カラオケ・高級音響・POSレジ
備品購入費200万円高級家具・業務用厨房機器
広告宣伝費80万円HP制作・SNS広告・雑誌掲載
許可取得費20万円風俗営業許可+各種届出
初回仕入れ費80万円高級酒・豊富な品揃え
その他経費120万円予備費・開店イベント費用
初期費用合計1,900万円
運転資金(3ヶ月分)600万円月間支出約200万円×3ヶ月
総額2,500万円

このパターンが向いている人

3パターン比較表

項目最小限標準高級
総額500万円1,000万円2,500万円
立地郊外・住宅街都心の繁華街一等地
物件居抜き居抜きスケルトン
席数8〜10席10〜15席15〜20席
スタッフママ1人ママ+3〜5名ママ+5〜10名
客単価3,000〜5,000円5,000〜8,000円10,000円以上

チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる

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スナックの運転資金の内訳と計算方法

運転資金とは、「開業後に」必要な資金のことです。

これが不足していると、せっかく開業しても数ヶ月で閉店せざるを得なかったり、ホステスの給与を支払えないなんてことになってしまいます。

運転資金として必要な6つの費用

運転資金として必要なのは以下の6つです。

項目概要月額目安
仕入れ費お酒やおつまみにかかる費用です。10万円〜30万円
人件費月末にホステスに払う給与の費用です。20万円〜80万円
水道光熱費使用した水道や電気の代金です。3万円〜8万円
家賃お店の家賃です。10万円〜30万円
広告宣伝費キャストやお客さんを集めるための広告にかかる費用です。5万円〜15万円
生活費ママさん・オーナーの生活にかかる費用です。20万円〜40万円

運転資金の計算例

値段を先に決めてしまうと、ドリンクやフードをいくつ売れば経営が成り立つのかわからないままなので、月末の人件費や光熱費の支払い時に払えないというケースが発生してしまいます。

運転資金も初期費用と同様に、事前に計算しておくことで資金不足を防ぐことができます。

以下は、運転資金の計算例です。

項目月額
仕入れ費15万円
人件費40万円
水道光熱費5万円
家賃20万円
広告宣伝費10万円
機器維持費・リース代5万円
返済費(融資を受けた場合)10万円
生活費25万円
月間支出合計130万円
3ヶ月分の運転資金390万円

すぐにお店が軌道に乗るとは限りません。少なくとも「3か月は売り上げが立たなくても大丈夫」なように、運転資金をしっかり用意しておきましょう。

開業資金の計算方法まとめ

スナックの開業資金の計算式は以下の通りです。

上記の計算例を使うと、

となります。

スナックの初期費用を抑える5つの方法

開業資金が高額になりがちなスナックですが、工夫次第で大幅にコストを削減できます。

①居抜き物件を活用する

最も効果的なコスト削減方法が、居抜き物件の活用です。

前のテナントの設備や内装がそのまま残っている物件を選ぶことで、以下のメリットがあります。

特に前テナントが同じくスナックやバーだった場合、必要な設備がほぼ揃っているため、大幅なコストダウンが可能です。

②設備はリース契約を活用する

カラオケ機器やPOSレジなどの高額設備は、買取ではなくリース契約にすることで初期費用を抑えられます。

開業直後の資金負担を大幅に軽減できる上、故障時のサポートも受けられるため安心です。

③中古品・業務用リサイクル品を活用する

テーブル、椅子、グラス類などは、業務用のリサイクルショップを活用することでコストを半額以下に抑えられます。

お客様の目に触れない厨房機器などは、特に中古品で十分です。

④DIYで内装費を削減する

専門業者に頼まず、自分でできる範囲の内装作業を行うことでコストを削減できます。

ただし、電気工事や水道工事など資格が必要な作業は、必ず専門業者に依頼しましょう。

⑤広告宣伝費はSNSで削減する

高額な広告費をかけなくても、SNSを活用することで効果的に集客できます。

特に開業前からSNSで情報発信を始めることで、開店と同時に集客できる土台が作れます。

スナックの開業資金を調達する4つの方法

スナックの開業資金のおおよその相場は500〜2,000万円だとわかりました。

しかし、中には「スナック開業したいけど、500万円は用意できない」「自分の貯金を全部つぎ込むのは、ちょっと…」といった方もいるのではないでしょうか。

そういった場合は、ぜひ以下4つの方法を試してみてください。

1つ1つ詳しく見ていきましょう。

①融資を利用する

スナックを開業する際にまず検討したいのが、融資の利用です。

その中でも以下2つは非常におすすめです。

日本政策金融公庫の創業融資

民間金融機関の創業融資

融資審査を通過するコツについては、後ほど詳しく解説します。

参考:水商売の開業資金の融資情報を徹底解説!

②助成金・補助金を活用する

スナック開業時には、国や自治体が提供する助成金・補助金を活用できる場合があります。

助成金・補助金は返済不要なため、積極的に活用したいところです。

スナック開業時に利用できる助成金5選!交付までの流れも解説

③家族・知人に頼む

続いて、家族や知人にお願いするのもいいでしょう。

キャスト時代のお客さんを当たってみるのも手です。

個人からの借入の場合の注意点は以下の通りです。

金銭トラブルは人間関係を壊す原因になるため、慎重に進めましょう。

④クラウドファンディングを活用する

最後に、クラウドファンディングを活用するのもおすすめです。

クラウドファンディングとは、簡単に言うと「不特定多数の支援者から資金を募ることができる」サービスです。

スナック開業の思いを前面に押し出し、「応援したい」と思ってもらえるようなプロジェクトを投稿すれば、支援してくれる人が現れるかもしれません。

スナックの融資審査を通過する5つのコツ

融資を申し込んでも、審査に通らなければ資金を調達できません。

以下の5つのポイントを押さえることで、融資審査の通過率が大幅に向上します。

①詳細な事業計画書を作成する

融資審査で最も重要なのが、事業計画書の質です。

以下の内容を具体的に記載しましょう。

特に「なぜこの場所で、このコンセプトなら成功するのか」を論理的に説明できることが重要です。

②自己資金を用意する

融資額の30〜50%程度の自己資金を用意することで、審査通過率が大幅に上がります。

自己資金が多いほど、「この人は計画的で返済能力がある」と評価されます。

③業界経験をアピールする

スナックやキャバクラなどで働いた経験がある場合、それを積極的にアピールしましょう。

未経験者よりも、業界経験者の方が審査では有利になります。

④物件を先に決めておく

具体的な物件が決まっている方が、事業計画の信憑性が高まります。

「まだ物件は探していません」という状態では、計画の具体性に欠けると判断されやすくなります。

⑤信用情報を確認しておく

融資審査では、個人の信用情報が必ずチェックされます。

スナック開業時に導入したいPOSシステム

開業をスムーズに進めることも大事ですが、より重要なことは開業後の経営です

実際に水商売経営をするとなるとキャストの管理や面倒な給与計算、売上管理をする必要が生じます。

また、水商売の特徴として紙伝票での注文が挙げられます。紙での注文はトラブルも多く、普通の飲食店よりも手間が多いです。

しかし、このような水商売特有の面倒な要素を解決する施策があります。

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スナック開業資金に関するよくある質問

スナックの開業資金について、よくある質問をまとめました。

Q1. 自己資金が少ない場合でも開業できますか?

A. 可能ですが、融資を受ける際に不利になります。

一般的に、必要資金の30〜50%程度の自己資金があると融資審査に通りやすくなります。ですが、運転資金が不足するリスクがあるため注意が必要です。

Q2. 開業資金はいつまでに用意すればいいですか?

A. 開業予定日の3〜6ヶ月前までに用意しましょう

融資の審査に1〜2ヶ月、物件探しと契約に1ヶ月、内装工事に1〜2ヶ月かかることを考えると、資金が確定していないと具体的な準備が進められません。です。

Q3. 運転資金は本当に3ヶ月分必要ですか?

A. 最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分が理想です。

開業後すぐに売上が安定することは稀で、特に1〜3ヶ月目は赤字になることが多いです。。余裕を持った資金計画が成功の鍵です。

Q4. 居抜き物件とスケルトン物件、どちらがおすすめですか?

A. 初めての開業なら居抜き物件が断然おすすめです。

初期費用を数百万円削減でき、開業までの期間も短縮できます。ただし、前テナントの雰囲気が残っているため、です。完全にオリジナルの内装にこだわりたい場合は、スケルトン物件を選びましょう。

Q5. 融資審査に落ちた場合、再申請はできますか?

A. 可能ですが、最低6ヶ月は期間を空けましょう

同じ金融機関に短期間で再申請しても、状況が変わっていなければ再び審査落ちする可能性が高いです。することが重要です。

Q6. クレジットカードの分割払いで開業資金を工面するのはアリですか?

A. おすすめしません

クレジットカードの分割払いやリボ払いは金利が非常に高く(年15〜18%)、経営を圧迫します。また、になります。どうしても資金が足りない場合は、低金利の融資を検討しましょう。

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まとめ:資金をしっかり計算してからスナックを開業しよう

今回は、スナック開業資金について詳しく解説してきました。

旅行や食事をしたときに、予算を超えてしまった、思っていた金額よりも高かった、という経験はありませんか?
そのときはカードや現金で支払えても、開業する場合はそうはいきません

内装業者や不動産会社にお金を支払えないと、お店の改装や開業ができません。また、おつまみやお酒の仕入れ費用が足りないと営業できなくなってしまいます。

資金計画が成功の鍵を握っています。本記事を参考に、しっかりとした準備を整えて、あなたの夢のスナック開業を実現してください!

スナック開業の全体的な流れについては、以下の記事も参考にしてください。

スナック開業までの7ステップ!必要な資格・許可や準備を徹底解説




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