ビッグになってやろう!と思って入った夜の世界。
理不尽な仕打ちに耐えながらも、頑張りが認められて店長に。
お店の事は、集客もキャストの管理も全て自分の力で成功させてきたのだから、そろそろ自分でもお店を開業してみたいと考えていませんか?
キャバクラやスナックの開業の大きな課題としてよく聞かれるのが、「開業資金の問題」です。開業を目指される方のほとんどは、すでに、キャストの管理や集客の能力は確かなものの、財務となると専門外。専門的な知識や計算も多いために苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、財務の知識を持たずに開業してしまえば、仮にお店がうまくいっていても、キャッシュフローがショートし閉店を余儀なくされてしまう可能性もあります。
この記事でのポイントは大きく3つ。
- 開業時に必要になる資金にはどのようなものがあるか?
- 開業資金の集め方について
- 小額の資金で奇跡的な成功をしたオーナーさんへのアンケートを大公開
実際の体験談やアドバイスをご覧になっていただいて、あなたの開業の後押しになれたら非常に嬉しいです。
キャバクラの開業資金はどのくらい必要なのか?
開業資金と一口にいっても、設備資金と運転資金の二つに分けることができます。設備資金はお店を構え、営業を始められる段階までの資金です。そして運転資金は、開業後に売り上げが軌道に乗るまでの資金です。図に表すとこのようになります。
開業資金 = 設備資金 + 運転資金
よって、開業後思ったように売り上げが伸びなくてもやっていけるよう、ある程度の資金を残しておく必要があります。売り上げが無くても最低3カ月は持つようにすると安心です。
これを踏まえて開業資金はどれくらい必要なのか。結論から言いますと、一般的には最低1000万~2000万ほどほどあれば開業を考えてもいいでしょう。
「えっ、そんなに集められないよ」という方もご安心ください。質は落ちてしまいますが、500万~でも開業は可能です。ただし、そのために必要な条件として
- 主要エリアからは離れた場所
- 居抜き物件を選ぶ
の2点が挙げられます。もし資金に余裕がないようであれば、まずは物件が安く、競合も少ないようなエリアで経験を積んでおくのをおススメします。
2,000万円を集めるというのはオーナーになるための、試験のようなものです。まずは、ここを超えられるように頑張りましょう。
キャバクラの開業に必要な設備資金
先ほども解説しましたが、設備資金というのは開業するまでの準備資金です。内装費や厨房設備費など様々な出費があります。そういった出費をいかに抑えられるかというのは、開業するにあたってかなり大切な要素の一つでしょう。
様々な節約方法がありますが、多くのオーナーさんが利用しているのは居抜き物件を使う方法です。そういった点も含めて解説していきます。
店舗物件取得費用
設備資金のなかでもこちらは店舗を借りる時の初期費用になります。ここで解説するのはあくまで初期費用で、月々の賃貸料は含めていません。
店舗物件取得費用とは、個人でアパートを借りる時と同じように始めに不動産屋に支払うお金です。では実際どれくらいかかるのでしょうか。見ていきましょう。
家賃30万の物件を取得時かかるお金(地方エリア)
- 前家賃 30万円
- 保証金(敷金礼金) 300万円 (家賃の4~10カ月分が相場)
- 不動産仲介手数料 30万円 (家賃の1カ月分が相場)
- その他雑費 20万円
合計380万円
これはあくまで例です。安めに見積もっていますので、この値段だと満足のいく物件は見つからないかもしれません。ご自身の資金と相談しながら、時間をかけてでも理想の物件を探しましょう。
内装外装費
キャバクラの内装ってとても豪華ですよね。内装費に関してはこだわればこだわるほど高くつきます。相場としては0~500万ほどです。かけようと思えば内装費はいくらでもかけられるのですが、今回は500万円とさせていただきました。
内装は箱の雰囲気だけでなく、様々な付加価値を生み出しますのでここは手を抜かないようにしましょう。内装に関してはこちら(八百板さん記事)をご覧ください。
0円というのは居抜き物件を使った場合です。皆さんご存知かとは思いますが、居抜き物件とは、以前のテナントの設備が残っている物件のことです。居抜き物件で始めることで、内装費や設備費を節約できます。
かなり安く抑えられるので、まずは居抜きから開業するオーナーさんも多いみたいです。
「居抜き物件か。どんなもんか気になるな」という方はこちらで物件を試しに見てみてください。
外装費は、10万円~30万円ほどです。主に看板です。
厨房設備費
冷蔵庫、調理器具、製氷機などの、厨房設備にかかる費用です。店の規模にもよりますが、一式そろえるとなるならば余裕をもって80~150万円ほど見積もっておきましょう。
ただ、厨房設備が残っている居抜き物件もあるそうなので、そういった物件を見つけられれば安く抑えられますね。
テーブル、ソファーなどの備品
こちらは店の規模にもよりますが最低50~80万円ほど必要かと思われます。そしてこちらも居抜きで抑えることが可能です。資金に余裕がない方なら是非居抜きを活用しましょう。
トラスト
ナイトビジネス専門のPOSシステムです。
・不正が一切できないレジ
・データ活用による売り上げアップ
・月5時間の作業が5分になり、業務コストを削減
というメリットがあり、業界シェアナンバーワン、継続利用率99.33%という実績があります。開業されるのでしたらトラストを導入しましょう。登録費用は月9980円で、月額29800円です。
継続率99.3%というのが示している通り、かなり使い心地がいいようです。
詳しくは水商売専用posトラストを参照してください。
宣伝費用
やはりお客さんの確保は非常に大切になってくるポイントです。
水商売の宣伝ですが一般的には、無料案内所やキャッチでしょう。
無料案内所は、お客さんを呼び込んでくれた場合、紹介料として3000~6000円を一回につき支払う形になります。
キャッチは、お客さんを呼び込んでくれた場合、そのお客さんの飲食代金の15~30%を成果報酬として支払う形になります。しかしこちらは法律的には違法になりますので、あまりおススメはできません。
どちらもお客さんを呼びこんでくれるのであれば、売り上げにはなっているので、負担になることはないでしょう。ただし、いつまでもそれらに依存していてはいけません。フリー客をしっかり掴み、リピーター客にしていきましょう。
というのも、お客さんといい信頼関係を築くことができれば、今度はお客さん自身が、「あの店よかったよ~」と勝手に宣伝してくれるからです。そうすると紹介されたほうも、「〇〇さんの紹介なら」と安心して来店することができます。宣伝という意味では、これが一番理想の形ですね。
くわえて、後のインタビューの項目でも触れますが、オープンしたばかりのお店は、なにも情報が無ければ行こうとは思えません。初期の客は知り合いなどの横のつながりから始まっていくようです。お客さんにせよ、同業者にせよ、人とのつながりを大事にするようにしましょう。
求人費用
求人の方法としては、
- 紹介(スカウト)
- 派遣
- 求人サイト
の3点が挙げられます。
スカウトへの支払いは、成果報酬になります。スカウトバックといって、紹介してくれた女の子が10日間勤めたら、その女の子のランクに応じて10万~100万円ほど支払う形です。
派遣も似たような形で、キャバクラ派遣サービスにまずは登録。そして実際に派遣を依頼した際に、女の子への給料+紹介料を支払うという形になります。人手が足りない時に気楽に使えてかなり便利ですが、正規スタッフを集めるという点では他の方法が良いでしょう。
求人サイトへの掲載費は、タウンワーク、マイナビバイトなどのメジャーなところで、1週間2万円からです。
求人に関しては、手を抜いてはいけないところです。キャバクラにおける「商品」とはキャストです。いい箱を作り出すためには、どれだけいい商品を仕入れられるかがカギとなってきます。この話は内装(八百板さん記事)にも関わってきます。
風営法の申請費用
風俗営業の許可をとるためのもので、役所や警察署に払うお金です。自分で申請すれば45300円(保健所に18300円、警察署に27000円)です。行政書士に代わりにやってもらうとなると20~40万ほど必要になります。
とはいえこの辺は面倒になってくるところでもあります。多くのオーナーさんは行政書士に頼んでいるようです。
キャバクラを開業してからの運転資金はどのくらい必要?
いくら開業資金が集まってオープンできたとしても、その際に一銭も手元に残っていなかったらどうでしょうか。お店の繁盛具合がどうであれ、賃貸料や人件費を払わなくてはいけないので、かなり不安ですよね。
そのため、運転資金をいかに手元に残して開業できるかは重要なポイントです。一般的な飲食店ですと、以下のようなデータがあります。
お店が軌道に乗るまでどれくらいかかったか?
- 位 半年~1年 3割強
- 位 オープン~3カ月 3割
- 位 1年以上 2割
ということなので、安心して経営していきたいのであれば半年から1年分の運転資金を。すぐにでも軌道に乗せていく自信があるのであれば、少なくとも3カ月分の運転資金を用意しておくとよいでしょう。
とはいえ、あくまで保険。運転資金0でオープンし、成功した人の話も聞きます。というのも、キャバクラは現金商売なので、「キャッシュフローの管理が楽」なのです。解説します。
キャバクラ開業後に必要な運転資金
キャバクラは現金商売なのでキャッシュフローが非常に楽です。キャッシュフローというのは簡単に言うと、入ってくるお金と出ていくお金の流れです。ここでの入ってくるお金というのは、お店の売り上げです。
そして、出ていくお金というのが賃貸料だったり仕入れ費用だったり。その中でも一番かかる費用は人件費です。「今月の売り上げが少なかったら今月分の給料払えない・・」と思いがちですが、そんな心配は無用です。なぜかというと、給料の支払いは、基本的に「翌月末払い」だからです。
「翌月末払い」だと何がいいのか。表で見ていきましょう。
月 | 1月 | 2月 | 3月 |
売り上げ | 10万円 | 10万円 | 11万円 |
賃貸料+仕入れ | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
人件費(翌月末払い) | 0円 | 6万円 | 6万円 |
残り | 5万円 | 4万円 | 4万円 |
あくまで例ですが、このようになります。つまり、現金商売だと人件費の支払いが翌月に回せるのです。なのでオープン月は人件費がかかりません。人件費は、一月ずつ後ろにずれていくのです。そしてその分が手元に残り、経営していきやすい、ということです。
よって、運転資金がなくても成功する人がいるのです。
ですが、運転資金なしで開業というのはやはり非常にリスクを伴います。結論としては、安心したいなら運転資金は最低3カ月分確保しておくようにしましょう。
人件費
売り上げに応じて適切な女子給与比率も変わります。理想は売り上げの40~45パーセントと言われています。一番かかる費用ですが先ほど説明したように1カ月支払いを遅らせていけます。
ただどうしても資金繰りが苦しく、支払いを下げたいようであればインセンティブの要素を強くしていきましょう。稼いだ分だけ支払うということにすれば、赤字になる可能性は減らせます。
賃貸料
運転資金を考える際、賃貸料は必ず考えておきましょう。なぜなら、他の費用と違い、削減することができないからです。
むしろ運転資金は賃貸料しか計算していないという方もいます。運転資金での最重要項目になりますので、いくらすぐ軌道に乗せる自信がある方でも、気にかけておくようにしましょう。
水道光熱費
一般の飲食店ですと、売り上げの5%~7%程がここにかかると言われています。
キャバクラとなると照明もありますし、もう少し上がることも考えられます。軽く見られがちですが、意識することで減らすことのできる費用です。節約を心がけましょう。
古い家電などは、電気代も無駄にかかります。新しい家電ほど、少ない電力で効果的に働いてくれます。よってもし家電が古いようであれば、買い替えることでかなりの費用削減が期待できます。
また、エアコンのフィルターのホコリも掃除しておきましょう。ホコリがあるのとないのとでは、30%近く効率が違うとのことです。
こういった下準備をまずしたうえで、節約を意識していきましょう。例えば、お客さんのいないところの空調や照明は弱める。たった1℃の違いでも5%~10%ほどかかる料金が違ってきます。節約を常に意識し、空調や照明の必要のないところはコストを抑えましょう。
小さな積み重ねで、大きな費用削減が期待できます。
キャバクラの開業資金はどう集めるのか?
いよいよ本題です。キャバクラの開業資金は少なくとも1000万円~2000万円ほど必要と解説しました。一応それ以下でも開業自体はできますが、質で勝負したら勝つことは難しいでしょう。よって1000万円~2000万円を開業資金として推奨しています。
ですが、「そんな簡単に集められたら苦労しねーよ!」とお思いの方もいるでしょう。
「そんな大金一体どこから用意すればいいのか?」
解説していきます。
キャバクラの開業資金を集める方法
銀行から融資受けられなかった・・ご安心ください。そういった方がほとんどです。それでは他の方法を解説していきたいと思います。
家族、友人
キャバクラの開業にあたり、お金を集めるというのは、一番最初のハードルです。そうなると、一番お金を貸してもらいやすいのは、家族や友人になります。
家族や友人は、銀行とは違い、儲かるかどうか?という判断基準ではなく、あなたを応援するためだけにだしてくれる可能性があります。
おそらく、身内から集めるのが一番簡単です。しかしそれができない方は、厳しい話ですが、もうすこし信用を獲得してからのほうがいいかもしれません。
銀行からの融資
融資を受けるためには、2~3年は黒字を出し、納税をして実績を作る必要があります。
また、最初から大きな金額の借り入れは難しいため、借りる用途がなくても、数百万という小額から借り入れ実績を作って、大きくしていきましょう。
一度、断られたからと言って、銀行に行かなければ、いつまでたっても融資はもらえません。半年~1年に一度は申請を出してみるとよいと思います。その際、事業の実績などをレポートして定期的に銀行に申請をするといいでしょう。
上司、オーナー
家族・友人の次に出してもらいやすいのが職場の上司であるオーナーです。
あなたに能力があれば、オーナーはあなたを手放したくないはずです。
あなたが、どうしても独立すると言った場合、オーナーから「お金を出すから、利益をシェアしてほしい」
「今までよくやってくれたから、ある時返しで貸してあげるよ」などと言われるでしょう。
もしそこまでの信頼を得ておらず、なおかつ資金集めも難しいようであれば、今の環境で熱心に頑張ってみることが、思わぬ近道になるかもしれません。
投資家と起業家のマッチングサイトを利用する
こちらはいま注目されているサービスを活用したものです。このサイトには起業家を募集している投資家の方がたくさんいらっしゃいます。あなたの求める条件と会う投資家の方がいらっしゃれば、それで資金の面で援助してもらえます。
もちろんまずは話してみて、そこから判断していくことも可能です。ぜひ活用してみてください。
開業は簡単!?キャバクラ開業の失敗を回避する2つの方法
開業資金を集めることができたら、いよいよキャバクラを開業させていきます。
キャバクラの開業資金は1000万円~2000万円くらいだと説明しました。
しかし、頑張ってお金を集めても肝心の開業がうまくいかなければ、開業資金が無駄になってしまいます。
失敗しないキャバクラの開業方法をマスターして、繁盛店を作っていきましょう。
ここでは安定したキャバクラの開業をするための2つの方法を紹介します。
他の人の失敗談を参考にする
キャバクラでの開業を失敗しないためには、他の人の失敗した事例を知ることが大切です。
失敗事例を知ることで、同じような失敗を避けることができます。
開業では以下の4つの失敗がよくあります。
- 売上予測を立ててなかった
- 物件選びを失敗した
- クレジットカードが間に合わなかった
- 初期費用をかけすぎてしまった
失敗の詳細と対処方法はキャバクラ経営者必見!?お店が失敗する原因とは?を参考にしてください。
チェックリストに従って開業準備をする
キャバクラの開業時にはやらなければならない作業がたくさんあります。
その全てを紙に書き出すことは、開業の経験者でも難しいことです。
また、やるべき仕事を頭で管理するだけでは、絶対に作業を忘れてしまいます。
忘れることで開業が延期され、費用だけが増えてしまいます。
そこで今回は特別に開業時のチェックリストを無料でプレゼントします。
是非ご活用ください。
少ない開業でも成功できる!開業資金アンケート
ここからは実際に開業した方に答えてもらったアンケート結果を載せて、考察していきたいと思います。
Aさん
Q,開業したのはいくつの時ですか?
A,38歳
Q,資金はどう集めましたか?
A,援助を受けた
Q,資金いくらで開業しましたか?
A,150万円
Q,居抜き物件ですか?
A,はい
Q,オープン時、運転資金としていくらほど手元に残っていましたか?
A,0円
Q,軌道に乗った、安定してきたと感じたのはオープン後何カ月後くらいですか?
A,2カ月
Q,最後に、開業しようとしてる方へのアドバイスをお願いします。
A,どのようなお店にしたいのか、コンセプトをしっかり考えること。
強いキャストを3人確保しておくこと。
この方は、夜経営しているキャバクラの店舗を借りて、朝キャバとして経営を始めたそうです。150万円で開業というのは驚きですね。運転資金は0円でも2カ月で軌道に乗せています。
資金を集めて夢のキャバクラ開業!!
いかがだったでしょうか?
- 資金がどれくらい必要か?
- どのように集めればいいのか?
についての悩みは解決したでしょうか?
現在夜の世界で成功している方も、はじめはあなたと同じです。
夜の世界に憧れ、勤めているうちに評価され、店を任されるようになる。そして独立を夢見るようになる。
はじめはうまくいくか不安だと思います。ですが資金の集め方がもうわかったあなたを食い止めるものはもうないはずです。
あなたの夢であるキャバクラ開業はもうすぐそこです。あとは1歩踏み出すのみ!健闘を祈ります!