目次
いざスナックを開業しようと思っても、以下のような疑問をお持ちではありませんか?
- 「開業資金はどれくらいかかるの?」
- 「初期費用の詳しい内訳を知りたい」
- 「自己資金だけで足りない場合はどうすればいい?」
スナック開業で最も重要なのが「資金計画」です。
開業資金が不足すると、理想の内装が実現できなかったり、最悪の場合は開業後数ヶ月で資金ショートして閉店に追い込まれるリスクがあります。
逆に、しっかりとした資金計画を立てることで、余裕を持った経営ができ、成功確率が大幅に向上します。
本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。
- スナック開業資金の相場と内訳
- 初期費用を抑える5つの方法
- 運転資金の正しい計算方法
- 資金調達の4つの方法
- 融資審査を通過するコツ
この記事を読み終える頃には、スナック開業に必要な資金が明確になり、具体的な資金計画を立てられるようになります。
スナック開業資金の相場は500万円〜2,000万円
スナックを開業するためには、立地や場所柄にもよりますが、最低でも500万円、また、建物や内装にもこだわると1,000万円を超える、と言われています。
高い場合ですと2,000万円にも及ぶケースもあるようです。
- 最小規模(居抜き物件活用):500万円〜800万円
- 標準的な開業:1,000万円〜1,500万円
- 内装にこだわる場合:2,000万円以上
費用相場を左右する3つの要素
開業資金の金額を大きく左右する要素は以下の3つです。
- 立地:繁華街か住宅街か
- 居抜き物件かどうか
- 建物や内装にこだわるかどうか
例えば、都心の繁華街でスケルトン物件を借りて高級内装にすると2,000万円以上かかりますが、郊外の居抜き物件を活用すれば500万円台でも十分開業可能です。
開業資金の2つの構成要素
開業資金と一口に言っても、その内訳は大きく2つに分類されます。
- 初期費用:開業時に一度だけかかる費用
- 運転資金:開業後、毎月継続的にかかる費用
多くの経営者が初期費用ばかりに注目しがちですが、実は運転資金の確保が非常に重要です。
それぞれ詳しく解説していきます。
スナックの初期費用の内訳と相場
初期費用とは、「開業時まで」に必要な費用のことです。
これが不足していると、自分の思い描く内装にできなかったり、繁華街から離れた場所にお店を開くことになってしまいます。
初期費用として必要なのは、以下の7つです。
①店舗費用:100万円〜500万円
店舗の物件のための費用のことです。購入するのなら全額、賃貸でも保証金、前家賃、仲介手数料などが必要になります。
賃貸の場合、以下の費用が発生します。
- 保証金(敷金):家賃の6〜12ヶ月分
- 礼金:家賃の1〜2ヶ月分
- 前家賃:家賃の1〜2ヶ月分
- 仲介手数料:家賃の1ヶ月分
例えば家賃15万円の物件なら、保証金90万円+礼金15万円+前家賃30万円+仲介手数料15万円=合計150万円程度が必要です。
居抜き物件を選べば、前のテナントの設備をそのまま使えるため、この後の内装費を大幅に抑えることが可能です。
スナック出店は居抜き物件がおすすめ?メリットデメリット双方を解説
②内外装工事費:50万円〜800万円
内装や看板などの外装を工事する費用のことです。
- スケルトン物件の場合:500万円〜800万円
- 居抜き物件の場合:50万円〜300万円
内装も重要ですがこだわるときりがありません。スナックのメインの商品はママの接客とお酒であることを忘れずに、予算とのバランスを考えましょう。
居抜き物件なら、壁紙の張り替えや照明の変更など最小限の工事で済むため、大幅なコスト削減が可能です。
スナックの看板が繁盛のカギ!設置するメリットや看板作成のポイントを解説
③設備費:100万円〜300万円
カラオケやPOSレジを導入する費用です。
スナック営業に必要な設備を導入する費用で、具体的には以下が挙げられます。
- カラオケ機器:リース月額2万円〜5万円、または買取50万円〜100万円
- POSレジ:月額1万円〜3万円、または買取30万円〜80万円
- 冷蔵庫・製氷機:20万円〜50万円
- 空調設備:30万円〜100万円
- 音響・照明設備:20万円〜80万円
カラオケやPOSレジはリース契約にすることで、初期費用を大幅に抑えられます。
④備品購入費:50万円〜150万円
お店で使う、テーブルやイス、その他キッチンのガス、空調などを購入する費用です。
- テーブル・椅子・ソファ:30万円〜80万円
- カウンター什器:10万円〜30万円
- グラス・食器類:5万円〜15万円
- キッチン用品(ガスコンロ、調理器具等):10万円〜30万円
- 装飾品・インテリア:5万円〜20万円
お店の雰囲気や客単価にもよりますが、高級感のある家具を設置することが多いようです。
また、強度を考えて、業務用の家具を購入する場合は家庭用と比較してやや値段が張るので注意が必要です。
⑤広告宣伝費:10万円〜50万円
ホステスの求人や、お店自体の宣伝のために必要なお金です。
- Googleマップ登録・HP制作:10万円〜30万円
- SNS広告:5万円〜20万円
- チラシ印刷・配布:3万円〜10万円
- 求人広告掲載:5万円〜15万円
宣伝はお店の知名度、認知度を上げるためなので長期的に行う必要はありませんが、初速を上げる意味では大切です。
ただ、口コミや紹介を活用すればほとんど必要ないケースもあります。
⑥許可取得費:5万円〜30万円
スナックを開業するために必要な許可や資格を取得するための費用です。
- 食品衛生責任者講習:1万円程度
- 飲食店営業許可申請:1万円〜2万円
- 深夜酒類提供飲食店営業届:2万円〜3万円
- 風俗営業許可(取得する場合):10万円〜25万円
許可や資格を得ないで開業、営業すると風営法違反で逮捕されてしまうので、しっかり取得してから開業するようにしましょう。
スナックの深夜営業に必要な許可って?2パターンの営業許可を比較
⑦初回仕入れ費:20万円〜50万円
開店時に必要なお酒やおつまみの仕入れ費用です。
- お酒(焼酎、ウイスキー、ビール等):15万円〜30万円
- おつまみ・軽食材料:3万円〜10万円
- 氷・ソフトドリンク:2万円〜5万円
- 消耗品(おしぼり、ナプキン等):2万円〜5万円
開店直後は1週間程度をメドに仕入れを行いましょう。お店が軌道に乗ってきたら、定期購入に切り替えても良いかもしれません。
初期費用の計算例
初期費用の計算は、予算を決めることと同義です。
予算が決まらないまま物件や備品を購入してしまった場合、必要な資金が足りなくなってしまいます。
以下は、標準的なスナック開業の初期費用計算例です。
| 項目 | 金額 |
| 店舗費用 | 200万円 |
| 内外装工事費 | 100万円 |
| 設備費 | 50万円 |
| 備品購入費 | 50万円 |
| 広告宣伝費 | 10万円 |
| 許可取得費 | 30万円 |
| 初回仕入れ費 | 30万円 |
| その他経費 | 30万円 |
| 初期費用合計 | 500万円 |
もちろんすべて必須というわけではありません。
広告宣伝費は、口コミや紹介を活用すればほとんど必要ないケースもありますし、店舗費用(物件取得費)も居抜き物件等を選べば内装費を抑えることが可能です。
【3パターン別】あなたに必要なスナック開業資金は?
スナック開業資金は「どのような店舗を目指すか」によって大きく変わります。
自分に合ったパターンを選ぶことで、無理のない資金計画が立てられます。
以下の3パターンから、あなたに最適な開業スタイルを見つけましょう。
最小限のモデル:総額500万円(居抜き物件・郊外型)
初期費用を徹底的に抑えたい方向けのパターンです。
居抜き物件を活用し、郊外や住宅街エリアで小規模スナックを開業します。
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 店舗費用 | 80万円 | 家賃8万円×保証金10ヶ月分 |
| 内外装工事費 | 50万円 | 居抜き物件、最小限の改装のみ |
| 設備費 | 80万円 | カラオケ・POSレジはリース契約 |
| 備品購入費 | 40万円 | 中古品・リサイクル品活用 |
| 広告宣伝費 | 5万円 | SNS中心、無料ツール活用 |
| 許可取得費 | 5万円 | 深夜酒類提供飲食店営業届 |
| 初回仕入れ費 | 20万円 | 最小限の在庫 |
| その他経費 | 20万円 | 予備費 |
| 初期費用合計 | 300万円 | |
| 運転資金(3ヶ月分) | 200万円 | 月間支出約65万円×3ヶ月 |
| 総額 | 500万円 |
このパターンが向いている人
- 初めてスナックを開業する方
- 自己資金が限られている方
- まずは小規模で始めたい方
- ママ1人、またはアルバイト1〜2名で運営予定の方
標準のモデル:総額1,000万円(都心・軽内装)
都心部の好立地で、ある程度の内装にもこだわるパターンです。
最も一般的な開業スタイルで、安定した経営を目指せます。
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 店舗費用 | 200万円 | 家賃15万円×保証金12ヶ月分+諸費用 |
| 内外装工事費 | 150万円 | 居抜き物件、部分的な改装 |
| 設備費 | 150万円 | カラオケ・POSレジ・厨房設備 |
| 備品購入費 | 80万円 | 新品と中古を組み合わせ |
| 広告宣伝費 | 20万円 | SNS広告+グルメサイト掲載 |
| 許可取得費 | 10万円 | 深夜酒類提供または風俗営業許可 |
| 初回仕入れ費 | 40万円 | 標準的な在庫量 |
| その他経費 | 50万円 | 予備費・雑費 |
| 初期費用合計 | 700万円 | |
| 運転資金(3ヶ月分) | 300万円 | 月間支出約100万円×3ヶ月 |
| 総額 | 1,000万円 |
このパターンが向いている人
- 都心部で本格的に経営したい方
- ある程度の自己資金+融資を組み合わせる方
- アルバイト3〜5名を雇用予定の方
- 安定した売上を目指す方
高級モデル:総額2,000万円以上(都心・高級内装)
一等地で、内装・設備・サービスすべてにこだわる高級志向のパターンです。
客単価の高い富裕層をターゲットにした本格的なスナック経営を目指します。
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 店舗費用 | 500万円 | 家賃30万円×保証金12ヶ月分+諸費用 |
| 内外装工事費 | 600万円 | スケルトン物件、フルオーダー内装 |
| 設備費 | 300万円 | 最新カラオケ・高級音響・POSレジ |
| 備品購入費 | 200万円 | 高級家具・業務用厨房機器 |
| 広告宣伝費 | 80万円 | HP制作・SNS広告・雑誌掲載 |
| 許可取得費 | 20万円 | 風俗営業許可+各種届出 |
| 初回仕入れ費 | 80万円 | 高級酒・豊富な品揃え |
| その他経費 | 120万円 | 予備費・開店イベント費用 |
| 初期費用合計 | 1,900万円 | |
| 運転資金(3ヶ月分) | 600万円 | 月間支出約200万円×3ヶ月 |
| 総額 | 2,500万円 |
このパターンが向いている人
- 十分な自己資金がある方
- 高級志向のスナックを目指す方
- 富裕層をターゲットにしたい方
- 経営経験が豊富な方
3パターン比較表
| 項目 | 最小限 | 標準 | 高級 |
| 総額 | 500万円 | 1,000万円 | 2,500万円 |
| 立地 | 郊外・住宅街 | 都心の繁華街 | 一等地 |
| 物件 | 居抜き | 居抜き | スケルトン |
| 席数 | 8〜10席 | 10〜15席 | 15〜20席 |
| スタッフ | ママ1人 | ママ+3〜5名 | ママ+5〜10名 |
| 客単価 | 3,000〜5,000円 | 5,000〜8,000円 | 10,000円以上 |
初めての開業なら「最小限パターン」か「標準パターン」がおすすめです。経験を積んでから拡大することも可能です。
チェックリストに従って開業までのスケジュールを立てる
水商売の開業時にはやらなければならない作業がたくさんあります。その全てを紙に書き出すことは、開業の経験者でも難しいことです。
- 開業までに何を行えばいいのか
- 業者選定の優先順位は?
- 開業までのスケジュールを立てたい
チェックリストに従って開業準備を行うことができます。
是非ご活用ください。
総ダウンロード数1万を突破!水商売のお役立ち資料一覧
スナックの運転資金の内訳と計算方法
運転資金とは、「開業後に」必要な資金のことです。
これが不足していると、せっかく開業しても数ヶ月で閉店せざるを得なかったり、ホステスの給与を支払えないなんてことになってしまいます。
少なくとも「3ヶ月分は売り上げが0円だとしてもなんとか持つな」という程度の費用は用意しておきましょう。
運転資金として必要な6つの費用
運転資金として必要なのは以下の6つです。
| 項目 | 概要 | 月額目安 |
| 仕入れ費 | お酒やおつまみにかかる費用です。 | 10万円〜30万円 |
| 人件費 | 月末にホステスに払う給与の費用です。 | 20万円〜80万円 |
| 水道光熱費 | 使用した水道や電気の代金です。 | 3万円〜8万円 |
| 家賃 | お店の家賃です。 | 10万円〜30万円 |
| 広告宣伝費 | キャストやお客さんを集めるための広告にかかる費用です。 | 5万円〜15万円 |
| 生活費 | ママさん・オーナーの生活にかかる費用です。 | 20万円〜40万円 |
運転資金の計算例
値段を先に決めてしまうと、ドリンクやフードをいくつ売れば経営が成り立つのかわからないままなので、月末の人件費や光熱費の支払い時に払えないというケースが発生してしまいます。
運転資金も初期費用と同様に、事前に計算しておくことで資金不足を防ぐことができます。
以下は、運転資金の計算例です。
| 項目 | 月額 |
| 仕入れ費 | 15万円 |
| 人件費 | 40万円 |
| 水道光熱費 | 5万円 |
| 家賃 | 20万円 |
| 広告宣伝費 | 10万円 |
| 機器維持費・リース代 | 5万円 |
| 返済費(融資を受けた場合) | 10万円 |
| 生活費 | 25万円 |
| 月間支出合計 | 130万円 |
| 3ヶ月分の運転資金 | 390万円 |
ほとんどの方は、3ヶ月程度の運転資金を用意していますので、3ヶ月程度あったほうが良いでしょう。
すぐにお店が軌道に乗るとは限りません。少なくとも「3か月は売り上げが立たなくても大丈夫」なように、運転資金をしっかり用意しておきましょう。
開業資金の計算方法まとめ
スナックの開業資金の計算式は以下の通りです。
上記の計算例を使うと、
- 初期費用:500万円
- 運転資金(3ヶ月分):390万円
- 合計開業資金:890万円
となります。
スナックの初期費用を抑える5つの方法
開業資金が高額になりがちなスナックですが、工夫次第で大幅にコストを削減できます。
以下の5つの方法を実践することで、数百万円単位でコストダウンが可能です。
①居抜き物件を活用する
最も効果的なコスト削減方法が、居抜き物件の活用です。
前のテナントの設備や内装がそのまま残っている物件を選ぶことで、以下のメリットがあります。
- 内装工事費を100万円〜500万円削減できる
- カラオケ設備などがそのまま使える場合がある
- 開業までの期間を1〜2ヶ月短縮できる
- 什器・家具がそのまま使えることも
特に前テナントが同じくスナックやバーだった場合、必要な設備がほぼ揃っているため、大幅なコストダウンが可能です。
②設備はリース契約を活用する
カラオケ機器やPOSレジなどの高額設備は、買取ではなくリース契約にすることで初期費用を抑えられます。
- カラオケ機器:買取100万円 → リース月額3万円〜
- POSレジ:買取50万円 → リース月額2万円〜
- 総額150万円の初期費用が、月額5万円に
開業直後の資金負担を大幅に軽減できる上、故障時のサポートも受けられるため安心です。
③中古品・業務用リサイクル品を活用する
テーブル、椅子、グラス類などは、業務用のリサイクルショップを活用することでコストを半額以下に抑えられます。
- テーブル・椅子:新品50万円 → 中古20万円
- グラス・食器類:新品10万円 → 中古3万円
- 厨房機器:新品30万円 → 中古10万円
お客様の目に触れない厨房機器などは、特に中古品で十分です。
④DIYで内装費を削減する
専門業者に頼まず、自分でできる範囲の内装作業を行うことでコストを削減できます。
- 壁紙の張り替え:業者15万円 → DIY3万円
- 簡単な塗装作業:業者10万円 → DIY2万円
- 装飾・インテリア:業者20万円 → DIY5万円
ただし、電気工事や水道工事など資格が必要な作業は、必ず専門業者に依頼しましょう。
⑤広告宣伝費はSNSで削減する
高額な広告費をかけなくても、SNSを活用することで効果的に集客できます。
- Instagram・X(旧Twitter):無料
- Googleマップ登録:無料
- LINE公式アカウント:基本無料
- 有料広告:月額3万円〜10万円 → SNS活用で0円〜
特に開業前からSNSで情報発信を始めることで、開店と同時に集客できる土台が作れます。
スナックの開業資金を調達する4つの方法
スナックの開業資金のおおよその相場は500〜2,000万円だとわかりました。
しかし、中には「スナック開業したいけど、500万円は用意できない」「自分の貯金を全部つぎ込むのは、ちょっと…」といった方もいるのではないでしょうか。
そういった場合は、ぜひ以下4つの方法を試してみてください。
- 融資を利用する
- 助成金・補助金を活用する
- 家族や知人に頼む
- クラウドファンディングを活用する
1つ1つ詳しく見ていきましょう。
①融資を利用する
スナックを開業する際にまず検討したいのが、融資の利用です。
その中でも以下2つは非常におすすめです。
日本政策金融公庫の創業融資
- 金利が低い:年1〜2%程度
- 審査期間が短い:2〜3週間程度
- 無担保・無保証人で借りられるプランもある
- 最大3,000万円まで融資可能
民間金融機関の創業融資
- 地方銀行や信用金庫が提供
- 地域密着型で相談しやすい
- 自治体の保証制度を利用できる場合も
- 金利は日本政策金融公庫よりやや高め(2〜4%程度)
特に日本政策金融公庫は金利が低く、審査の期間も短いので、ぜひ融資を検討してみてください。
融資審査を通過するコツについては、後ほど詳しく解説します。
②助成金・補助金を活用する
スナック開業時には、国や自治体が提供する助成金・補助金を活用できる場合があります。
- 小規模事業者持続化補助金:最大200万円
- 創業助成金:最大300万円(自治体により異なる)
- キャリアアップ助成金:従業員採用時に活用可能
- IT導入補助金:POSレジ導入時に最大450万円
助成金・補助金は返済不要なため、積極的に活用したいところです。
ただし、申請から交付まで数ヶ月かかる場合が多いため、開業資金の主軸にするのではなく、補助的な資金源として考えましょう。
③家族・知人に頼む
続いて、家族や知人にお願いするのもいいでしょう。
必ず返す約束をしたうえで誠実にお願いすれば、きっと力になってくれる人はいるのではないでしょうか。
キャスト時代のお客さんを当たってみるのも手です。
個人からの借入の場合の注意点は以下の通りです。
- 必ず借用書を作成する
- 返済計画を明確にする
- 金利を設定する(無利子だと贈与税の対象になる可能性)
- 人間関係が悪化するリスクを理解する
金銭トラブルは人間関係を壊す原因になるため、慎重に進めましょう。
④クラウドファンディングを活用する
最後に、クラウドファンディングを活用するのもおすすめです。
クラウドファンディングとは、簡単に言うと「不特定多数の支援者から資金を募ることができる」サービスです。
- CAMPFIRE、Makuake、READYFORなどのプラットフォームを利用
- プロジェクトの魅力を伝えることで資金調達
- 支援者にリターン(開店後の割引券など)を提供
- 開業前からファンを獲得できる
スナック開業の思いを前面に押し出し、「応援したい」と思ってもらえるようなプロジェクトを投稿すれば、支援してくれる人が現れるかもしれません。
スナックの融資審査を通過する5つのコツ
融資を申し込んでも、審査に通らなければ資金を調達できません。
特に水商売は金融機関から厳しく見られがちなため、しっかりとした準備が必要です。
以下の5つのポイントを押さえることで、融資審査の通過率が大幅に向上します。
①詳細な事業計画書を作成する
融資審査で最も重要なのが、事業計画書の質です。
以下の内容を具体的に記載しましょう。
- 開業の動機と目的
- 店舗のコンセプトと差別化ポイント
- ターゲット客層と集客方法
- 詳細な資金計画(初期費用と運転資金の内訳)
- 売上予測と収支計画(3年分)
- 返済計画
特に「なぜこの場所で、このコンセプトなら成功するのか」を論理的に説明できることが重要です。
②自己資金を用意する
融資額の30〜50%程度の自己資金を用意することで、審査通過率が大幅に上がります。
- 必要資金1,000万円の場合:自己資金300万円〜500万円
- 計画的に貯蓄してきた実績が評価される
- 「本気度」を示すことができる
自己資金が多いほど、「この人は計画的で返済能力がある」と評価されます。
③業界経験をアピールする
スナックやキャバクラなどで働いた経験がある場合、それを積極的にアピールしましょう。
- ○年間キャストとして勤務
- 売上上位の実績
- 接客スキルや顧客管理の経験
- 業界の収益構造を理解している
未経験者よりも、業界経験者の方が審査では有利になります。
④物件を先に決めておく
具体的な物件が決まっている方が、事業計画の信憑性が高まります。
- 物件の住所と家賃
- 立地の優位性(駅からの距離、周辺環境)
- 物件の写真や図面
- 大家や不動産会社からの内諾
「まだ物件は探していません」という状態では、計画の具体性に欠けると判断されやすくなります。
⑤信用情報を確認しておく
融資審査では、個人の信用情報が必ずチェックされます。
- クレジットカードの延滞履歴がないか
- 消費者金融からの借入がないか
- 税金の未納がないか
- 携帯電話料金の滞納がないか
これらに問題がある場合、融資審査に大きく影響するため、開業を決めたら信用情報を傷つけないよう注意しましょう。
スナック開業時に導入したいPOSシステム
開業をスムーズに進めることも大事ですが、より重要なことは開業後の経営です。
実際に水商売経営をするとなるとキャストの管理や面倒な給与計算、売上管理をする必要が生じます。
特に開業直後は、色々なトラブルが生じる場合が多く、日報を打ち込む作業はできれば避けたいと感じるものです。
また、水商売の特徴として紙伝票での注文が挙げられます。紙での注文はトラブルも多く、普通の飲食店よりも手間が多いです。
しかし、このような水商売特有の面倒な要素を解決する施策があります。
それが、弊社の水商売専門のPOSシステム「TRUST」です!
「TRUST」は面倒な給与計算や売上計算を自動で且つ、一瞬で処理します。
それ以外にも「TRUST」には以下のような役立つ機能があります。
- iPadによる簡単な注文受け取り(伝票をキャッシャーに渡す必要なし!)
- 自動で売上計算
- キャストの給与管理
- 不正防止(レジからお金を抜かれる心配なし)
- iPadなので最新な雰囲気をお客に与える
- 明朗会計の伝票
- ボトルキープ管理
開業時は特に色々な問題が生じるものです。効率化できるものは事前に対策し、スムーズで安定した経営を目指しましょう。
最新の水商売専門POSシステム「TRUST」を導入して、他店に差をつけましょう。
スナック開業資金に関するよくある質問
スナックの開業資金について、よくある質問をまとめました。
Q1. 自己資金が少ない場合でも開業できますか?
A. 可能ですが、融資を受ける際に不利になります。
一般的に、必要資金の30〜50%程度の自己資金があると融資審査に通りやすくなります。自己資金100万円程度でも、居抜き物件の活用やリース契約を駆使すれば開業は可能ですが、運転資金が不足するリスクがあるため注意が必要です。
Q2. 開業資金はいつまでに用意すればいいですか?
A. 開業予定日の3〜6ヶ月前までに用意しましょう。
融資の審査に1〜2ヶ月、物件探しと契約に1ヶ月、内装工事に1〜2ヶ月かかることを考えると、資金が確定していないと具体的な準備が進められません。余裕を持ったスケジュールで資金調達を進めることが重要です。
Q3. 運転資金は本当に3ヶ月分必要ですか?
A. 最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分が理想です。
開業後すぐに売上が安定することは稀で、特に1〜3ヶ月目は赤字になることが多いです。運転資金が不足すると、家賃や人件費が払えず早期閉店に追い込まれるリスクがあります。余裕を持った資金計画が成功の鍵です。
Q4. 居抜き物件とスケルトン物件、どちらがおすすめですか?
A. 初めての開業なら居抜き物件が断然おすすめです。
初期費用を数百万円削減でき、開業までの期間も短縮できます。ただし、前テナントの雰囲気が残っているため、自分のコンセプトと合致する居抜き物件を選ぶことが重要です。完全にオリジナルの内装にこだわりたい場合は、スケルトン物件を選びましょう。
Q5. 融資審査に落ちた場合、再申請はできますか?
A. 可能ですが、最低6ヶ月は期間を空けましょう。
同じ金融機関に短期間で再申請しても、状況が変わっていなければ再び審査落ちする可能性が高いです。審査落ちの理由を確認し、事業計画の見直しや自己資金の追加など、改善してから再申請することが重要です。
Q6. クレジットカードの分割払いで開業資金を工面するのはアリですか?
A. おすすめしません。
クレジットカードの分割払いやリボ払いは金利が非常に高く(年15〜18%)、経営を圧迫します。また、このような借入があると融資審査でマイナス評価になります。どうしても資金が足りない場合は、低金利の融資を検討しましょう。
水商売の開業を検討している方へ
水商売の開業には、資金計画から物件選定、許可取得まで、多くの準備が必要です。
開業準備を万全に行うことで、スムーズな営業開始、初期トラブルの回避、無駄な投資の削減、そして開業後の早期黒字化が実現できるでしょう。
弊社のLINE公式アカウントでは、開業を成功させるための以下のサポートを提供しています。
- 開業に必要なPOSレジシステム「TRUST」のご案内
- 顧客管理アプリの導入支援
- シフト管理システムの活用方法
- 物件選定・内装業者など協力業者の紹介
- POSレジ・顧客管理・シフト管理に関する個別相談
開業時から適切なシステムを導入することで、スムーズな運営開始と効率的な経営が可能になります。
開業準備から開業後の運営まで、必要なシステムやツールについて担当者がご案内します。
これから水商売を始める方こそ、ぜひご相談ください。
まとめ:資金をしっかり計算してからスナックを開業しよう
今回は、スナック開業資金について詳しく解説してきました。
旅行や食事をしたときに、予算を超えてしまった、思っていた金額よりも高かった、という経験はありませんか?
そのときはカードや現金で支払えても、開業する場合はそうはいきません。
内装業者や不動産会社にお金を支払えないと、お店の改装や開業ができません。また、おつまみやお酒の仕入れ費用が足りないと営業できなくなってしまいます。
初期費用や運転資金も含めた開業資金をしっかりと計算した上で開業の準備に取り掛かりましょう。
資金計画が成功の鍵を握っています。本記事を参考に、しっかりとした準備を整えて、あなたの夢のスナック開業を実現してください!
スナック開業の全体的な流れについては、以下の記事も参考にしてください。














